PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

ウクライナ

写真についての個人的なメモです!

ウクライナ 20 日本の戦争回避

 古今、戦争と平和のについての格言に次のようなものがあります。

 「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ
 「汝戦を欲さば、平和への整えをせよ

 始めのは、軍事増強による平和維持ということになります。次のは少々恐ろしい、戦争をしたければ、平和をよそおい他国を油断させよ、もしくは、平和だけそなえていると他国から戦争をしかけられるという意味でもあるようです。
 このようなことが、ローマ時代からずっと語られているのですから、ウクライナも核兵器を数個でも残していれば、今回のことはなかったと思われます。核兵器を取り上げたロシアもアメリカもずるいですね。理想を語って騙したことになりますが、ロシアは何とも思っていなく、しめしめと侵略の機会を狙っていたことになります。これをアメリカに言わないのも忖度ですが、これが世界の現実というものです。

 国連の平和維持軍というのがあり、ロシアと隣国の拒否権で出動がだめになりましたが、本当はでなければならないところでした。まさに世界の平和を望むならば、日本は国連の改革を各国に呼びかけ、各国と協議して、変えていくしかありません。もうこれしか戦禍を抑止する力はありませんが、国連憲章の改正についても、常任理事国の承認がいるようなので、非常に難しいとされています。第1次世界大戦後の国際連盟もダメ。第2次世界大戦後の国際連合もダメとなると、第3次世界大戦が起こらないと、常任理事国の暴走は止められないのでしょうか。むなしいです。

 もし、ロシアがこの戦いを有利に進めたら、ロシアとも親交のある共産主義などの核保有国が覇権主義をとなえ、戦火を広げることになります。新たな帝国主義が跋扈するかもしてないのが、この戦争の結果以後の世界だと思うのです。隣国が、人民服から背広に替えたと言っても、頭の中は征服主義ですから、西欧への恨み(人種主義や植民地化)も加われば、恐ろしい未来に危惧しないわけにはいきません。
 特に日本侵略となると、アジアで最初に西欧化した国でもあり、侵略をした国でもあり、今でも反日教育を行っているので、その恨みは倍増されることと思います。国内の少数民族の扱いどころではなくて、抹殺をはかるかもしれません。天安門事件のように、戦車でひき殺され、平らに挽きつぶされて、焼却され、川に捨てられるのでしょう。これでは手間もかかるので、餓死が良いとするかもしれません。それにしても、1億以上の日本人を抹殺するのは大変です。反抗者がでないように、時々虐殺して、強制労働させるのがいいでしょうし、ウイグルでもあったように日本人女性は隣国男性と結婚されられ、どんどんとハーフ、クオーターを増やしていくのでしょうか。そうした残虐行為もまた隣国数千年の歴史でもあります。これも隣国の歴史から学ぶ1つの史実です。

 もう一つの史実は、世界の趨勢から言うと、アメリカ圏、ユーロ圏、石油産出国圏、共産圏と、どう向き合うかです。現在の世界最大の覇権国であるアメリカは世界貿易の半分以上を握っています。それにやや対抗しているのがユーロ圏です。しかし、同じような民主国家同士ですので、一応は関係深い仲間となっています。産油国圏は、宗教問題あり、アメリカの軍事介入もあったため警戒感のある非常に微妙な関係です。また、アメリカは共産圏とも微妙な経済的関係から、新冷戦時期を迎えています。

 戦後の日本の歴史は、アメリカ圏で始まり、今も米軍基地がある国になっています。これは世界史的には独立国ではなくて「保護国」です。独立国のようにあつかわれているのは、工業生産で秀でていて世界を経済的に席巻したからです。そのために過去に経済的なもめ事はあり妥協しながらでも、アメリカ圏いることでいることで、ユーロ圏、産油国圏、共産圏とも経済面での交流もできている国です。

 ロシアの軍事侵攻で明らかになったのは、ウクライナが中立でECやNATOにはいらないとする約束を破ったからでもあり(ロシア側主張)、ソ連崩壊後のロシアが全体主義に走り、以前のような覇権国家の復活を望みながら、隣国との関係を深めながらそれを実現しようとしていることです。それはやはり核兵器保有という絶対武力を頼みにしての悪あがき(であればいいのですが)とでもいえます。これは国民を抜きにした、政治の腹黒い問題です。

 こうした超現実的な、「武力を背景とした国家間の関係」では、日本の真の独立を考える場合は、核保有して、日米安保条約でうたわれている米軍基地を撤去させるしかないかもしれません。しかも、小さな国ですから、他国との軍事同盟は不可欠です。今のところは、NATOでは遠すぎますし、アメリカしかありません。もしくは、太平洋という点ではオーストラリアとの同盟です。しかし、核保有国になるにはかなりの困難があり、この当座の危険には間に合いません。従って、「各共有」という考えもでてくるのだと思います。これは、かなり切羽詰まった危機感からの論だと思います。国連の平和維持軍というのも、国連改革も無理だというのが今回の結果である侵攻です。

