PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

モノクロ

写真についての個人的なメモです!

光の変化

 陽射しが春に近づき、雪原の雪を溶かし始めて、夜になると凍るような時期になりました。そうなると、陽射しをうける雪原は様々な表情で輝き(反射)始めるのです。

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 過去の映像が上のものです。水の流れのように光っている光景です。雪原も畑には融雪剤が撒かれるので、牧草地は自然に溶けるのを任せるのでこうした光景が撮れると思います。

 今年はまだ狙ってはいませんが、山岳では眩しい反射が見られました。今回の写真がそれです。とは言っても、光の落差がないので写真ではあまり表現できませんでしたが、同じ写真でのカラーとモノクロを紹介します。

 私の好きなオプタテシケ山で、その両脇の山肌が一際輝いていました。

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 肉眼に出来る限り近づけたのがカラー版です。やはり肉眼でのダイナミックレンジが広いので、それが狭いカメラでは両脇の輝きが表現できませんでした。全体にアンダーにすればと言うのもありますが…。従って、モノクロではどうだろうと言うのが下写真となります。
 これでは若干と言う感じでしょうか。それよりも驚いたのは、雲とオプタテシケ山の表情の違いです。この辺りはさすがモノクロの強さです。最近、モノクロが多いのはその魅力があるからです。


 そうなると、このモノクロ的な光の明暗をカラーで生かせないものかと模索するのですが、色彩の違いや濃度によって明暗度合いが変わるので、それこそ果てしない時間をかけての現像となりそうですし、可能かどうかもわかりません。滑らかな色彩のグラデーションを破壊することも考えられるからです。そうなると、Photoshopによる現像を考えなくてはならないのかとも思うのですが、非常に馴染みのないソフトです。それが可能かどうかも知りたいところですが。

冬の光景

 思いもよらない大量の降雪による除雪や、好天気での氷割りなどですっかり腰を痛めて、外出もままになりませんでした。痛み止めを飲んで2日間ほど寝ていました。思えば30年以上も腰痛と付き合っています。少し楽になったので、また、過去のデータを再現像しました。(座っているのも2,30分程度です)

 こちらは撮影スポットの1つで、よく夕景を撮りに行きました。ことしは除雪の山が高くなって少し足場をつくって登って撮るようなことになっています。とは言え、最近は夕方の撮影は少なくなりましたが。青い雪原と雲を超アンダーにして、夕焼け色は省いてモノクロに。カラーでは雪原と雲の色がなかなか気に入らなくて、諦めました。

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 次のは雪原と雲を白で飛ばしました。上の逆でしょうか。
 これは手前の雪原一面に影が来るのを待っていたのですが、こうした表現もできるということでの現像です。

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 今週はもう少し腰をいたわって、日曜日にでも撮影となればと思っています。
 それと後で私の機材を紹介しようと原稿は作ったのですが、思い切って「クイックシューの自由雲台」を買いました。それと、L型アングル、三脚座用のプレートもです。三脚座用のものではストッパーのあるものがなかなかなくて、注文したら4月到着ということで急遽キャンセルして、別通販から。従来から使っている梅本製作所のものも先を変えればクイックシューが付くのですが、プレートがアルカスイス規格ではないのでやめました。梅本のもバッテリーグリップ付きカメラと70-200望遠の重量でも少し締めるだけで抜群のグリップ力があっただけに惜しい気もします。梅本さんは、手作りで、独自構造・形状で安定力や振動を抑えるので、アルカスイス規格は適合しなかったのでしょうね。

足跡 光と影

 夏季間には意識しない生き物。冬になると雪原の丘にはいく筋もの足跡を見ることができます。よく見るのはキツネです。下図の左です。たまに見るのが、中央と右です。中央がピョンピョンはねるウサギ。2つ並んでいるのがイタチらしいです。鹿は、キツネの足跡がもっと大きくて足跡の距離が長いでしょう。熊は冬は冬眠ですからないようです。

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 キツネは人家の近くまで寄ってきて餌をあさるようですし、早朝だと車道にも見かけます。除雪され車も通って硬くなっているために歩きやすいのでしょう(道路脇の側溝をネズミが通るとうのも聞いています)。
 日中は光の関係で足跡は見にくいですし、ファインダーでも確認できないことがあります。やはり、太陽が東か西の近くだと、足跡が見やすいです。

