
過去の疫病等による死者数を見てみると、
・1位 ペスト・黒死病 1347〜1351年 2億人 (ヨーロッパの人口の1/3が死亡)
・2位 天然痘 1520年 5600万人
・3位 スペインかぜ 1918〜1919年 4、5000万人
・4位 ペスト・東ローマ帝国時代 541〜542年 3〜5000万人
・5位 エイズ 1981〜現在 2500〜3500万人
※ここ直近では年間180万人が感染し、100万人が死亡している。
・6位 ペスト・19世中国とインド 1855年 1200万人
・7位 ペスト・ローマ帝国 165〜180年 500万人
・8位 ペスト・17世紀 1600年 300万人
・9位 アジアかぜ 1957〜1958年 110万人

これでみると、ペスト流行が千数百年も人類を悩ましてきたのがわかります。そして、これが細菌であることを発見したのが日本の北里柴三郎です(もう1人いますが、論文発表は北里が1週間早い)。しかし、その後に紆余曲折があって、1894年に香港で発見したあと(日露戦争の10年前)、1897年にはベニスの万国衛生会議で認められながらも、いろいろな論争が時折ありながら忘れ去られたようです。そのために、1967年にはペスト菌の分類が再編成された際に、もう1人の学者の名がついた学名になり、北里の名はつかなかったということになります。
しかし、アメリカの2名の学者が北里の過去の膨大な論文、資料を精査し、北里の研究と論文は正しいと1976年に発表されたことで、ペスト菌発見者として認めらたという経緯があります。発見から実に82年後に功績が世界に認められたことになります。北里はすでに1931年に亡くなっていました。国内では北里研究所や慶應大学を創設して、日本の医学や教育に貢献しています。

3位になるスペインかぜですが、当時の日本では感染者数2380万人で、死亡者は39万人。致死率は1.63%。アジアかぜでは、日本65万人感染で、死者6700人で、死亡率1%です。今のコロナは4/5現在で死亡率1.9%ですから、スペインかぜよりも高い死亡率となります。今後、ワクチン接種が始まれば、重篤化率が低くなり、死亡者数が減ると率も下がるのではないでしょうか。