 とりあえず、早急にできるのは、自衛隊の補強です。防衛体制を強化すること。これはドイツがすぐに反応しました。さすがは論理を重視する国家です。しかし、ただ防衛力だけ増強するわけにはいきません。日本の防衛は、例えると、弾丸が撃たれても、弾丸をよけるか、弾丸を跳ね返すしかなく、相手の拳銃を奪えないと言う状況と同じです。攻撃手段としての戦闘機を乗せる空母への攻撃、ミサイル基地への攻撃をよしとしなければなりません。いまの防衛論で言えば、領空外、領海外での戦闘はむりですから、いくらでも戦闘機やミサイルが飛んできます。そんな歪んだ防衛ですから、どんなに優秀な自衛隊であろうと、限度があるというものです。防衛費増額については、ウイグル人権問題にも反対した公明党が増額反対を表明しました。野党も同じでしょうか。そもそも、防衛費は教育や福祉費と同列のものなのか、GDP1%以内という枠自体がおかしいものです。

 そして、ロシアでも使った超音速ミサイルですが、実は基礎研究は日本が最先端でした。勿論ミサイル研究ではなく、JAXAのロケット開発等のためですが、それが隣国の留学生に盗まれ超音速ミサイルの実現化につながったことが新聞にものっていました。ロシアのものが、それに関連するとはいいきれませんが、いわゆる民生用の研究が盗まれ軍事用につかわれたことで、欧米は日本への不信感をいだいているかもしれないのです。ついでながら、日本学術会議は、軍事研究の禁止を表明して、各大学もそれに習っていますが、実際に隣国の留学生を受け入れて、そうした軍事用可能な技術の習得を許しているという指摘があります。これなんかは、国会でもしっかりと話してもらい、日本学術会議の解散やスパイ防止法制定、かたや隣国留学生の退去という実力的な対応をしなければならないことです。ここでもまた、日本が隣国に甘く、真に民主国家側に立っていない国、重要な情報は渡せない国という批判だけでなく、いざというときは切り捨てられるという原因をつくっていることにもなるような危惧を覚えます。

 隣の超大国が核兵器使用をちらつかせれば、台湾も、尖閣諸島も盗られるということになる可能性は大きいと思います。まあ、どちらにしてもウクライナ問題の結末しだいだと思います。
 
 ・例えアメリカの属国と揶揄されても、民主主義的な立場を明確にする。
  人権重視、個人の平等・自由を尊重する側であることを明確に打ち出す。
 ・安保も反対、自衛隊も反対、憲法9条堅持で、無防備な国にすることに対してノーと明確にする。
  こうした政党の見解は、隣国の野心に沿った、歓迎されるような反日思想の現れです。
 ・自衛、防衛戦争に立ち向かうという自覚と対策を確立する。
  ナショナリズム的要素が多いですが、非合理に侵略を受けたり、国が分割されたりするようなときに、どうするのかを決めなければならない。母子で暴漢に襲われそうなときにとる行動として、日本人は相手に背を向けて子どもを抱くといいますが、西洋では、子どもを背にして正面を向いて立つと言われます。前者は「災害死史観」、後者は「紛争死史観」というようですが、その後者にならなければならないと思います。

 次回の参議院選挙は、是非、国家防衛や憲法改正について各党戦わせて、違いを鮮明にしてもらいたいものです。国連の問題や、侵略意図の明確な隣国とその歴史、西洋の戦争史も出しながら、論争を巻き起こす度胸が政治家やマスコミに求められていると思います。

ウクライナ 19 日本人アイデンティティーとは

 トインビー再考ということで‥。
 
<再掲>
滅亡する民族の3つの共通点」として以下のことが述べられているのが意味深です。
 ① 自国の歴史を忘れた民族は滅びる
 ② 全ての価値を物やお金に置き換え 心の価値を見失った民族は滅びる
 ③ 理想を失った民族は滅びる


 例は、ユダヤ人、広くはヘブライ人でしょう。数千年にわたる彷徨の末に、聖地に建国しました。これで新たな紛争を生みますが、とにかく③は忘れなかったことになりますし、数千年の間、各国で混血はしながらも、ユダヤ教と迫害の歴史を忘れず①を持ち続けたのです。ユダヤ人が世界の金融市場と世界経済を支配しているとは言え、何某らの心の価値は持ち続けてきたとも言えるかもしれません。
 そして、理想だけではなく、現実的な困難への解決策への対応思考ももっているからこそ、今も世界中に存続しているのだと思います。


 日本について記した2点について。
 
 ① 日本人が歴史上残した最大の業績は、世界を支配していた西洋人が「不敗の神」ではない事を示した点である。
 ② 第二次世界大戦において、日本人は日本のためよりも、むしろ戦争によって利益を得た国々のために、偉大な歴史を残した。それらの国々とは日本の掲げた短命な理想、大東亜共栄圏に含まれた国々である。