 下の写真もビニルハウスと丘を撮ったのですが、ファインダーでは全く見えませんし、現像の際もよくわかりませんでした。しかし、モノクロにすると明確に見えてくるのです。

 カラーでは隠れていた形状を露わにするもの、モノクロの凄さです。
 それとモノクロ・テレビも経験した年代ですので、モノクロ写真を見ると色彩を想像します。最近、モノクロの現像も増えたのは、「surface」的なテーマの関係もあります。「surface」というのは、色彩の下に隠れたものを露わにすると共に、見る側、鑑賞者に色彩などを考える余地を残すというようなテーマです。光の強弱のみのモノクロ表現で、カラー写真では見えないものを顕わにし、新たな見え方を表現するというものです。

 過日は単なる雪面を撮影しましたが、風景となると、鑑賞者それぞれが色彩をイメージするのではないかと考えます。昔の写真はモノクロでしか表現できませんでしたが、写真がカラーを獲得した後も廃れることなくモノクロが存続しています。色彩あるれる現代を「モノクロで表現」できるのも写真の特質です。

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 上の写真はカラーの時は足跡も見えなかったものです。身長よりも高いビニルハウスも積雪で半分以上が埋まっています。骨組みがうまくクロスする地点を選んでの撮影です。雪に埋もれた骨組みでは、この辺りが人が働く農地であることが理解できます。しかし、冬の休耕期ではキツネが自由に徘徊する土地でもあること(夏も来ているかもしれませんが)。人と動物の共生というか、両者の境界線上に農家の人は暮らしていることが読み取れます。この写真の雪の光に何を感じるでしょうか。
 と書いてみると、新たなテーマのき1つであったり、写真はテーマで撮るものでもあることにも気付かされます。

淡彩の夜明け

 モノクロ化  僅かな朝焼けの空。非常に微妙な薄いオレンジとピンク色の空で、全体的にハイキー調のカラー画像に仕上がりそうでした。それに、画面の左右に紫の色かぶりが「かすみ除去」をするとできてきます。

 ということでモノクロにしてみました。これも、ローキー調や雪原の表情を出そうとすると紫かぶりが浮き上がってくるというもので、結局はこのような仕上がりとなりました。

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 それと四隅の周辺光量が残っていますが、これは画像を小さくすると強調されます。
この木もいろいろと撮ってはいますが、今回は山頂と木を合わせてみました。この木1本だけが存在すると山の全景が撮れるのですが、右横には木がポツンポツンとあります。

 「木」や「モノクロ」の写真を撮るとマイケル・ケンナを思い出します。木の前で数時間も過ごし、いろいろな角度から、また、シャッター速度も変え、長時間露光もあるそうです。そして、曇りの日などを「いい天気!」と呼ぶそうです。彼は1枚の撮影に時間をかけ『光』を蓄積しつつ、「光景に時間を重層化(私個人的な言葉)」しているらしいです。1秒の何分の1という瞬間を撮るのではなく、変化を眺めながら、それを写し込むというようなスタイルなのです。水面はあくまでも滑らかで、雲海などはその動きが見えるような作品です。

モノクロ考

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 光芒 カラー版

 最高気温は20℃そこそこですが、最低気温は一桁で6℃というのも珍しくなくなり、大雪山連峰の黒岳では9月末に冠雪というニュースも入りました。昼夜の温度差が開いてくると朝霧が発生しやすくなります。上の写真は、霧が漂う林に太陽の光が差し込んで光芒が見えた時に撮ったものです。
 
 紅葉の始まった木と常緑の木の色が若干見えますが、逆光ですので、強い光で色彩が薄れているのがわかります。彩度をあげるというのもあるでしょうが、こうした色調がいいのか、はたまた、モノクロで光芒を強調した方がいいだろうかと考えます。

 モノクロのよさについては、まだ十分には理解していませんが、とあるサイトを覗くと…

 「カラー=リアル=具体的=実用的」
 「
モノクロ=非リアル=抽象的=芸術的」

 という解説もありましたが、カラーが常に実用的かといえば芸術的でもあり、モノクロも同じかと思っています。要は何をどうすればよく表現できるのか、現像方法をどうするのかというようなことから「モノクロ」という選択枝があると思っています。

 今回は、色彩もあまり気に入らなく、光芒を強調させるということでモノクロにしてみました。

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 光芒 モノクロ版

モノクロ化 6

 今回は、モノクロ化するLRのプラグイン・ソフト Silver Efexのコントロールポイントの説明です。


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 LRでの円形フィルターといった感じです。調整できるのは、効果範囲の大きさ以外に下記のものがあります。

・二重丸のスライダーで大きさを決めます。
・Br =明るさ、露光量
・Co  =コントラスト
・St =ストラクチャー(明瞭度)
・AW =アンプリファイホワイト 白つぶれをさせることなく明るくする
・AB  =アンプリファイブラック 黒つぶれをさせることなく暗くする
・FS =ファインストラクチャー (少し不明)
・SC =部分的にカラーにする 


