ホワイトバランス
冬のホワイトバランスは、ケルビン値(色温度)でやっています。既定の「太陽」や「曇り」ではなかなか「雪の白」が写せないからです。ところが日の出や日没前でもかなり色温度が変化しますので、シャッターチャンス前には試し撮りしてある程度合わせています。
ケルビン値については、以前に記載してあります。人間の肉眼のホワイトバランスはカメラよりも優れているので、それを細かく補うのがケルビン値です。スマホ・アプリでケルビン値を計測するものもあるので、どれくらいの数値かはそれらを使うと肉眼に近いホワイトバランスにすることができます。
RAWで撮影すれば気にしないで「オート」でもいいですが、撮影時の記録として大事だと思います。現像では、雪の色も白に拘ったり、寒さを強調するのに「青」にすることがありますが、その他に写っているものも青味がかると不自然になりますので気を付けたいところです。
冬の親子の木
この雪原の雪塊は除雪のせいでしょうか。
これもかなり白には近づけたのですが,本当はもっと明るくまぶしいほどの光の白さです。全体があかるいと雪の白さも半減するようで,雲間からの光と影による比較での「雪の白さ・輝き」を表現する方がベターかなと思っています。
手順を1つ抜かしました?!
<手順7 「色温度」を調整して色彩をある程度決める>
手順6で,露出の明暗(全体,部分)が決まりましたので,次からは色彩の調整となります。
今回の「色温度」と次回の「色かぶり」の補正となりますが,これらを一般的にはホワイトバランス調整といいます。まずは,「色温度」と「色かぶり補正」のスライダーを操作し、目的の色に近づけていきます。
色温度を下げる,つまりスライダーを左にしていくとブルー(寒色)に、色温度を上げる,スライダーを右にしていくとイエロー(暖色)に画像全体が変化していきます。
ここで色調をまず補正するのですが、色調補正は肉眼で見たままにするのが正しいとは限らないということです。表現の1つとして,あえて寒色にすることでクールなイメージにすることもありますし、その逆に暖色にすることで暖かみのある色調にすることもあります。
しかし,まずはホワイトバランスの言葉通り、白を白く見せるよう,色かぶりをなくす方向で色調補正を練習することが大切かと思います。色調補正はRAW現像でもかなり難しい作業ですので、最初にブルーとイエローの間を動かして,ある程度近づけばいいのではないかと思います。
ちなみに,スポイトの形をした「ホワイトバランスツール」で無彩色の部分をクリックすると,一発でホワイトバランスが補正されるので非常に手早く色調補正が行えますが、これはあくまでも,現像ソフトが指定する色ですから、正しく補正されるとは限らないと思いますま。「ホワイトバランスツール」は、急いでいる場合やグレーカードを写し込んだ状態で大量の画像を一括して補正したい場合などには非常に有効なツールですから、ケースバイケースで使用することをお勧めします。手動微調整する場合でも、まずはホワイトバランスツールを使用してある程度ざっくり合わせてから,細かい色調補正を行うというのも一つの方法かもしれません。
以前にも書いたように,「雪=白」でない時もあるからです。さらにややこしいのは,同じような雪原でも凹凸や起伏,さらに太陽の位置関係とレンズの周辺光量によっても,部分的に異なる場合があるからです。一律なホワイトバランス補正では上手くいかないこともあります。部分補正とはいっても補正ブラシを多用すると,現像ソフトのLightroomの動きも悪くなってくるという,よくないオマケまでついてきます。
雪原
一昨日の美瑛での撮影です。雪の下はおそらく秋まき小麦です。テレビの報道でもあったのですが、豆の刈り取りも終わらなく、雪に埋もれて収穫が出来なく困っていると聞きました。美瑛でもそうした場所が見られました。昨日は雨も降りましたが、今日は深々と降る雪で心配です。
さて、雪原の撮影となってきましたが、白い部分が多くなると、画像が暗くなります。したがって、露出補正をプラス側にしますが、白飛びを考えなくてはなりません。雪原の陰影、動物の足跡なども出したい場合は、露出補正も控えめです。場合によっては真っ白で飛ばしていいということもありますが、それはRAW現像での補正、調整で処理した方がいいでしょう。上の写真の場合は、陰影が出ていたのでプラス1/3の露出補正です。
そして、さらに問題なのは、ホワイトバランスです。雪の白に、WBのスポイトを合わせればいいという場合もありますが、なかなか見たような(思ったような?)雪原にはならないことも多いものです。
上の画像にしても、私のモニターで、光が当たる部分は「白」、影はやや青みがかった灰色で表しましたが、他に撮ったものでは、このように白くならないこともあります。無理に白くすると、他の部分が妙な色合いになるので、赤みがかったり、青みを帯びたもので済ませます。
これは雪原が同じような色彩をしている場合で、撮影の時間帯にもよりますが、丘の重なり、傾斜が異なる斜面がある場合では、光の当たり方が異なることから、微妙な違いが出ることがあります。白、赤み、青みと、斜面やくぼみなどで異なることがあります。それはむしろ自然的かと思っていますので、その微妙な色合いを大事にしたいと思っています。
雪が青みを帯びることについては以前書きました。これは積雪がフワフワしていて空気を含んでいる場合に、雪の結晶を通した光が乱反射して青くなるというものです。しかし、一面に真っ青というのではなく、くぼみや日陰、ものの影で特に青く見ることができます。こうした場合は、白と青という雪の色となります。赤みを帯びるのは、朝夕の斜光です。朝焼け、夕焼けもまた一面に色づきますので、いい撮影時間帯でしょうか。
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