 ①については、「日露戦争」のことを言っています。②については、アメリカ視点では太平洋戦争ですが、日本側視点では「大東亜戦争」のことを言っています。

 「大東亜共栄圏」というのは、
 一般的(?)に「中国や東南アジア諸国を欧米帝国主義国の支配から解放し、日本を盟主に共存共栄の広域経済圏をつくりあげるという主張。太平洋戦争期に日本の対アジア『侵略戦争を合理化』するために唱えられたスローガンである。」とされていますが、トインビーの言葉はそこに”ある真実”を見抜いたのだと思います。
 ①で言えるのは、日露戦争前は西欧の植民地化が過熱して、弾圧、殺戮、奴隷化などで搾取を受けていたアジア諸国に、有色人種も白人に抵抗して勝てるという勇気をあたえたことをさし、侵略者である白人大国へのくさびを打ったことをさしています。
 ②は、日本は敗戦したものの、アジアの各地のイギリス、フランス、オランダの植民地で独立戦争が繰り広げられ、独立を勝ち取ったという事実をあげています。
 現在の日本人の戦争観では、自衛にしろ侵略にしろ、いっさいの戦争反対ですので、①②とも決して許されないというのが理屈です。従って、ウクライナのように侵攻されても、「武器を使わず逃げなさい」、「すぐ降伏しなさい」となるのでしょう。侵攻されないようにプーチンと話せばよかったとなるでしょう。こうした現在の理屈では①も②も、日本が侵略戦争を行ったというのが事実になります。

 しかし、当時の世界の風潮はどうであったのかと歴史を見るとき、欧米の植民地化政策=覇権主義から逃れることができたのでしょうか。あの明治維新の動機はなんだったのでしょうか。徳川慶喜が無血開城、大政奉還をし、大きな内戦を阻止したのはなぜでしょうか。尊皇の志士たちの倒幕という意図はなんだったのでしょうか。「富国強兵」「殖産興業」という明治政府の方針は、世界史の中で異常なことだったのでしょうか。東南アジアや中国語が欧米各国に分割されていったように、日本も各国に分割されてもよかったとでもいうのでしょうか。当時、大国の植民地化は世界の常識。抵抗できない弱い国は呑まれるしかなかったのです。あの高度な文明、文化を誇る西欧の裏の顔が植民地化による利益の収奪だったのです。
  アヘン戦争でさえ、密輸アヘンで国民が困っているとして輸入禁止にし、焼却、投棄したことが契機となって、侵攻が始められました。アヘンでの健康被害なんて大国にはどうでもよく、とにかく利益のみが優先されるような時代でした。少しまえでのアフリカでは、家族を人質にとって強制労働をさせたりしました。もっとひどいのは、銃弾が原住民の反抗で使われたという証拠のために切断した手首を提出させたことです。それがきっかけで弾丸の横流しで利益をえるために、罪のない生身の人間の手を切断したということで多数の人が手首をうしないました。この例は西暦2000年頃までの内戦でも見られたとうことです。大国による侵略、植民地化はこれだけではなく、現地人への窃盗や暴行、強姦は常習化されていたと言います。いわば白人至上主義、有色人種差別による根深い凶暴性が、西欧文化の基底にあったものと思います。西欧文明の歴史が古いとすれば、それだけ悪の根も古くから存在し、奴隷、人身売買があり、国内外での富や財産の集中ということも行われてきたと考えられるのです。植民地化における宣教師のスパイ活動や人権蹂躙の黙認でさえ、宗教における暗黒部分とも言えます。
 

 歴史を研究し俯瞰したトインビーは、このゆおなことをみて、日本の世界史的意義をみつけたのだと思います。
 さて、彼はまた次のような言葉も残しています。
 ・人間とは歴史に学ばない生き物である。
 歴史は繰り返されるということです。だから、歴史に学びなさいということにもなるでしょう。そして、政治家への警告もしています。

 ・人間はこれまで、技術面にかけては驚くほど豊かな才能を示し、創意も発揮してきましたが、こと政治にかけては逆に、驚くほど能力も創意も示していません。

 ・あらゆる生物は本来、自己中心的であり、貪欲ですから、権力を握った人間は、その掌中にある人々の利益を犠牲にしても、なおその権力を己の利益のために乱用したいという強い誘惑にとらわれるものです。

 これって、まだ植民地的発想、覇権主義、大国主義がはびこっている政治家や取り巻きの真実を見抜いた言葉であろうと思います。いわゆる民主主義であろうと、自由主義であろうと、自由と平等であろうと「侵略を合理化」するスローガン、建前でもあるという見方もできます。第一次世界大戦で富を蓄え、第二次世界大戦で覇権国家となったアメリカが、自由と民主主義を唱え「世界の警察」として国際法を無視してまでの海外派兵をおこなったのも事実なのですから。

