



この写真や過日の霧の写真もこんな判断から、有名スポットから離れての撮影となります。こんなのも撮りました。

雪原での撮影です。すでに枯れた植物ですが、枯れた褐色姿に健気さを感じて撮影してみました。
クリシェ

しかも、現代はSNS等、インターネットや映像機器の発達で、誰もが写真を撮りWebに公開できますから、撮影スポットの写真も数え切れないくらいあります。従って、見慣れた光景、見飽きた光景=「クリシェ」となります。目新しさがない光景となるわけですから、個人的な撮影と作品としての意味はあっても、余程の自然条件や表現方法(現像方法、手法)がないと新たな写真としての意味はないことになります。あるプロはそれを「上書き」といっています。
これを考えると、クリシェはあくまでも習作としての一段階といえそうですが、時間と空間を経れば新たなものとして再認識されるということもあり得ます。その1例が、美瑛の青い池です。
青い池と言えば、初雪降る青い池が有名ですが、青い池の発見者は高橋真澄氏と言われています。氏は西暦2000年前から撮影していて、写真愛好家達に広まったとされています。それが10数年の時を経て、ケント白石氏の作品がアップル社の壁紙になって世界的に知れ渡ることになります。国内ではクリシェでも、海外的には新たなものとして受け入れられたということになります。最初に書いた「それなりの意味」というのは、習作とともにまれに再発見されることを含むということです。