部分的カラーの例 
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 カラーを部分的に残す場合は便利かもしれませんが、個人的には部分的な補正、修正はLightroomに戻してから行っています。保存すると、Jpeg形式よりもはるかに容量の大きいTiff形式の画像ファイルとなりますので、修正による画質の劣化も少ないようです。


モノクロ化 5

 調整機能の一部紹介です。今回は、カラーフィルターです。


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・カラーフィルターは上画像の赤枠の中にあります。6つの色ボタンがあります。灰色ボタンは標準で、フィルターのない「元に戻す」という意味になります。したがって、フィルターは5つということになります。

 カラーフィルターを使うと、カラーフィルター効果というものが得られます。
 ある特定の色を吸収して、残った色を透過させ強調させる効果をえることです。たとえば、モノクロ・カメラ時代は黄色のフィルター(オレンジに近かったかも)がありました。これは、空の青が強調され青が濃い黒として表現されます。

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 狐の画像(緑の背景とオレンジ色の毛の狐)で試してみたのが上の画像です。レッドからイエローのフィルターでは、やや白っぽくなります。グリーンだと、背景の緑が少し明るくなったようです。ブルーだと、全体的に濃くなった感じになりました。私的にはグリーン。ブルーにしてから、調整ということも考えられます。

 次に、イラストの虹の画像での変化をのせておきました。虹色の中で、ノーマルよりも何色が強調されるか見てみてください。一般的には、暖色系のフィルターを使うと寒色系が強調され、寒色系を使うと暖色系が強調されるようです。

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モノクロ化 4

 プリセットから選ぶだけでも、随分迷うでしょうか。選んだとしてもそれは、すぐに変更もできますし、調整パネルで細かく追い込んで行くことができます。

 ・モノクロですので、まず明暗がキーとなります。スライダーでは「明るさ=LR露光量」と「シャドウ」「ハイライト」しかありませんが、下画像のように「トーンカーブ」があります。

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・トーンカーブ  初めは斜めの斜線ですが、その線上のどこかにカーソルを当てて上下にドラッグすると明るさが部分的に変化します。右上の方だと画面上では明るい部分、左下だと画面上の暗い部分が変化します。上にドラッグすると明るく、下にドラッグすると暗くなっていきます。上の例だと、明るい部分は少し明るく、暗い部分を少し暗くという操作です。操作した箇所は点になって表されます。これらはLRと同じです。


モノクロ化 3

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 プリセットは38種類
 表示を選択することもできます。このプリセットパネルの一番上の枠(下の画像)のグループを選んでクリックします。

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 最初は「すべて」で、どんなプリセットがあるのかを試してみてください。この中からどれかを選ぶと、調整パネルのスライダー等も連動して変化します。従って、このSEでどんな調整ができるのか、どの調整で何が変わるのかを体験的に学習することができるかと思います。プリセットの一部内容を画像にしておきます。

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モノクロ化 2

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 Silver Efex起動の直前の画面


 このステップが終わるとSEが起動します。灰色のウインドウが出ましたが、LRでの画像をどのようにして、SEで編集するかを選択する場面となり、3つの方法があります。

 ほとんどは1番上の「LR調整でコピーを編集」を使います。LRで現像され、補正が施された画像が自動的にJpegファイルとして保存されて、それを元画像としてSEで編集したものが上書きされて残ることになります。

 ・LRでRAWファイルを現像する場合は、これしか選択できません。

 LRで、JpegやTiffなどのファイルを現像した場合は、チェックされた以外の上から2つ目や3つ目の項目を選択することができます。

 ・2つ目の『コピーを編集」というのは、LRでJpeg等を補正した場合に、それをコピーしたものをSEで編集することになります。つまり、何度もSEで現像した結果を残すことができるということです。

 ・3つ目の「元画像を編集」というのも、LRでJpeg等を補正した場合に、その画像を元画像として編集することになります。この場合は、元画像がSEで編集された結果で「上書き」されますので、SEでの様々な編集結果が残りません。

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 自動保存が終わると、SEが起動して、この画面が現れます。

 すでに標準のモノクロで「ノーマル」(プリセット)に変換されて起動されます。

 プリセットパネルが左、調整パネルが右側となります。プリセットは30種類上あります。調整パネルのスライダーや選択項目も多いです。プリセットはクリックするだけです。

 調整パネルでは、「グローバル調整」として露光量やコントラスト、ストラクチャ(明瞭度)があります。円形のみですが「部分調整」ができます。これはLRの円形フィルターに似ています。カラーフィルターやフィルムタイプ、モノクでも若干色をつけたようなトーニングといったモノクロならではの編集項目もあります。

 次回は、パネル項目の若干の紹介です。




 
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