

ソ連が解体したあと、独立したウクライナには、1200発以上の核弾頭と200発近い大陸間弾道ミサイルがあり、当時では世界第3位の核兵器保有国であったという。それを危険視してまず動いたのがアメリカで、その後、イギリスやロシアも加わって、非拡散条約締結ということになって、ウクライナの非核化が実現しました。1994年のことです。当時ウクライナ内部では危険視する意見もあったらしいですが、「ウクライナの領土保全ないし政治的独立に対して脅威を及ぼす、あるいは武力を行使することの自重義務を再確認する」「経済的圧力をかけることを慎み」、同国への「侵略行為」があった場合には、「同国に支援を提供するため、即座に国連安全保障理事会に行動を求める」ということを約束したため、国民も納得して、ウクライナでは1996年までに全ての核兵器をロシアに返却しました。さらに、フランスと中国も個別に声明をだして、ウクライナへの安全を保証したそうです。中国は「ウクライナへの安全保証の提供に関する声明」では、中国は核不拡散条約が認める核保有国として、無条件に核兵器の使用や核の脅威を与える動きをしないことや、他の核保有国にも同様の保証をウクライナに与えるよう呼びかける内容で、つまり、中国は「ウクライナを核の脅威から守る」という宣言だったのです。

「ブダペスト覚書は、独裁者たちが力は正義だと考える世界において、文書化された約束を信頼することの愚かさを改めて示すものだ。さらに有害なのは、核兵器を放棄する際は自国の危険を覚悟する必要があるというメッセージだ。それは北朝鮮に学んだ教訓であり、イランが核兵器開発の凍結を約束したにもかかわらず開発を画策しているのも同様の背延暦だ。アメリカにブダペスト覚書の約束を実施する能力がないことは、アメリカの軍事的保証に依存する同盟国政府にもまた影響を及ぼすとみられる。日本や韓国が自前の核抑止力を持とうとしても驚くにはあたらない。アメリカ人がウクライナ問題に注意を払うべき理由を知りたいと言うならば、それは核の拡散だ。裏切り行為は結果をもたらす。世界はそれを厳しい形で再び学ぶ運命にあるとみられる。」
<だたの紙切れ、核保有の力、存在意義のない組織>


いわゆる、キリスト教などの「最後の審判」というものです。いわば世界に終わりが来て、悪魔との戦いに勝ち、人々が死に絶えた後、これまでに死んだ人間が復活して、天国か地獄へといく神の裁きがあるとしています。神を信じて、悪い行いのない者は永遠の命をもって神と共にくらすことができといいます。地獄では永遠に苦痛をあたえられることになるということです。仏教にも地獄はあるが、期限があり、いつかは輪廻して生まれ変われるのとは異なるらしい。こうした、教えというのは同根であるイスラム教にもあると言われているようです。
ここでなぜ「最後の審判」かというと、戦争や災害など多くの禍もまた、神の意志であり、本当の幸せがくるということを神は約束しているからだと考えている人々がいるかもしれないからです。従って、核戦争は悲劇の引き金でもあり、永遠の命をもって神と共に過ごすという真の救いへの道にもなるのです。世界を破滅させることは、必ずしも悪ではないという非合理な考え方だって、信仰上はできるわけです。それが、真の恐ろしさになります。核兵器のスイッチを押すにも、自らの狂気が神のご意志として許される原点があるわけですから、どうしようもないです。
