PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

写真

写真についての個人的なメモです!

足跡 光と影

 夏季間には意識しない生き物。冬になると雪原の丘にはいく筋もの足跡を見ることができます。よく見るのはキツネです。下図の左です。たまに見るのが、中央と右です。中央がピョンピョンはねるウサギ。2つ並んでいるのがイタチらしいです。鹿は、キツネの足跡がもっと大きくて足跡の距離が長いでしょう。熊は冬は冬眠ですからないようです。

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 キツネは人家の近くまで寄ってきて餌をあさるようですし、早朝だと車道にも見かけます。除雪され車も通って硬くなっているために歩きやすいのでしょう(道路脇の側溝をネズミが通るとうのも聞いています)。
 日中は光の関係で足跡は見にくいですし、ファインダーでも確認できないことがあります。やはり、太陽が東か西の近くだと、足跡が見やすいです。

 下の写真もビニルハウスと丘を撮ったのですが、ファインダーでは全く見えませんし、現像の際もよくわかりませんでした。しかし、モノクロにすると明確に見えてくるのです。

 カラーでは隠れていた形状を露わにするもの、モノクロの凄さです。
 それとモノクロ・テレビも経験した年代ですので、モノクロ写真を見ると色彩を想像します。最近、モノクロの現像も増えたのは、「surface」的なテーマの関係もあります。「surface」というのは、色彩の下に隠れたものを露わにすると共に、見る側、鑑賞者に色彩などを考える余地を残すというようなテーマです。光の強弱のみのモノクロ表現で、カラー写真では見えないものを顕わにし、新たな見え方を表現するというものです。

 過日は単なる雪面を撮影しましたが、風景となると、鑑賞者それぞれが色彩をイメージするのではないかと考えます。昔の写真はモノクロでしか表現できませんでしたが、写真がカラーを獲得した後も廃れることなくモノクロが存続しています。色彩あるれる現代を「モノクロで表現」できるのも写真の特質です。

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 上の写真はカラーの時は足跡も見えなかったものです。身長よりも高いビニルハウスも積雪で半分以上が埋まっています。骨組みがうまくクロスする地点を選んでの撮影です。雪に埋もれた骨組みでは、この辺りが人が働く農地であることが理解できます。しかし、冬の休耕期ではキツネが自由に徘徊する土地でもあること(夏も来ているかもしれませんが)。人と動物の共生というか、両者の境界線上に農家の人は暮らしていることが読み取れます。この写真の雪の光に何を感じるでしょうか。
 と書いてみると、新たなテーマのき1つであったり、写真はテーマで撮るものでもあることにも気付かされます。

淡彩の夜明け

 モノクロ化  僅かな朝焼けの空。非常に微妙な薄いオレンジとピンク色の空で、全体的にハイキー調のカラー画像に仕上がりそうでした。それに、画面の左右に紫の色かぶりが「かすみ除去」をするとできてきます。

 ということでモノクロにしてみました。これも、ローキー調や雪原の表情を出そうとすると紫かぶりが浮き上がってくるというもので、結局はこのような仕上がりとなりました。

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 それと四隅の周辺光量が残っていますが、これは画像を小さくすると強調されます。
この木もいろいろと撮ってはいますが、今回は山頂と木を合わせてみました。この木1本だけが存在すると山の全景が撮れるのですが、右横には木がポツンポツンとあります。

 「木」や「モノクロ」の写真を撮るとマイケル・ケンナを思い出します。木の前で数時間も過ごし、いろいろな角度から、また、シャッター速度も変え、長時間露光もあるそうです。そして、曇りの日などを「いい天気!」と呼ぶそうです。彼は1枚の撮影に時間をかけ『光』を蓄積しつつ、「光景に時間を重層化(私個人的な言葉)」しているらしいです。1秒の何分の1という瞬間を撮るのではなく、変化を眺めながら、それを写し込むというようなスタイルなのです。水面はあくまでも滑らかで、雲海などはその動きが見えるような作品です。

初コン

 美瑛の道の駅で見たポスターに今月末締め切りの写真コンテストがありました。美瑛や上富良野という撮影地限定なので観光関係です。画像データーもインスタグラムでの応募で、初めてのコンテスト応募となりました。

 観光関係の写真コンテストだと、ある程度その地域が特定出来そうな被写体がなければと考えていて躊躇していました。今の私の課題は脱クリシェですし、特に有名スポットを狙っていないからです。しかも、モノクロが多くなりそうな最近の現像ですから…。とは言ってもイメージ写真家(後日説明します)ですので、データで応募できるのは助かります。
 という訳ですが、審査員が中西先生ということもあり、帰り際に新栄の丘で撮ったものを出してみました。

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 もう少しコントラストと雪原のハイライトを持ち上げればいいかと、アップした画像で思いましたが、そのままです。写真的にはいろいろなものを入れ過ぎの感じですが、有名スポットが必要かと、この写真にしました。

