

美瑛の丘の光景が紹介されたのは、1986年の前田真三氏の最初の写真集『丘の四季』が最初かと思われます。氏が1971年に美瑛を初めて撮ってから15年間の集約です。代表作『麦秋鮮烈』の撮影が1977年ということなので、ここからは9年という月日が経っている訳です。そして、現在、氏が写真集で紹介してから、すでに30年という月日が流れていることになります。それまでは単なる畑風景であったものから、今では鑑賞される田園風景と大きな変化をもたらしました。
前田氏の写真を初めとして、風景写真として語られる美瑛の丘は次のような構図をもっているように思います。
重なり続く丘と、斜面に作られた畑。時には、農業機械によって作られた幾筋もの畝が模様となったり、いくつもの区画の作物ごとによって異なる色の組み合わせ…が、パッチワーク模様に見えたりします。そして、このような風景にアクセントを付けるように一本の木や林。これらが、最も典型的な美瑛風景の構図であり、時には、自然の雲、朝焼けや夕焼け、光芒、光芒に照らし出された畑の陰影、虹などが添えられます。また、北国ならではの冬の光景もありますし、昨シーズンは初めての青い池の冬のライトアップが行われ、新たな冬の光景づくりが今シーズンも継続されるようです。
・丘の起伏が見せる光景 丘の曲線、起伏の美しさ、重なる丘の不連続性の面白さ
丘という斜面であるがゆえの、大地への日向日陰の跡が見える
・樹木の存在 木が主役になる? しかし背景の空色なども
・農業としての耕作大地 作物毎のいわゆるパッチワーク模様
・農業生産活動 人・機械と斜面での作業、牛
・自然とのコラボ 冠雪の山々、虹、白虹、雲、霧、朝夕の光
私はここに通ってまだ3年しか経っていません。まだ、道も地形も十分には頭には入っていません。朝夕(霧)の光景以外のほとんどは移動しての撮影です。土日の撮影が日課ですが、作物の成育や天気・空模様の関係もあり、その日その日で状況が変わっているのも楽しみです。迷えば、休憩も兼ねて小高い丘に移動して周囲を眺めて、再出発するような撮影です。
カメラは3台、うち一台は太陽専用。レンズは17mm~300mmまで4台。CL・ND、ハーフNDフィルター、三脚という機材構成です。
今のところもっぱらWeb用で、プリントアウトはまた別な技術?ということで思案中です。