人道的で、かつ合理的な考えからは、隣国が日本への侵略をおこなわない! というのが常識的な判断です。だから、今回のウクライナ問題での、ロシアの侵攻を予想し、それが現実化することはほとんどの軍事部門や政治・経済の専門家の予想はくつがえされました。合理的な考えでは悲劇は避けられないということになります。犠牲を払ってでも、甚大な被害をあたえたとしても、ロシアの大きな未知の思考と決断には、無力であるというしかありません。
 

 侵略へと突き動かしたのは野望、個人やロシア人としての欲望や歴史上の名声だったのでしょうか。もしかして、「神の気まぐれ」なのでしょうか。

 最後の審判(核戦争突入)への誘惑とまでは、言わなくても、欧米各国の過去から今に続く2、300年以上の覇権主義・帝国主義の1つの終焉をつげる最後の悲痛な喘ぎにもなるのでしょうか。プーチンが率いるロシアは、今後どんな決断をするのか。ウクライナ国民の戦意を喪失させるという意図らしい民間人へ無差別攻撃、学校や食品販売への攻撃など、国際法無視の攻撃へとエスカレートしています。

 第二次世界大戦後も侵攻の歴史ですし、宗教戦争、経済戦争、情報戦争、思想戦争が繰り広げられてきました。宗教戦争も武力を使います。しかし、上記の経済以下の戦争は目立ちませんので、別名「ステルス戦争」と呼ばれています。(あのコロナだって、どこが発生源で、原因はなにかということで問題にはなりましたが、中国・アメリカ双方に都合の悪い状況が垣間見られて、うやむやになりました。そうなれば、ウイルス・細菌との戦争ともいえます。これからの人類の敵はウイルスや細菌だと予言適中させた人もいます。ペスト、コレラ、コロナの発生はアジア系といいます。結核は劣悪な環境におかれた産業革命以後と言われていて、ホロコーストや、飢餓、戦争による死者よりも多いと言われています。)

 核兵器を後ろ盾に、これらステルス戦争は今後も続くでしょうが、少なくても武力による戦争の愚かさを深刻に認識するようなものでもあってほしいのが今回のウクライナ侵攻です。これが『新世界秩序』になってほしいと思います。すでに国際法でも決められている、武力による侵略や侵攻はダメだという深刻な共通認識です。そして、それを実現するための既存の組織や法整備です。

 しかし、それにも障害が存在します。暴力の火種が残っているからです。インド・パキスタン問題、中東問題はどうなのでしょうか。はたまた、共産主義は暴力を否定しない、暴力でしか革命は起こせないとしていますので、十分な暴力装置をめざして、資本主義を打倒するという、本来的には覇権主義、帝国主義があるからです。宗教戦争も、合理的な納得はありませんし、排他主義、報復主義ですので、暴力は不可避です。暴力、紛争、侵攻、戦争の火種はまだどこにでもあります。
 人に憎しみや恨みがなくならない限り、暴力、略奪がなくならないのと同じ延長線です。一般国民は穏やかな生活を望みますが、権力者も同様だと思いたいのですが、どうも、神の声や、悪魔の声が聞こえてくるような人物へと変えていくもののようです。

 戦争や争いでの死、あるいは諦観による自滅的な潔い死による流血でなければ、一時的におさまらないのが、人間、人類のサガ・業といえそうです。ガンジーによる非暴力の抵抗、僧侶による焼死自殺が印象的です。

 「ロシアによるウクライナ軍事侵攻」は、いろいろと考えさせられます。

 侵攻による自衛は必須かもしれません。ステルス戦争に対してもです。それは、残念ながら、ロシアも含めての隣国への警戒です。論理的でない者に対して、話し合いも限界があるでしょう。そのもしを考えるのが本当は国会議員や学者、知識人であろうと思うのです。しかし、それをあくまで拒否し、ありえない願望としてきたのが、日本の状態です。もちろん、報道にも責任があるようです。偏向、変行ですから、反戦を掲げて、特集をくむでしょうから(どこからか指令がはいるか、トップが指令をだすからか。)。とうことで、自民党も選挙で不利になりますから、腰が引けるのでしょう。まさしく、国益よりも党益という感じですから、野党と同じ立場かもしれません。本当に腰の据えた政治家が少ないです。それと、文科省の立場も左よりですし、日教組も。もう一つの組合は完全に共産系ですから、成人・選挙年齢の引き下げは、ひょっとして不利に働くかもしれないです。憲法改正反対、自衛隊違憲、集団的自衛権拒否‥‥ですから。

 そして、日本経済を動かす経済団体や大企業もどちらかというと、隣国の安い労働賃金で利益をあげようとする金の猛者ですから、隣国とは不仲になりたくない立場です。従って政府への圧力をかける存在の1つでもあります。アメリカの大統領戦でも、対中貿易での制裁を加えたトランプが負け、バイデンが勝ったのもそうした経済的な勢力である企業・金融連合ともいえるグローバリズム派がてこ入れしたそうです。グローバリストは、基本的には、隣国がどんな国であろうと安い労働力と製品を供給する限り、安い製品を国際的に販売して金儲けをするのが本命ですから、親隣国派です。人権問題としてウイグル綿の輸入規制と販売企業への制裁も決めたのは、世論という重要な背景があっての政策変更ということです。もう一つだけいうと、共産主義も、覇権主義・帝国主義ということでは、グローバリズムはとても都合のいい考えとなります。

さて、今回の最後。

 世界報道自由度ランキング

1 ノルウェー
2 スウェーデン
3 フィンランド
4 デンマーク
5 コスタリカ
6 オランダ
7 ジャマイカ
8 ニュージーランド
9 ポルトガル
10   スイス
11 ベルギー
12 アイルランド
13 ドイツ
14 カナダ
15 エストニア

 G7諸国では、ドイツ13位、カナダ14位、英国33位、フランス34位、イタリア41位、米国44位、日本67位の順。

 アジア諸国では、韓国42位、台湾43位、香港80位、インドネシア113位、マレーシア119位、タイ137位、フィリピン138位、ミャンマー140位、カンボジア144位、シンガポール160位、ベトナム175位、中国177位、北朝鮮179位。

 これは、ジャーナリストや報道機関の活動の自由度を測定したもの。評価手法はジャーナリストによるアンケート定性調査と、各国内でのジャーナリストに対する暴力行為統計の定量調査を組み合わせている。定性調査では、「意見の多様性」「政治・企業・宗教からの独立性」「メディア環境と自己検閲」「報道に関する法制度」「報道に対するルールの透明性」「報道のインフラの質」を測っているとか。日本は昨年より一つダウンだそうです。報道も三流で、三面記事でしょうか。