ここも下に林があり、年々成長してきて撮影箇所が限られてきて、脚立必須の場所となりそうです。かなり前はこの家に近づくキツネを見かけましたが、そうした観察がやりにくくなりました。

眩しい朝焼けがみたい

 2月も中旬に入り、雲間から見る青空も春を感じさせる光となっています。今日は早朝から天気という予報に5時起きでしたが、あいにくの曇り。…ということで出発しましたが、晴れてきたのは日の出からずっと後でした。それからは霞も出てきましたのでグッド・バイとなりました。
 背景となる山も見えていたのですが、朝焼けに染まりませんでした。1月末のものです。

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 肉眼では雪面は白でしたが、空の淡い朝焼け雲に視線がいくように、また、雪面の柔らかさを出すために淡い青に(雪面の青も色温度を変えれば白くなり、朝焼けも濃くはなるのですが)。そして、画像の四方がややパープルがかっているのも修正せずにファンタジックな雰囲気にしてみました。この時も滞在時間中にはこれ以上の朝焼けはありませんでした。

降雪 って難しい

 降雪が続く日々。予期せぬ合間に青空と光が雪原を通り抜けることもある。これが2月かもしれない。降雪が続くと、どう、どこで雪を撮るのか考える。
 風を待つ場合もある。そして、雪の粒の大きさもある。あまり小さいと絵にならない。大きさが必要なのである。


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風がまだなく垂直に降るので、粒として捉えた降雪。

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 風が出てきたので、線としての降雪。

 2枚は別な斜面の林で、移動しながら風を待った感じです。線として見せるには、シャッター速度を遅くするのがコツ。絞り優先モードが普通の風景ながらも、シャッター速度優先モードで。絞りが32までいってもハイキーで雪が見えなくなる。降雪のラインが見えない時はNDフィルターの登場。これはもうカメラ設定の試行錯誤しながらの撮影。そのうち、冷やしておかなかったカメラは濡れて来るので、早々に車内にもどる。

真相、真層、深層

 場所や撮影スポットに拘らない作品の模索の1つとして。
 ・下の画像は何かの「表層」、「表面」の状況です。マクロ撮影ではありません。


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 カラーではあまりよくわからないある被写体の表面ですが、モノクロにし、ハイライトやシャドー等を調整すると模様なものがあらわになってきます。これが「真相」であり、真の表面「真層」です。そして、この被写体のいろいろな姿を見せる深層の1つでもあるかのようです。

クリシェ 続編

 曇りの予報があっても、雲が薄くなったり、雲間の青空に出会うことがある。雲の厚さによっては、白い太陽からオレンジがかった太陽を見ることができるし、雲間から光が差し込めば、影と日向が移り変わる雪原や丘を見ることができます。とにかく出掛けないと分からない。先月の「クリシェ」の記事の場所では光条が見えたが、今度はキツネ(点景)を写し込むことができました。

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 これはよーく見ると、キツネの尾っぽが妙です。まるで筆のようである。キタキツネの通常のフサフサとした尾っぽではない。妻に言うと根元が「しばれた(北海道弁で凍るの意)」のではと言う。私は何かの事故・事件を想像するのですが。

  画像的にはキツネはもっと右側か、丘のライン上で、小屋から離れていくのがいいと思うがどうでしょうか。風景に動物が入ると、何かのストーリー性を思い描かせることができないのだろうか。有名な撮影スポットも、稀有な気象現象と動物を絡ませば、特質すべき「クリシェ」になるかもしれないと思います。
 この朝焼け雲よりも、先月の光条の絵に、このキツネが入るとよりベターである。とは言え、こればかりは好条件の重なり、幸運しかないだろうと思う。

足跡

 夏季間にはキタキツネに出会うことはほとんどない。しかし、冬の早朝となると車道にも足跡を見ることができる。丘にも続いているのをよく見かける。そして、ある場所に毎回出没することがわかるようになると、マジックアワーが過ぎたり、全くの曇天等で撮るものもなかったりすると休憩も兼ねて立ち寄ってみることもある。

 なかなか近づけないことが多いが、この日は余程空腹だったのか、車から降りて移動しても逃げることはなかった。遠くからは見たことのある捕獲の様子が撮れた。
 とは言え、風景撮影と動物撮影はカメラ設定も異なる。手持ちが基本となるので、ISO感度やシャッターモード、オートフォーカスモードなどを設定し直すことが必要なのだが、つい忘れてしまう。風景設定で動物撮影となるとやはり思ったようには撮れないものである。とは言え、まあまあかな?