 共産主義よりもまだましなのは、個人の自由などを憲法で認め、少なくても公正な裁判、司法があり、自由にものが言え、国内での安全が保証されていることです。間違いを間違えと言え、それを正す可能性が多いということです。現実的に共産主義を唱え、その前段階である社会主義国家を標榜した国家で、そのようなことは保証されません。むしろひどいのは、共産主義が無神論であるが故に、権力者の欲のみが増大し、富や権力を集中させるために、ライバルを貶め、国民を搾取していくのです。そして、貧しい国民には海外への敵対心をあおり、反乱を防ぐ教育をおこなうのです。ドーピングさせてまでもスポーツでの勝利をめざし、誤った愛国心を植え付けていくのです。スポーツは政治とは無関係という民主国家での意見もありますが、共産国家ではスポーツでさえ政治の道具なのです。

 隣国では宗教も取締りの対象ですし、隣国のカソリック幹部でさえ、ローマ教皇の任命権を拒否して、かってに決めています(その後、協議か何かに変更されたらしいですが)。つまり、最高権威は共産党であることを認めさせたのです。信教の自由でさえないのです。ある宗教の信者が多くなれば弾圧されるのです。日本は隣国を通して仏教を知り、隣国語の経典から仏教を学びましたが、今は共産党の管理・監視下におかれて廃れています。仏教への弾圧は共産主義国家以前にもおこなわれているのが隣国の国是のような状況です。特に弾圧が大きかったのは、「三武一宗の法難」と言われるもので、皇帝の名から、3人の「武」帝と1人の「宗」帝が行ったということで、そう呼ばれます。一番の原因と言われるのが、経済的理由です。僧侶は生産活動をおこなわないために、農耕生産が落ちるというのが原因です。数百万人という僧侶がいて、どんどんと増えていったことへの対応が、財産没収と僧侶の還俗化、経典の焚書です。遣隋使や遣唐使の時代は仏教が隆盛を迎えますが、それ以後は衰退し、仏教・儒教・道教などが合わさったものへと変わっていきます。「宗教はアヘンだ」と言い放った政治指導者がでて以来、隣国では反共産主義や潜在的な反乱団体として、管理・監視下におかれたままということになります。

 さて、よけいなこと(?)がおおかったですが、「日本人のアイデンティティー」は、日本の歴史はもちろんですが、西欧などの歴史とも比較しながら、見つけて行かなければならないと思います。歴史観を始めから曲げたり、フィルターをかけるような共産主義史観では不十分です。戦中の全ての行いや日本文化がよくないとするGHQ史観も覇権主義者や人種差別主義者のものであるかもしれないのです。

 トインビーの言葉に「私が最大の忠誠心を払うのは人類に対してであって、私の属する国家に対してでもなければ、この国家を支配している体制に対してでもありません、」というのがあります。彼は2つの世界大戦と冷戦を体験しました。しかし、ソ連共産主義の崩壊は死後となります。もし、それも経験すれば、共産主義への歴史観をも否定したであろうと思います。彼の後年は、共産主義が否定するような神話や寓話、宗教にも研究を広めたようです。そこにある人類の根源的な思い、思考を探ろうとしたのでしょうか。

 歴史から見る「日本人のアイデンティティー」とは何であったのか。古くからの歴史の中でなにを大事にしてきたのが日本人なのか。悲惨なできごとから何を学んだらよいのか。などの理想は勿論ですが、未だ残る覇権主義、侵略主義にどう対処するのか。侵略戦争の危機にどう対処するのか。

 コロナ禍では医学者が僅かの危険性を訴え国民もそれに従ってきましたが、「侵略」の危険性について僅かな可能性があるならば、最小限か最大限かの警戒、防御は必要です。台湾もまた尖閣諸島を自国のものと主張していたようですので、台湾侵攻の際は、尖閣も射程範囲でしょうか。ロシアの北方領土への艦隊出現で、ウクライナ侵攻のどさくさに、日本が侵攻でもすると思ったのでしょうか。西欧ではいかに憲法で決められたり、非核三原則を言おうと、実際に軍備(自衛隊があること)があることで非合理な戦争が起こる可能性はゼロではないというのは周知の事実であることも、ロシアの行動で分かります。NATOやアメリカが武器や軍事情報をおくるのは参戦ではないという理屈です。いかに、戦争にたいする考えの違いが日本にあるか、見事にズレていて侵略をもくろむ国には都合のいい、侵略しやすい国になっています。

ウクライナ 18 日本人のアイデンティティー

 ウクライナ大統領の国会演説の日に記しました。

 同時通訳がウクライナの方なのか、よく内容が分かりませんでした。しかし、ウクライナ人としてのアイデンティティーを代表して「支持・支援」を訴えていると思いました。ドイツでの厳しい演説とは違って穏やかという感じも持ちました。

 Webで見たため書き込みには、辛辣な悪口もあり不愉快なものでした。特にアメリカ演説での「真珠湾攻撃」が日本人や天皇陛下に謝罪しろ!という言葉がありました。それも何度も繰り返しているのです。もしも、それが「日本人」であれば、まさに隣国思考そのままといういやらしさに嫌悪感も感じるほどでした。日本人であれば、そのような一方的で、否定的な見方をしていても、そのまま乱暴な言葉には表さないものだと思ったからです。大統領のあの『真珠湾攻撃』発言は、欧米や隣国での常識的な歴史観での発言でしょう。問題なのは、それを修正できえなかった日本政府やメディアなどの責任と言えます。日本の近代史への理解不足というか、日本学術会議、歴史学会、与党・野党という政治家が、偏狭な歴史観しか持ち得ないことに始まります。

