


いよいよRAW現像最後の作業です。

「補正ブラシ」はブラシで指定した部分を補正することができるため、よりきめ細かい部分補正を行うことが可能です。例えばキタキツネの毛並みを強調するためにシャープネスだけをかける、背景を暗くするのに使ったり、部分的に露出やホワイトバランス、色彩、かすみの除去等さまざまな補正を行うことができます。


特に書きませんでしたが、トリミングもできますのでLightroomでの現像を楽しんでください。
特に書きませんでしたが、トリミングもできますのでLightroomでの現像を楽しんでください。
「色温度」や「色かぶり補正」では画面全体にその効果が適用されてしまうため、一部の色に対してのみ調整を行いたい場合はHSLやカラーを使用するというわけです。「B&W」はモノクロで使います。
ホワイトバランスで全体の色調を補正した後に,一部の色が上手く補正できないという場合に,HSLやカラーの補正ということになります。HSLもカラーも、
・色相(色味) ・彩度(鮮やかさ) ・輝度(明るさ) の3項目があります。
補正できる色は8色となっています。色毎にそれぞれの色相、彩度、輝度を調整できますから、例えば木の緑や青空を補正したいというように一色に対する補正を行いたい場合は、HSL・カラーによって色調を補正することができます。 「HSL」と「カラー」の違いは,パネル上の表示関係だけだと思います。前者だと,8色同時に色相,彩度,輝度毎に変更できます。後者だと,1色を指定して,その色の色相,彩度,輝度を変更するということになります。
これも色毎とはいえ,例えば,画像にある空の青も,海の青も,青い服の色も同時に変えるので,本当に部分的にとなると,補正ブラシでの「ホワイトバランス(色相)」「露光量(輝度)」「彩度」の変更で対応していくしかないと思います。
色の調整はまだ続きます。次は彩度を調整します。彩度もまたクリッピング警告を参考にすれば色飽和が起きた場合にも判別することができるからです。
Lightroomには、「自然な彩度」と「彩度」という2つの彩度調整スライダーがありますが、この違いを説明します。
<彩度>というのは,全てのカラーの彩度を一律に上げたり下げたりします。
<自然な彩度> 彩度の高いカラーはできる限り動かさず、彩度の低いカラーのみ彩度を調整することが出来ます。Adobeの説明にもありますが,特に人物が写っている場合は,「彩度」をあげると肌の色も濃く不自然になりがちです。したがって,そういう場合は「自然な彩度」を調整するということになります。
手順6で,露出の明暗(全体,部分)が決まりましたので,次からは色彩の調整となります。 今回の「色温度」と次回の「色かぶり」の補正となりますが,これらを一般的にはホワイトバランス調整といいます。まずは,「色温度」と「色かぶり補正」のスライダーを操作し、目的の色に近づけていきます。
色温度を下げる,つまりスライダーを左にしていくとブルー(寒色)に、色温度を上げる,スライダーを右にしていくとイエロー(暖色)に画像全体が変化していきます。
ここで色調をまず補正するのですが、色調補正は肉眼で見たままにするのが正しいとは限らないということです。表現の1つとして,あえて寒色にすることでクールなイメージにすることもありますし、その逆に暖色にすることで暖かみのある色調にすることもあります。
しかし,まずはホワイトバランスの言葉通り、白を白く見せるよう,色かぶりをなくす方向で色調補正を練習することが大切かと思います。色調補正はRAW現像でもかなり難しい作業ですので、最初にブルーとイエローの間を動かして,ある程度近づけばいいのではないかと思います。
ちなみに,スポイトの形をした「ホワイトバランスツール」で無彩色の部分をクリックすると,一発でホワイトバランスが補正されるので非常に手早く色調補正が行えますが、これはあくまでも,現像ソフトが指定する色ですから、正しく補正されるとは限らないと思いますま。「ホワイトバランスツール」は、急いでいる場合やグレーカードを写し込んだ状態で大量の画像を一括して補正したい場合などには非常に有効なツールですから、ケースバイケースで使用することをお勧めします。手動微調整する場合でも、まずはホワイトバランスツールを使用してある程度ざっくり合わせてから,細かい色調補正を行うというのも一つの方法かもしれません。
「色温度」である程度を補正できたら、次に「色かぶり補正」を行います。色かぶり補正はスライダーを左にするとグリーン、右にスライドさせるとマゼンタに色味が変化します。
前の手順で色温度をある程度合わせてみたけれどグリーンかぶりしている、あるいはマゼンタかぶりしている場合には,ここで補正します。 北海道に住む私としては、冬の雪原(日中の)の現像では、これが不可欠です。雪原を白に近づけていくと、部分部分で緑や紫の色かぶりが目立ってしまうことがあります。そうなると、やっかいな部分補正での「色かぶりの除去」となります。
今回の写真は、霧の中のクリスマスツリーの木です。余りにも霧が濃くて待っているうちに、雪がちらほら見えてくるようになり、太陽の光で木の緑がかすかに見え出してからフラッシュをたいて撮ったものです。
撮影時にプラス補正にしても暗くなりますので、RAW現像で露光量を上げていくと、緑の色かぶりと紫の色かぶりが出てきました。上はまだ緑の色かぶりが残っている状態のものです。これがなかなか除去できなく、最終的には雪を目立たせるために少々暗くして緑の色かぶりを少なくしたものが下となります。フラッシュの明るい部分に若干緑の色かぶりが残りました。白に近づけると色かぶりが見え出すという写真例となりました。 <色かぶり>について
主に光源の影響によって、それに照られた物の色が違って見えることです。よくあるのは、白熱電球の黄色味や蛍光灯の青味でしょうか。それと、光源というよりも、周囲の色によっても変わる場合があります。例えば、緑の林の中や芝の上だと、その緑が白い服や顔に影響を与えることになります。こうしたことは、肉眼では脳の調整が働いてあまり感じないのですが、カメラはそうはいきません。まともに影響を受けてしまいます。したがって、色温度とともに、この調整も大切なものになります。
とはいえ、誕生日等でのロウソク明かりの写真などは、ケーキの白に合わせてホワイトバランスを合わせると、少々シラケます。やはり、ある程度黄色味のある方が雰囲気が出ますので、万事が白でいいとは限りません。
「黒レベル」で最も暗い部分を決めたら、次に「シャドウ」スライダーを動かしてシャドウ部分全体の明るさを調整します。個人的には,逆光の写真も多いので多用します。
ただ,「黒レベル」や「シャドウ」を大幅にプラスに引き上げてしまうと、写真全体が眠くなり,メリハリのない,のっぺらとした画像になりますので気をつけたほうがいいです。
以上で,全体の露光量の調整と,明るい部分・暗い部分の調整で,画像全体の明暗が一応整ったことになります。
先に最も暗い部分からの調整です。こちらも,まずはシャドウクリッピング警告の表示をONにします。
それから「黒レベル」のスライダーを動かして最も暗い部分の暗さを調整します。黒つぶれを起こした場合には、青色のクリッピング警告がその部分に現れますので、それを見ながら黒つぶれが起こらないように調整します。もちろん表現上意図して完全に黒く潰したい場合はのぞきますが、黒つぶれや白飛びを避けるように調整するのが一般的です。