PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

カルデラ噴火

写真についての個人的なメモです!

古代人のこころと自然観 その8 縄文の大災害2


 さて、この火山噴火がどのような結果をもたらしたかというと、九州に1000年間も無人や不毛の時代を作ったとされています。


 といのも比較的近年、アカホヤ火山灰の地層の下から縄文時代の大集落が発見されて、縄文文化再評価のひとつとなりました。
 その集落は、舟作の工具(世界最古)や燻製施設と大量の炉、独自の貝殼紋の土器などをともなっていました。この高度な海洋民族を思わせる縄文人を全滅させたことがわかるからです。

 火山礫は火山近くで見られますが、遠方では火山灰でも細粒と粗粒のものが風に乗って撒き散らされます。中国からのpm2.5が肺に入るということで話題ですが、火山灰はそれ以下の0.001μmまでの大きさもあるガラス片や鉱石結晶辺です。大きいものは地上に落ちますが、小さいものは長らく空気中を漂って落ちます。おそらく、ヒエ、アワ、野草、木で実をならすものにも被害が出たでしょう。そして、それらを食する小動物、そして縄文人へも影響を与えたのではないかと思います。2cmの火山灰でも呼吸器に障害が出ると言われています。これが全国的となると相当の被害だったと想像できます。影響を受けなかった東北での縄文が独自の発展を遂げる?ということにも影響を与えたかもしれません。

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 もし、現代で鬼界カルデラが大噴火を起こしたら?

 最新のシミュレーションでは、32億立方キロメートルの噴火物が出るという。九州地方でとんでもない被害を受けるのはもちろん、関東地方に住んでいたからって安全とは言えません。恐らく火山灰の影響がでるからです。ジェット機、鉄道、道路などの輸送は難しくなるでしょう。海岸では最大30m、10階建てビルにも相当する津波に襲われます。東日本大震災並みの津波となるでしょう。

 事前にでも分かれば九州地方や沖縄の人たちは避難区域になり、住んでいる人たち1500万人は本州への移動を余儀なくされるかもしれません。それに山陰や四国の400万人だって安全とは言えないでしょう。非難は間に合うのでしょうか。しかし、それだけの人口をどう移動させ、移動先での衣食住をどうやって確保できるのほぼ不可能となりますほぼ不可能となります。この噴火の影響により、西日本の人たちの生活基盤が徹底的に破壊され、全ての産業が被害を受けてしまうだろうと思われます。

古代人のこころと自然観 その7 縄文の大災害1

 縄文時代の日本の地形や気候、人口、さらに、核DNAからの祖先を見てきました。
 文化庁で指定されている遺跡数からみると、縄文時代以前の旧石器時代は7565箇所、縄文遺跡で90531箇所、弥生遺跡34825箇所、古墳遺跡42232箇所となっていて、人口が少ない割りには縄文時代が圧倒的に多いことになります。

 さて、縄文時代で最大26万人もの人が住んでいたとされます。また、人口密度での資料があります。10km×10km四方での人口密度を計算したものです。やはり、東日本が優位となっています。


人口分布地図

 さて、今回は自然災害が多い日本ということで、1万年以上も続く縄文時代にも地震や台風、はたまた、火山噴火での災害があったと思われます。地質学的に分かっているものでは火山噴火です。1万5千年前には十和田カルデラ噴火、7600年前には摩周カルデラ噴火、5300年前には鬼界カルデラ噴火がありました。カルデラとは円形や多角形の陥没のことで、火山が大規模な噴火を起こすときに凹型にしてしまいます。十和田カルデラは直径8.6km、摩周カルデラは長径が6.5kmです。今は湖になっています。

 さて、鬼界カルデラですが、九州南の50km海中にあります。九州と言えば阿蘇カルデラが世界規模の大きさをもち、東西18km、南北25kmというものです。ちなみに最後の噴火は9万年前です。しかし、この鬼界カルデラ噴火も規模的には阿蘇カルデラ並みで、東西21km、南北18kmで、海底には多数の海底火山があり、カルデラの外輪山として竹島、硫黄島が海面上にあります。 

 火砕流は時速100km/時にもなり、海を超えて九州南の半島まで達しました。また、噴煙は高さ3万メートルに達しました。さらに、津波は最大30mで、和歌山県海岸で4mに達したり、噴火で吹き出した火山灰(鬼界アカホヤ火山灰)が九州では5、60センチで、東北にまで達しているという空前の火山噴火となります。1991年に火砕流で43人の死者を出した雲仙普賢岳の千倍規模とされています。

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