 今回は、前回での「日本人としてのアイデンティティー」について少し触れます。

 私としては、写真の関係から古代人の宗教観について考えてきました。それはあくまでも、写真のテーマとして自分の立ち位置や観点の深さを探ったりするためでした。しかし、ウクライナ軍事侵攻から、ロシアの経緯、共産主義と考えてみるに従って、何らかの関係があるように感じてきました。マスコミや教育、知識人などへの違和感もあり批判してきました。日本人が、ウクライナを考える時たとえ
どんな歴史をたどって暗い部分があったとしても、ウクライナ人は歴史を背負いながら、歴史から得られた智恵や教訓をしっかりと持って、死をも辞さない、あるいは死を越えた貴いものをもって、毅然として自衛の戦争へと向かっていると感じました。そこには、ウクライナ人としての譲れないアイデンティティーがあることに重要な意味があるのだとも感じました。もちろんウクライナ人としての民族意識もあるでしょうが、そこには民族としての歴史観もあるでしょうし、民主主義や共産主義への考え方、人権への考え方などと共に、それらの実態などをどうとらえるのかというものも含めて、世界史的な観点でも、自らの独自性のある智恵と、世界史的な共通性のある智恵とが融合したようなものが、今後各国の人たちの「アイデンティティー」であれば、平和なる国と平和なる地球へと向かうのではないかと思うのです。

 それは過去にしっかりと向かい合うこと。たとえ闇の部分があってもしっかりと理解することや、誤ったものであればきちっと修正するという真摯さがなければならないと考えます。特に歴史で言えば、科学的と断定する非人道的な共産主義的な歴史観をもつものからの脱却が不可欠のように思います。さらに、人間の弱さを否定し、神や仏などの宗教を否定し、信教の自由もない、表現の自由も人権も無視した共産主義には嫌悪感を感じます。さらに、金欲、権威欲、支配欲などがギラギラした資本主義にもです。個人が数百、数千億という蓄財をもつことでさえ許す自由主義にでもです。グローバリズムというのも、闇の部分では結局のところ富の集中化をすすめる目的でしかないように思います。

 政府・大企業、国際的企業とは異なる一般の国民、人民、庶民は、穏やかで平和な愛ある優しい生活を求めています。困っている人がいれば募金もできたりボランティアができる余裕もあればいいです。悩みや苦しみを和らげるそれぞれの宗教や信条のもとに、死を見守り、死んでいきたいと願っています。〇〇主義は行きすぎれば、不幸となるのが国民、人民、庶民です。行きすぎた資本主義が共産主義を生み出しました。その共産主義も理想とするものがありながら避けることのできない根底的な欠陥をもっていました。(いずれの主義についても、論理的な証明、仮説的な論文も書けない自分ですが。その意味でマスメディアの公平性、中立性が報道の自由よりも重要です。)

 なによりも、「〇〇主義から目線ではない」立場からの議論・マスメディア、「都民ファーストやアメリカンファースト」のようなものでもないもの、国会議員候補でも「地元利益ばかりを言って地方遊説を行う」ようなものでもなく、しっかりと国政はどうかと関心をもって期待するような国民、人民、庶民であるようなことが必要です。

 ・政治家に騙されない賢さ。政党の甘い言葉や恫喝的な言動に引き込まれないへ警戒感。マスメディアに扇動されない智恵。特定の史観からものいう学者への警戒感。評論家ぶったり、庶民ぶったりする芸能人の発言への警戒感。そうなのです、何度も流される無料のテレビ報道は危ないのです。新聞にしても中立ではありませんので、警戒が必要です。欧米や隣国の政府が言うことだって、何かの企みや意図があるのです。見破るのは至難かもしれません。私たちは自らの生活を少しでも豊かにすることに精一杯ですから、情報の信憑性や隠された意図を見抜くのは困難です。しかし、〇〇党の主張を只信じるというのは大きな危険性を受け入れるかもしれません。

 だからこそ、報道のあるべき姿、教育のあるべき姿の根本だけは、大事にしなければならなと思うのです。コロナ禍でのマスク拒否運動、ワクチン一斉義務的接種への反対デモ、いわゆるウイルス人工説など、異なる動きも報道し、分析するような社説や論者の見解も報道できるようなマスメディアであってほしいと思うのです。欧米でのこうした運動がなぜ起こるかと考えると、それは「中立的な報道の自由」が少しでも確保されているからであり、全体主義や共産主義、はたまた、大国の覇権主義にたいしての教育機関での批判的な学習が確保されているからだと考えるのです。

