PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

現像

写真についての個人的なメモです!

RAW現像の手順 その17


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 キタキツネ

 <手順16 「補正ブラシ」で細部を補正する>

 いよいよRAW現像最後の作業です。

「段階フィルター」や「円形フィルター」といった範囲指定補正フィルターに加えて、Lightroomには「補正ブラシ」というものがあります。

 「補正ブラシ」はブラシで指定した部分を補正することができるため、よりきめ細かい部分補正を行うことが可能です。例えばキタキツネの毛並みを強調するためにシャープネスだけをかける、背景を暗くするのに使ったり、部分的に露出やホワイトバランス、色彩、かすみの除去等さまざまな補正を行うことができます。

 補正ブラシを多用していくと、LRソフトの動きが鈍くなるという現象を経験していますので、より広範囲に適応できる段階フィルターや円形フィルターをうまく組み合わせて使っていく必要があります。

 現像後は、「書き出し」と言って、画像形式(jpeg,tiff)、画像サイズを決めて保存することになります。この際、画像に著作権を表すウォーターマークも入れることができるのがLightroomということになります。

 特に書きませんでしたが、トリミングもできますのでLightroomでの現像を楽しんでください。
 

 

RAW現像の手順 その16

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 夕照の日本海 積丹町からの途中で
 内陸に住んでいるせいか、朝夕の海の輝きは眩しく新鮮に見えます。


 <手順15 「段階フィルター」や「円形フィルター」と「ブラシ」で部分的に補正する>

 今までのステップで全体の補正かなりの部分が出来上がったと思います。しかし、部分的にもう少し明るくしたい・暗くしたい、あるいは色を部分的に変えたいといったことがある場合の補正方法となります。

 その一つが段階フィルターです。段階フィルターはカーテンのような補正フィルターで、ある点から引っ張ると、その引っ張った始点から終点までの間を、段階的に指定した補正を加えてくれます。段階フィルターは、始点側は強く、終点側に向かうにしたがって効果を薄くするフィルターですから、フィルター効果の効いている部分とそうでない部分のつなぎ目が自然につながるのが特徴です。上下左右、360°の範囲で使えます

「段階フィルター」と共に指定した範囲を補正するフィルターとして「円形フィルター」があります。円形フィルターは円形に指定した範囲に調整を加えるのはもちろんですが、「マスクを反転」にチェックを入れることで、円形に指定した外側を調整することもできます。これも、段階フィルターと同じく指定範囲外とのつながりが不自然になるのを防いでくれます。ざっくりした範囲を補正するには非常に有効なフィルターです。

 そして、上記2つには「ブラシ」というボタンがあって、それを押すと、フィルターの効果をブラシで追加したり、消去することもできます。つまり、それぞれのフィルターで大まかに決めた範囲や範囲外を細かに調整できるというものです。

 

現像練習

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 余市の冬の奇岩 元画像 写友un1vrsさん レタッチ fes

 最近の撮影・現像も平面的な雪景色ばかりで、何かいいものはないかと写真投稿サイトでいい写真はないかと探していたところ、冬の奇岩えびす岩(余市町白岩町)のいい写真がありました。写真を撮らない頃はあちらこちらに旅行に行って、ここも2度ほど行った場所で、いつかは写真におさめたいと思っていました。もちろん自分で撮ったものではありませんので、そのサイトに投稿された写友の方のご了承もいただいて再現像してみました。

 好きな場所だけに、一見したところ暗いという印象を受けました。しかし、日の出・朝焼け・雲を背景に、近景には岩肌の荒々しさをも和らげるような積雪、朱い鳥居、朝焼けの光を受ける海面、波、中景色にも海面からすっくと立ち上がる雪肌の山と、「優しさと厳しさ、荒々しさの中の優しさ」のようなものを感じました。これは原石だと直感しました。

 今、「RAW現像の手順」ということで、シリーズを組んでいますが、現像は、人間の目に近づけたり、その時の印象をより効果的にする大切な作業だと思っています。ご提供いただいた写友の方もLightroomで現像されているようですが、本当に惜しい!と思いました。私の仕上げは単なる想像と憶測による1つの現像例ですが、きっと撮影者だともっと臨場感が出るのではないかと思っています。

