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できれば紅葉が残っている降雪時、湖面に白い雪綿と青さがあるのが最高級ではと思うのです。青い池の諸相の中でも、そうしたものに出会えればいいでしょうか。
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<不死と再生の象徴 一つの解釈 写真の読み解き>
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・青い池の主題 立ち枯れと青い湖水は、死(あるいは屍骸)と死、青は、立ち枯れへの餞(はなむけ)の色でもあること。死してなお木肌を見せ、立っているのです。なんと気丈な姿でしょうか。死してなお生きているかのような凛々しさを感じます。そして、それを称えるのが「青」という色彩です。赤でもなく、黄色でも緑でもない青です。青は希望や冷静、神秘などの象徴として用いられることが多いとのことですが、「希望」としての餞(はなむけ)でもあるようで、死してもなお生きるという神秘さを与えているのではないでしょうか。
・こうしたことに、ある種の「美」「美学」を見いだせないでしょうか。また、古代エジプトから流れる「不死」への願望です。あるいは、死して残す美しさから「再生」への願望もあるかも知れません。これがこの池を見て、「美しい!」「綺麗!」と言わしめる根源的なものかも知れません。私は使い古した綺麗よりも、「清麗」がいいと選びました。不死が清麗とは似合いませんが、けなげさやはかなさが含まれているのかも知れません。
・ケント白石氏の世界に名だたる青い池は、上の写真とは違って、背景の木々はありません。従って、シンプルですし、私のこのような解釈がひょっとして西欧に受け止められたからとも考えています。不死と再生(復活)はキリスト教にも近いものであるからです。死した物が再生するかのように、染みいる青さの中、白い(永遠の象徴)降雪が美しく舞うというのが語られている写真となるのです。
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<紅葉の木と立ち枯れ、降雪、湖水>
それは端的に生と死が対峙している光景です。紅葉もまた生の諸相の1つ、季節の流れによる生の変化です。降雪もまた季節・時の変化、気体・液体・個体の変化です。
湖水も雪も水であり、水は木の体内をめぐり、命を支える1つの要素ですし、立ち枯れを見るとき、死んではいてもその水を含むことによって、倒木から存えているかも知れないのです。
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この先となると、まさしく宗教の領域となりますのでこれまでですが、たとえ諦めとしても、善くは生きたい、何かへの努力はできるのも人間だと思います(性善説的)。それを少しでも行いながら、「ケセラセラ」「Let it be」という楽観的な気持ちで過ごし、生をまっとうするのが最善だと思うのです。
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自然の理にそって変化し、生と死が活きているというのが「降雪の青い池」と解釈します。さらにそれらを結びつける水の存在を考えると、自分もまた自然の理の中で生き死んでゆく身であるというような一体感を持つ時に、そうした自然と同化し、「美しく清麗な光景」と感じ、自分もそれに抱擁されるような心境に至るのではないでしょうか。
そこに宗教とは厳格に言えないものを感じるとすれば、自然に魅入るアニミズム的な心境でしょう。
小鳥のさえずりや風の音を雑音として認識する西洋の人々というのをある本で読みましたが、私たちの文化では俳句、短歌、文学で叙情的なものとして認識されるとのことです。大いなる自然もまた一体感のあるもの、包み込んでくれるものとしてあるようです。これは、この国土に1万7000年前から文化を作りあげてきた古の縄文人達のDNAが残っているかもしれません(これも知識です)。こうしてみると、自然は癒しだけではないものを与えてくれているのだと、また深掘りしたくなります。
秋と冬の狭間の中で、このようなことを考えたのが、この光景でした。そして、一体感とすれば、より明るく雪も強調されるだろうということにもならないだろうか。と、違うショットを現像してみました。
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