 日本は古より、災害の多い風土の中で、それを乗り越えるために、自然と「辛いこと嫌なことを心の深いところに沈める」ということを学んで来たように思います。他人とのいざこざも、終われば「水に流して」、なかったように振る舞うのが美徳であるというようなことです。

 「水に流さないことで戒めとする」ことも必要ではないかとも思います。 


 アーノルド・トインビーという著名な歴史学者がいました。日本に対しても記している数少ない歴史学者です。 
 特に、「滅亡する民族の3つの共通点」として以下のことが述べられているのが意味深です。

 ・自国の歴史を忘れた民族は滅びる

 ・全ての価値を物やお金に置き換え 心の価値を見失った民族は滅びる
 ・理想を失った民族は滅びる


 また、次の2つは、日本人が世界史上に残したものについて記したものです。
 
・日本人が歴史上残した最大の業績は、世界を支配していた西洋人が「不敗の神」ではない事を示した点である。
・第二次世界大戦において、日本人は日本のためよりも、むしろ戦争によって利益を得た国々のために、偉大な歴史を残した。それらの国々とは日本の掲げた短命な理想、大東亜共栄圏に含まれた国々である。

・人間はこれまで、技術面にかけては驚くほど豊かな才能を示し、総意も発揮してきましたが、こと政治にかけては逆に、驚くほど能力も創意も示していません。
・人間とは歴史に学ばない生き物である。
・あらゆる生物は本来、自己中心的であり、貪欲ですから、権力を握った人間は、その掌中にある人々の利益を犠牲にしても、なおその権力を己の利益のために乱用したいという強い誘惑にとらわれるものです。 

ウクライナ 17 共産主義の恐怖

戦争での死者数から戦中・戦後の性暴力へと触れてきた前回です。

 以前に疫病と死者数をみてきましたので、戦争の死者数がそれよりも少ないのが何よりです。しかし、戦争での死者はわずか60年間という短い期間ですが、数億をこえる疫病は、約600年間となります。  
 しかし、世界での実態は、まだ深刻なものを提示しています。意外と知られていない死者の数です(自然死や病死ではありません)。1917年からの者です。

 死者数を上げてみると

 ソ連/2000万人  
 中国共産党/6500万人  
 ベトナム/100万人  
 北朝鮮/200万人  
 カンボジア/200万人  
 東欧/100万人  
 ラテンアメリカ/15万人  
 アフリカ/170万人  
 アフガニスタン/150万人

 と、総計約9435万人となります。これは、1997年、フランスの国立科学研究センターの主任研究員ステファヌ・クルトワと、フランス現代史研究所の研究員二コラ・ヴェルトは『共産主義黒書』を出版した中で書かれている、「共産主義」体制によってどれほどの犠牲者が出たのか、概算を示したものです。

 欧州では、第二次世界大戦でのナチス・ドイツにより、悲惨な戦争とユダヤ人虐殺(ホロコースト)という近代史まれにみる惨状に覆われました。この記憶は、ナチスの「全体主義」を危険なものとする共通的な認識として共有されています。そして、ソ連の解体後、「鉄のカーテン」で封印されていた共産主義・社会主義国家としての実態が明らかになるにしたがって、その危険性への解明をしたのが本著といえるかもしれません。

 共産主義における権力関係や組織関係に、暴力を背景とした「粛正」や「テロ」。「非人道的な行為」が必然的な仕組みとして備わっていること(少し過剰か)などが分析されています。従って、共産主義でありながら、民衆や労働者への故福や利益の分配という理想も行われず、権力の集中と富の集中が暴力的に行われ、民衆や労働者への弾圧が平然とおこなわれたことへの警鐘をならしてもいるようです。

 冷戦時は徹底した情報の隠蔽もありました。世界大恐慌にあえぐ欧米をよそ目に、ソ連の宣伝は豊かさを装っていました。そのために、「共産主義賛美、共産主義浸透」が行われ、各国で秘密裏に共産党組織が結成され、ソ連の資金援助も受け信奉者を増やしていきました。ねらいは世界同時革命という夢でした。これによって、各地で紛争、内戦が起こって共産主義国が誕生していくことになります。しかし、それらの実情は、政治的な反対勢力や民衆への徹底した抑圧=無裁判による投獄や強制労働・処刑、意図的飢餓と失政による飢餓が蔓延していたと言います。そして、その概数が
約9435万人という数になっているというわけです。


 『共産主義黒書』と欧州の共通認識

 こうした悲劇を繰り返さないために、欧米諸国には、「共産主義」体制による犠牲者を追悼し、共産党支配の残虐さを語り継ぐ資料館が数多く作られています(下の写真は、ソ連及び共産党の恐怖政治の実態を示す資料館「恐怖の館(House of Terror)」で、ハンガリーの首都ブタペストに建てられています。

400px-Budapest_Haus_des_Terrors

 ナチス・ドイツの全体主義や共産主義に対する、欧州のこうした共通認識については、日本では充分に理解されていないようです。
 従って、今回のロシアのウクライナ軍事侵攻についても、ポーランドの厚い援助についても、旧ソ連の中核であったロシアへの深い疑惑と恐怖感(プーチン大統領がKGBであり、その組織をロシアにおいても温存し、プーチンが権力を掌握したことで、クリミア併合を行い、ウクライナ併合をもくろむということは時間の問題であった)を理解しておかなければならないことです。
 