 現像の仕上げの方向性としては、
 全体が暗いとスケール感や立体感などが出なく、リアリティ感が損なわれることになりかねません。従って、空の赤みが消えない程度に全体的に明るくします。そして、特にシャドウも少し上げます。
あとは、一気に部分補正・補正ブラシ多用です。これをリアルに立体感が出ればいいかと思います。まずは奇岩の雪を、明るくして青さもある程度なくなるようにホワイトバランスを調整。また、岩肌も明るくします。それから中景の雪山、これは、岩の雪よりも抑えめに明るくします。鳥居の存在感も彩度を上げる。右下の波も少し明るめに。このような仕上げ予想となります。手順では、1〜8。そして、一気に16という計画となりました。

 これが元データ・RAWだと、暗い部分も立ち上げられるかもしれませんし、海面・波の表情も変化をつけられるかもしれません。
 
 内陸に住む私としては、こうして海辺を現像してみると、光が豊かで本当に面白いと思いましたし、冷たい潮風に吹かれて撮影してみたいと思いました。

 ご了承いただいたun1vrsさん、ありがとうございました。


  

 

RAW現像の手順 その1

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 朝の景色 朝日が当たる丘と日陰の色の違い

 やっと「現像」ということで筆をおこします。

 AdobeのLightroomを念頭にし、様々な
パラメーター(スライダー)を動かしながら,どのような手順でRAW現像を行うかをまとめてみました。

 どこからでもいいのでは?ということもありますが、やはり手順が大切であると、いろいろな書物やプロの方の指導も受けましたので、シリーズで書いていきたいと思います。


 正しい順で現像することの意味は、効率よく仕上げるためです。特に、よく練習用にJpeg画像を現像するのですが、その際にできるだけ画質の劣化を少なくするためでもあります。


 今回は、下記に手順を書くだけにします。これから、その理由なども、情報が入り,まとめ次第書いていくことにします。


<現像の手順>
 

・手順1 「仕上げの方向性を決める」理想のイメージを思い描く。


・手順2 「露光量」を動かして明るさを調整する。

・手順3 「白レベル」を調整し、最も明るい部分の露出を決める。

・手順4 「ハイライト」を調整し、ハイライト部の露出を調整する。

・手順5 「黒レベル」を調整して黒つぶれを抑える。

・手順6 「シャドウ」を調整してシャドー部の露出を調整する。


・手順7 「色温度」を調整してホワイトバランスをある程度合わせる。

・手順8 「色かぶり補正」を行い色温度で補正しきれなかった分を調整する。

・手順9 「自然な彩度」で彩度を適正にする。

・手順10 「HSL/グレースケール」で各色のバランスをとる。


・手順11 「レンズ補正」で収差や周辺光量落ちを整える。

・手順12 「スポット修正」でゴミを取り除く。

・手順13 「シャープ」で画像に解像感を与える。

・手順14 「ノイズ軽減」でノイズを取り除く。


・手順15 「段階フィルター」や「円形フィルター」で部分的に補正する。

・手順16 「補正ブラシ」で細部をレタッチする。


・手順17 「画像を保存」し終了する。


※ 基本的には,明暗を調整し,色を整え,最終段階では,部分補正をするという流れ,工程となります。 
 これ以外にも,「トーンカーブ」による明暗補正,そして,LightroomCCでの新機能「かすみの除去」がありますが,まずは,こうした流れを理解して,練習と実践を繰り返すことになります。

太陽を入れた写真

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 遅れてきた朝 美瑛 赤い屋根の小屋

 マイナス8℃の暖かい早朝。未明から雲が出てきたようで、北東の低い空がやや明るい状況でした。
 美瑛到着頃になっても山頂からの日の出は拝めそうにもなく、三愛の丘、新栄の丘などに行って、雲行きを見て、この写真の拓真館方面へと・・。

 この日は、太陽がわずかにのぞいたり、雲に隠れたりとしていましたので、薄曇りの中の太陽狙いにして撮った1枚です。なかなかこのような状況にはならず、朝の軽食を食べながら車中待ちしました。
 この写真も2つの小屋の中央に木立があって、その真上に太陽という構想だったのですが、生憎道路脇の木立が邪魔して木立が中央にこなかったものです。この前にその木立を避けた位置でも待ってみましたが、結局は太陽が出なかったりとうまくいかないものです。

