


そして、やはり質のことが気にかかりますし、写真が記録性を越えるものとして、記録を一歩でも越える何かを模索しながら、撮り続けるモチベーションを維持、高めたいと思っています。
すでに3年巡った美瑛の丘。もう少し違った見方、視点から撮れないものかと言うことです。もっといいレンズで?ということも、小さな望みですが、そうした手段ではなくて、「美瑛の丘の光景」という被写体を通して、何を見つめ、考え、何を撮したいのかということです。これについては、「テーマ」とか、「主題」、「コンセプト」、「サブジェクト」と呼ばれているものについて基本的な理解をしてから、自分の考えを整理して、組み立て直さなくてはならないようです。 
「One should really use the camera as though tomorrow you’d be stricken blind.
(明日突然目が見えなくなるかもしれない、そう考えてカメラを真剣に使うべきだ。) ドロシア・ラング」
そして、テーマやサブジェクトについても、写真家のドロシア・ラングは述べています‥。
「Pick a theme and work it to exhaustion… the subject must be something you truly love or truly hate. (テーマを決めたら、疲弊する極限までやってみなさい。サブジェクトは心から愛しているもの、または心から憎むものでなければならない。)
この日本語訳では、ほとんどがサブジェクトを「主題」としているものが多いようです。辞書では、どちらも「主題」という意味もあり、訳が分からなくなります。しかし、意味で異なるものをあげると‥
「テーマ」:題目、根本意図、中心課題、中心的内容、本題‥
「サブジェクト」:話題、論題、項目、対象、材料、被写体‥
となります。写真ということからすると、サブジェクトは被写体とした方が分かりやすいかもしれません。絵画では、「モチーフ」に近い意味でしょう。また、テーマが1つの文言であるとすれば、それを伝えるための複数の要素や構想がオブジェクトということで、写真という実体、撮された被写体というのではないかもしれません。