 しかし、日本では、こうした「事実」が教科書にさえまともに記されず、報道もほとんどされないため、未だに「共産主義に共感を持つ知識人が多い」のが事実です。そもそも朝日新聞を始めとするマスコミは、これら「共産主義」国家を礼賛する記事(「労働者の天国」として北朝鮮や中国を礼賛、特に北朝鮮には移民を奨励)を多数に書いてきましたが、そうした「黒い歴史」を反省しているとはとても思えません。「共産主義という人類の悲劇の歴史=労働者の地獄」に学ぼうとしないのが、日本の傾向といえます。

 今回のウクライナということでも、歴史的には、ソ連・スターリンによる人為的な大飢餓によって約400万人が死んだという大きな背景が隠されています。当時、ロシア支配下にあるウクライナは有名な小麦産地で、小麦の輸出で外貨を稼ぐために、ウクライナや国内の消費に使う分までも強制的に収奪して輸出に回していたために起こした大飢餓、食糧支援もしなかった大飢餓ということになります。これは、ホロドモール(飢餓の疫病のウクライナ語)と呼ばれています。2019年に『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』という映画がありました。これは実在した記者が、ホロドモールを世界に知らしたという実話をもとにした映画です。ぜひ、見てください。

 最後に。ソ連の実質的な後継国である隣国ですが、チベットや内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米各国から強い批判を浴びています。また、少数民族の思想犯や政治犯の臓器移植も衝撃的な問題です。
 さらに、「宗教はアヘン」として「宗教の中国化」ということで、各宗教が弾圧対象・洗脳対象となっています。特に単なる健康促進組織である気功団体の「法輪功」は最初に臓器移植という問題があることを提起しました。香港の民主活動家の洗脳で、まるで廃人のようになった動画もみました。隣国は、宗教やその他の集まり、あるいはリーダーなどを非常に警戒していることになります。

 しかし、こうしたことは今に始まったことではありません。隣国ではなかったこととして、情報の全てが抹殺された1989年の『天安門事件』(戦車も動員しての市民殺害)というのがあります。民主化を求め天安門に集まった10万人に発砲した事件で、隣国発表では200人の死亡でしたが、英国で公開された外交文書であきらかになったのは1万人という数値でした。この数値は同時の英国大使が報告したもので、「学生たちは広場退去まで1時間の猶予を与えられていたつもりでいた。しかし、5分後に装甲車が攻撃を開始した」「学生たちは腕を組んで対抗しようとしたが、兵士たちを含めてひき殺されてしまった。そして装甲車は何度も何度も遺体をひき、『パイ』を作り、ブルドーザーが遺体を集めていった。遺体は焼却され、ホースで排水溝に流された」「負傷した女子学生4人が命乞いをしたが、銃剣で刺されてしまった」とも書かれていた。この事件では多くの活動家や民主的な学者は香港や台湾、そして、海外に逃げ、死者への追悼を行っているといいます。


 上記のほうで6500万人と書きましたが、「共産主義黒書」では、ほぼ信頼できる数値として、

・暴力的に死に至らしめた人 700万~1000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」として収用され、そこで死亡した人 2000万人
・1959~1961年の「大躍進期」という失政で餓死した人 2000万ないし4300万人
 をあげています。すさまじさではソ連をはるかに上回るものです。

 日本では隣国のことをどう扱っているのでしょうか。マスコミではほとんどありません。作為的隠蔽です。某国営的放送局では「シルクロード」を1980年代に流していましたが、これは「大躍進期」と「文化大革命」での数千万人の死者を封印し、なかったかのように美化され、「改革開放」政策を推し進める隣国プロバガンダの1つでもあるように思います。当時の朝日新聞社説などでは、文化大革命を賞賛していますし、他の新聞社の特派員の強制国外退去があっても朝日だけは免れました。「隣国ベッタリ」は続きますし、安保反対の論陣をはり、日本の防衛問題、歴史教科書問題、靖国参拝問題など、隣国の主張にそった論調で日本政府を非難し続けました。隣国のプロバガンダの手先となって日本のマスコミを独占しようとしたのではないかと思うのです。しかも、隣国がそれらの失敗から方針を変え、改革開放路線になった際も追従し続けます。また、あの虚構「南京大虐殺」を1990年までの30年間も広めたのもこの新聞社です。報道しないという「報道の自由」もあるようですが、虚構を大々的に広める
行為は決して許されるものではないと考えます。