 この写真も逆光気味となります。当然に大地は暗くなりますので、RAW現像のLightroomで、雪原と小屋を明るくします。状況によっては、そのままシルエットということもありますが、この場合は見た目にした方が、現実味があるかと思いました。こうした逆光では大地が暗くなり、太陽の周囲が白飛びしないように撮影時の露出補正を変えますが、あまりマイナス・暗くすると、現像で明るくする場合にノイズが顕著になってきます。したがって、露出補正を変えた数枚から、ノイズの少ないものを選んで現像するということになります。
 

モノクロ

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 美瑛 ブロッコリーの木 モノクロ

 昨日の薄曇りの光景をモノクロにしてみました。
 ボアっとした感じが,モノクロにすることでかなり引き締まったような感じになります。特に,色彩に影響されずに雪面の質感を高めることができますので,砂のような雪面でドラマチックな雰囲気となります。画質を落としていますが,雪面の白い粒は,雪の結晶の光です。

 現像に関しては,最初はカラー現像をしていきます。モノクロにするので,色には特にこだわらずに,階調飛びがでないよう,デーティルがよく出るようにしています。
 モノクロへの変換は,Lightroomの現像画面の左サイドの「プリセット」にある「Lightroom白黒プリセット」を使います。その中にあらかじめ設定されている7つのスタイルがあります。そこにカーソルをあてるだけで,ナビゲーターの画像が変わりますので,気に入ったのをクリックして,変換となります。このプリセットだけでもいいですが,さらに補正という場合は,基本補正が白黒用に変わっていますので,カラーの現像と同じように各スライダーで調整していきます。これでモノクロ写真となるわけです。(さらに,基本補正「トーンカーブ」の下にある「HSL/カラー/B&W」というのも「B&W」(白黒)になっています。これは元画像の色彩の濃度,色相を変えて,モノクロに反映させるものです。これはまだ十分に使い切れていないので,省略ですが,是非試してみてください。)


冬の光

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 美瑛 ブロッコリーの木

 十勝岳連峰山頂のわずかな雲間からの光芒を期待して、新栄の丘で待機していましたが、光芒は出ませんでした。しかし、その後、雲も少し薄くなってきて、ご覧のような微妙な朝焼けの景色となりました。期待するものがなくても、これはまたこれで自然の一つの顔です。空も微妙なら、雪原の色もまた微妙となります。

 このような日でも、撮影データでは、空が明るいために雪原は暗くなりますので、現像で明るくしていきます。左下の足跡の途中の明るいところがありますが、これを白飛びさせない程度に、また、木の影がそこそこ残る程度に明るくしたものです。

肉眼とカメラ 2

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 同じ図となりますが,今回は,赤丸部分のことです。

 前回までいろいろと書いたのですが,「人間の視覚は視点を合わせた部分をつなぎ合わせて,光景全体を認識している。」こと,また,個々部分部分に見ているので,カメラのように,1つの露出,1つのホワイトバランスで撮影したイメージにはならないと思います。従って,人間の方がカメラよりも勝っているということになります。

 露出でいうと,逆光での人物を普通に撮ると,背後の光が強く,カメラの方が勝手に暗く写していまい,せっかくの人物が暗く写ってしまいます。そこで,そうした場合のコツとして,露出補正をプラスにして撮影すると,人物は明るく写りますが,背後にある青空も白飛びかそれに近い明るさとなってしまいます。この写真違う! と思っても,そこは肉眼とは違い機械の仕事というわけです。人間の認識では,人の顔も逆光でありながらも暗くは感じませんし,空の青さも見えるのですが,それは個々に見て認識しているからです。頭脳では,どちらもよく写っている状態なのです。

 そこで,この人間の「見た目どおり」に近づけるのが「現像ソフト」を使った現像の1つの目的になります。上記では露出のことでしたが,明るさが異なると色にも違いを及ぼします。つまり,空や大地・農地,農作物などの諸々のものの色にも違いを及ぼすものですので,露出の補正だけでだめな場合は,ホワイトバランスを変えることも重要になってきます。ところが,その現像ソフトが,全画面を一律にしか補正できないとなると,カメラと同じです。前にも書いたように,どのカメラも元となる光のデータを解析したものをもっているのですが,液晶画面で確認などをする画像は,カメラ内ですでに均一の補正を行った(つまりカメラ内現像して)ものです。

