PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

オプタテシケ山

写真についての個人的なメモです!

薄紅の卯月 

 西に沈んでいく太陽は時折ドキッとするような夕焼けを見せることがあります。沈み際はそんなに赤くなくても、撮影地からの帰りに遭遇するという不運な時が多いように思います。

 さて、今回はそんな写真ではなくて、時間的にはビーナスベルト出現の前ということになります。ロケーション的には、丘を背にして丘の影も入れています。落葉の上から後景にかけて夕陽が当たるという場所になります。これだけ木々が赤くなると、「晩秋」を思わせる春の光景となります。

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 夕陽の赤味がどんどんと後景に移っていって、少し「明るさ」がなくなり、残雪の山々からもなくなる頃から、空がうっすらと「赤らみ」かけてくるのです。

 「明るい」も「赤い」も同じような語源だそうです。「赤の他人」「真っ赤なウソ」というのは、「あきらかに」という「明」のもつ意味と同じになります。中国では「紅」が赤色を表す言葉で、近年の中国設立時には「紅衛兵」と言うのがいました。かって日本では毛沢東思想を掲げて「赤軍」がいろいろと事件を起こしました。ここでも中国と日本での言葉の使い方が違います!?

 太陽がでると明るくなり、物事がはっきりあきらかになります。その輝きは白いのですが、朝陽、夕陽ともなりれば赤くなり、太陽が燃えているようなイメージをもったのかもしれません。

 このような夕景とビーナスベルトを見ると、しみじみと1日の労働、活動の終わりが感じられます。最後までお付き合いすると、そのうちヘッドライトが点灯したり、暗い夜道を帰ることになります。

稜線 物語を生み出す創造性

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  「りょうせん」 十勝岳連峰の一部なのだが,何かを思わせる稜線

 わずか3,40kmの南への移動ですが,山々に昇る日の出の位置が異なり,面白い形を見せてくれます。投稿サイトでは同じ連峰のオプタテシケ山を3枚投稿しましたが,山頂の一部にピラミッドのような三角をのせている山です。妙に惹かれていたのですが,さすが自然と共に生きていたアイヌの人々の伝承にもこの山が登場していました。特徴的なその三角を,槍の先と見たようで,雌阿寒岳との壮大な離婚騒動を想像させたのです。離婚の恨みから両山が槍を投げ合ったというものです。雌阿寒だといえば噴煙を上げている火山ですが,この喧嘩で受けた 傷がこの火口だというのです。壮大ですし,生活が狩猟中心だったこともうかがわせるものです。また,この雌阿寒からオプタテシケ山まで,直線距離で110kmも離れていますので,この伝承は,アイヌの人々の移動の広さや広範な交流を物語ものでもあるようです。

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 オプタテシケ山 山頂のピラミッド
  こうした稜線や景色から,新しい物語を生み出せるような創造性を持ち合わせているのだろうかと,述懐するのです。
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