PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

十勝岳連峰

写真についての個人的なメモです!

パノラマ合成

 広大な景色も広角を使うと余計なところまで入ります。かと言ってトリミングすると画素数が減ります。そこで数枚の写真を合成してパノラマに仕上げます。Lightroomの機能の1つですので、今回はその結果を紹介。

017A7839-Pano
 
 市街地や丘を呑み込んでしまうほどの霧が主題での表現ですから、朝焼けは程々の時の撮影です。これは2枚合成。


017A7877-Pano

 これは3枚合成で、ダイナミックな朝焼け雲が主題です。

 Lightroomでの合成はコントロール・キーを押したまま数枚を指定して合成コマンドをクリックするだけです。その後にトリミングして現像します。いろいろな設定があるようですが、撮影時に気をつけることがあります。

 パノラマ撮影時の注意点
画像を十分に重ねる
各画像の約 40%の領域を重ねる
焦点距離を一定に保つ
ズームレンズを使用する場合は、写真の撮影中にズームしない。
撮影時にはカメラを水平に保つ
同じ位置から撮影する
三脚使用が必須。
ゆがんだレンズの使用を避ける
できるだけ焦点距離の長いものを使う。
露出を一定に保つ
露出はオートを使わず、マニュアル設定で。ホワイトバランスもオートではなく太陽光など一定の設定で撮る。

画像の面積の大小で

 なかなかシンプルな景色は見つからないようで、望遠系レンズで景色を引き寄せて撮影することが多いです。また、それは写したいものを切り取る、焦点化するということでもあります。
 それだけ? の方法しかないのでしょうか? と、考えたときに、画面上での面積というものを考えてみました。写したいものを「大きく」ではなく、「広く」ということです。

030A2261

017A7708

 写したいものを画面の3分の2以上、4分の3以上にすることです。上の場合は空が主役ですが、麦畑、ヒマワリ畑なども考えられます。脇役は面積を小さくということで、見せたいものを強調するということです。

 上の写真は、2つとも「Early morning sky」とタイトルを付けましたが、なんともはや芸のないタイトルです。憧れのダイブ=Wish for Divingとでもすればよかったかな。

ブルーアワー

 雲もなくまったくの快晴の夜明けというのは少々味気ないですが、赤みが帯び始めて濃くなり暗い空を青にかわっていくさまは、ほのぼのとした気持ちになれます。薄い靄が大雪山・十勝岳連峰の裾野に漂っていましたが、太陽がでてくると眩しさばかりです。霧があると日の出後も楽しむ時間はあるのですが、こんな晴天だと太陽の強い光で、東の山々はまるで光のカーテンがかかって薄い存在となります
030A0875

 一番高い山が旭岳。2291mである。そして、特徴的なオプタテシケ山を中央においた景色。

030A0874

 今は旭岳とこのオプタテシケ山の中間あたりから太陽が昇ってくる時期(見る場所で違う)。これからは旭岳にだんだんと寄ってくることになります。これらの写真は4時20分頃です。気象台の日の出時刻は、山の地形等を考慮しない理論上の地平線を想定しているようで、この日は4時34分日の出でしたが、実際に山の稜線から顔を覗かせるのは10数分後となります。

稜線 物語を生み出す創造性

IMG_9827

  「りょうせん」 十勝岳連峰の一部なのだが,何かを思わせる稜線

 わずか3,40kmの南への移動ですが,山々に昇る日の出の位置が異なり,面白い形を見せてくれます。投稿サイトでは同じ連峰のオプタテシケ山を3枚投稿しましたが,山頂の一部にピラミッドのような三角をのせている山です。妙に惹かれていたのですが,さすが自然と共に生きていたアイヌの人々の伝承にもこの山が登場していました。特徴的なその三角を,槍の先と見たようで,雌阿寒岳との壮大な離婚騒動を想像させたのです。離婚の恨みから両山が槍を投げ合ったというものです。雌阿寒だといえば噴煙を上げている火山ですが,この喧嘩で受けた 傷がこの火口だというのです。壮大ですし,生活が狩猟中心だったこともうかがわせるものです。また,この雌阿寒からオプタテシケ山まで,直線距離で110kmも離れていますので,この伝承は,アイヌの人々の移動の広さや広範な交流を物語ものでもあるようです。

オプタテシケ1

 オプタテシケ山 山頂のピラミッド
  こうした稜線や景色から,新しい物語を生み出せるような創造性を持ち合わせているのだろうかと,述懐するのです。
記事検索