 そうなると,上記の逆光・人物の画像の現像だと,人物の部分とその背後の部分と別々に補正をしなければなりません。ここで重要なのは,使っている現像ソフトが,「部分的に範囲を指定して補正をかけられる現像ソフト」かどうかということになります。どうでしょうか。(まあ,大体が写っていればよしとすれば,それでいいのですが。)
 まさに,人間が個々を見て,明るさや色を確認したように(見たように),写真データを部分・領域ごとに現像できるソフトを使ってこそ,人間の見た目,見た目どうりになるのだと思います。

 肉眼,眼球から書き続けて,やっと1つの結論となります。カメラは人間の認識どおりには写せない。従って,部分・領域毎に補正のできる現像ソフトを使って補正しなければ,「見た目どおり」の写真には近づけない,ということになります。

 このシリーズというか,この写真考は,これから,その見た目どおりに現像することの難しさ,そもそも見た目の色をどう再現するのか,そのためにどうするのか,といった方向へといくことになるでしょうか。テーマ,モチーフなどとともに,厄介でありながらも,ステップアップには必要な考察事項だと思っています。
 
  

極寒の色

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 極寒の落葉松 

 「霧氷」と個人的には使いますが、樹氷でもいいのかもしれません。この日は、車の温度計ではマイナス19℃でした。今日も、マイナス9℃で少し霧氷がありましたので、この付近から霧氷が発生するものと思います。もちろん、空気中の水蒸気の量にもよるかと思います。

 現像では、落葉松の黄葉色も混じったもの、影の部分の青味、はたまた、印象としての白さとあり、そのバランスが難しいところでした。元データは、撮影時のホワイトバランスも5400Kと少し高めでしたので、朝焼けの色が残っているものでした。これはこれで綺麗なのですが、寒いという感じを出すために、朝焼け色を少なくした現像にしてみました。冬景色の現像の難しさは、このあたりの白と微妙な色彩の調整でしょうか。
 
 ホワイトバランスのカメラ設定は、例の太陽マーク、曇りマークなどがありますが、ほとんどは太陽マーク使用です。K値では5200となっています。しかし、「K」設定で数値を変え、色合いなども確かめていくと、晴天(雲があっても)でも、その5200ケルビン値から、プラスマイナス200〜300の幅があるようです。まあ、これは現像時に調整できるのですから無駄といえばそれまでですが、jpeg画像での色の信頼性を高めるということで、試行しているところです。

現像の妙 

 最近、現像について考えています。どんな仕上げがいいのかということです。

 RAW保存なので、現像ソフトは必須です。カメラメーカーのものは基本使いません。3社のカメラを持っていることもありますし、カメラメーカーのものは機能的には簡単ですが、細かい補正には向いていないようです。
 
 最初に書いた疑問の点ですが、現像ソフトについては

 ・「補正」という意味での、元データを撮影時に見たようなものにする機能はもちろん、さらに突っ込んでいけば、「加工」という見た目以上の効果を増すこともできる力さえあります。下記の写真は、このブログの5月にあげたものから、現像例を更に付け加えてみました。好き嫌いはあるでしょうが、これ以外にもいくつもできるというのが、現像ソフトの力と言えます。

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 ・その分、どのような現像をするのか、どの範囲?!で補正を行うというのが、現像時に思うことなのです。私の中のスタンダードがないということです。基本的には「見た目に近づけたい」と思ってもいますが、それも案外難しいというところです。

 ・何しろ見た目とはいえ、その記憶は、絶対音階ならぬ絶対色調のようなもののない限り不明瞭です。したがって、RAW保存以外に,カメラ設定でのホワイトバランスを変えてjpeg保存もして参考にはするのですが・・。
 ・撮影時のホワイトバランス、その色はどうきめるのでしょうか。ホワイトバランスの中にある,太陽や雲などは大変おおまかです。
  Canon   太陽=5200K  くもり=6000K 日陰=7000K

 従って、重要なホワイトバランスさえあわせれば、複数枚のpeg画像を比較しながら正しい色を見つけるこがができると考えますま空、木、地面、物でそのホワイトバランスが違うようですので、これが今のところベターでしょうか。
 
 題名に「現像の妙」とは書きましたが、この様々な加工ができることが、何となく表現の幅でもあるかと思っていますが、自分なりに正しい色と、それに基づく自分のスタンダードを持ちたいと願っています。
 


  
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