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 見事なジャンプで、口先から雪中に入っていくのである。キツネも犬の一種なので嗅覚は強いとは思うが、このジャンプ前は左右に首を振って聞き耳を立てるような動作があった。最後は聴覚なのだろう。
 まあまあとは言え、やはりピントが甘い。手ブレである。焦点距離300mmほどで、シャッターが1/250だとぶれてしまう。絞りを2段以上開けると、草やガードレールがもっとボケて、キツネも精細になってよかったかと思う。
 まだ、他の設定もあるようだ。風景の絞り優先からシャッター速度優先もそう。ISO感度もあげれば手ブレは防げるだろうし、フォーカスエリアも広めだったらよかっただろう。カメラ1台を動物専用にできれば楽なのだが。

撮影スポット=クリシェ

 今日は昨晩から星空でマイナス20℃以下の予報で、美瑛の菊地プロの4k特番の追加撮影だったようですが、ダイヤモンドダストは出なかったとのことです。ダイヤモンドダストで有名なスポットには50台以上の車があって過密状態だったとのことです。氏は過密を避け別な場所で撮影セッティングとのことでした。有名スポットではダイヤモンドダストはある程度は発生していたのかも知れません。

 この有名スポットも5、6年前まではそんなに多くはなかったのですが、冬の美瑛がテレビ等で紹介される毎に増えてきたようです。車50台以上だと、5、60人は集まるのでしょうが、場所取りのようなことがあって大変ですし、片側に路上駐車ですから三脚を持っての移動も大変です。ややもすると、通勤者からの苦情も110番ということになりそうです。したがって、移動は差し控えるということになります。
 固定された箇所からの撮影だとしたら、背景の選択はなくなってしまいます。ダストそのものを2、300mm以上の望遠で切り取るしかないような状況となります。過日にあげた樹氷とのコラボ撮影もしにくくなってしまいます。サンピラーでも発生すれば価値はありそうですが、非常に不自由な撮影ですね。私の場合は幸運にも平日でも撮影できますので、平日狙いとなります。また、それほど期待ができない、規模が小さいとなれば、移動します。晴天であれば、もっと寒い山間部や富良野の空知川で厳寒光景を撮った方がいいと思っています。曇りであれば、太陽光が漏れる地点や川霧でも出ないかと、あちらこちらと走り回ります。

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 この写真や過日の霧の写真もこんな判断から、有名スポットから離れての撮影となります。こんなのも撮りました。

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 雪原での撮影です。すでに枯れた植物ですが、枯れた褐色姿に健気さを感じて撮影してみました。

クリシェ

 定番の撮影スポットでの撮影もそれなりには意味があります。撮影技術やカメラ設定に慣れるということです。また、自分でも感じているのですが、撮影スポットと呼ばれる写真作品の影響を受けていて、「このような写真を撮ってみたい」という思いがどこかにあるのでしょうね。先人、先輩の後を追っているのです。

 しかも、現代はSNS等、インターネットや映像機器の発達で、誰もが写真を撮りWebに公開できますから、撮影スポットの写真も数え切れないくらいあります。従って、見慣れた光景、見飽きた光景=「クリシェ」となります。目新しさがない光景となるわけですから、個人的な撮影と作品としての意味はあっても、余程の自然条件や表現方法(現像方法、手法)がないと新たな写真としての意味はないことになります。あるプロはそれを「上書き」といっています。

 これを考えると、クリシェはあくまでも習作としての一段階といえそうですが、時間と空間を経れば新たなものとして再認識されるということもあり得ます。その1例が、美瑛の青い池です。

 青い池と言えば、初雪降る青い池が有名ですが、青い池の発見者は高橋真澄氏と言われています。氏は西暦2000年前から撮影していて、写真愛好家達に広まったとされています。それが10数年の時を経て、ケント白石氏の作品がアップル社の壁紙になって世界的に知れ渡ることになります。国内ではクリシェでも、海外的には新たなものとして受け入れられたということになります。最初に書いた「それなりの意味」というのは、習作とともにまれに再発見されることを含むということです。

 美瑛のプロ写真家の方々は、こうした意味で新たな作品作り、被写体を探し発表て、自分の写真家としての独自の存在価値を見出しているように思います。

冬の低い雲

浮遊3

 朝焼けと雲

 マイナス15℃以下なのに霧氷もなく、もちろんダイヤモンドダストの発生もないだろということで、上富良野で日の出を待ちました。日の出前はこのような様子もなく、工場からの水蒸気(おそらく)の雲の下にわずかな雲があっただけでした。したがって、朝焼けの光を浴びる雪原の様子を撮りながら移動していくと、にわかに低い雲が発生しだして、ご覧ような光景となりました。地上の水蒸気が少なくても少し上の方にはたくさんあったのかと思われます。このような現象も初めてながら、朝焼け色にうごめくような雲の撮影は初めてでした。もっとダイナミックなものも撮りましたので、次回以降に載せたいと思います。

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