 少しでも旧ソ連や隣国の裏の顔を知れば、けっしてそのような政府には支配されたくはないと考えるでしょう。
 日本がもし「日本省」にでもなれば、まずは少数民族にされるでしょう(大量飢餓? 本国での再教育とされる強制労働? 思想犯での投獄? そして、死です)。天皇家が残されても、隣国女性と結婚させられ、隣国人の遺伝子の混じった天皇家となるでしょう。全ての企業が国有化で、反抗する経営者は投獄。すると、日本共産党は、今までの批判から180度手のひらを返して、隣国政府にすり寄って、企業の経営者?にでもなるでしょう。そして、ソ連のように、一度裏切った者は、反思想、汚職、賄賂などで投獄あるいは処刑となるでしょう。独自のDNAを持つ日本人男性がいなくなり、すべて隣国との混血となり、日本人が駆逐。日本民族が滅びるという未来になるかもしれません。そうして、ハリウッド映画のように、日本人役が隣国人や2世がやっていたように、日本省では、隣国語で清水寺をガイドされたり、隣国語を話す芸者がいたり、時には片言の日本語が紹介されたりということになるでしょう。亡命者が多くいれば、各国に散らばり、日本という国の再建を願う人々がいれば、幸いでしょうか。そうして、いずれ共産主義が打倒されるときに、再び独立して、かっての日本語に溢れる国になるのでしょうか。沖縄はもちろん九州はないかもしれませんし、北海道もです。ロシアと隣国が長く手を組んでいれば、北海道はロシアやその後継国のものとなっているでしょう。かってのヘブライ人、ユダヤ人のように、長く辛い生活と人生を重ねて、日系アメリカ人、日系ドイツ人、日系フランス人となっても、日本の再建国を望む人々がいるのでしょうか。それだけの気概をもつ、夢をもつような日系人となる資質が、今の私の国にあるのでしょうか。悪夢です。避けたいです。しかし、そのようなことはすでに歴史が語っているのです。ありえないことではないのです。
 もしかして、隣国はこのようなことまでも考え、軍事侵攻だけではない占領と支配の戦略をたてていることでしょう。こんな日本の悪夢を隣国の軍人や学者が考えて論文にでもすれば、昇進や上の地位への足がかりになるに間違いないと、考えそうな気がします。

 歴史的に国を奪われ世界を放浪した人々がいます。それがヘブライ人やユダヤ人です。差別や迫害を乗り越えさせたものは、彼らの強い宗教でした。それが結束の根源でした。各国で富や地位を築き政府をも動かせるような子孫たちが政府を動かし、ようやく第二次世界大戦後に『イスラエル』を再建しました。紀元前の放浪から2000年近い年月がたった後になります(これがまた戦争の火種と)。

 上記の占領や支配の後、それを逃れた日本人は、彼らのように国の再建ができるような可能性はあるでしょうか。極めて難しく、絶望的でもあります。宗教的な強い基盤がありません。強い思想もないように思います。周囲に同調しながら、静かにつつましく同化されていくのでしょうか。まさに「日本人としてのアイデンティティー」なるものが、形成しにくいような教育内容であり、マスコミであり、知識人であり、政治家であるような感じがしてならないからです。

 日本沈没ならぬ、日本消滅の危機がひょっとして、今年から十数年以内に始まるのかもしれません。そういえば、逃げてしまえという日本人もいましたので、私共より資格もあり、金もあり、口も達者で、すぐに海外逃亡や亡命でもしそうですから、そんな方に再建国の望みをけかてみましょうか。

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻とその経緯、結果は、まさに「日本人としてのアイデンティティー」は何なのか? と問われていることであると強く感じました。 

ウクライナ 16 戦争による死者数と‥‥

 ウクライナ自衛戦争ももうすぐ1ヶ月になります。推移を見守るしかありません。

 日本赤十字を通して義援金を送りました。送付時期には、義援金総額が約6000万円だったのが、既に7億円を越えていました。戦争で避難された人たちを受け入れているポーランドでは、政府民間をあげての救済を行っていて、ポーランド経済も物価が上がって大変なようです。日本の1億ドルの避難民への支援はどうなっているのでしょうか。ポーランドへ支援金を送って、物資、食料救援を行うにしても物価上昇を招くだけでポーランド国民も困りますね。避難民を受け入れていない国から物資、食料を買って直接送る方法はないものなのでしょうか。日本からも直接送れる物はないのでしょうか。早急に検討してほしいものです。

 ロシアへの経済制裁も実は国民生活を圧迫していると思います。かといって止めるということはないでしょう。するとどうなるか。1つには、これをロシアへの宣戦布告として、ロシアが死ぬまで戦うという方向です。2つ目は、ロシアも情報統制が厳しくなったとはいえ反対デモがあったり、欧米の情報が流れているので、市民の反乱や武装蜂起による流血、そして、軍のクーデターということで、プーチン政権が倒れるという方向です。おそらくは、内部崩壊を期待しているのが本音だと思います。そうなるかどうかは、全くわかりません。その間にも、死者数、負傷者数、ロシアでの逮捕者が増えていくことになります。

 さて、今回のサブテーマです。戦争の名前だけは知っていますが、死者数までは記憶に残らないものです。しかも、戦後の日本は平和だったですし、記憶ではベトナム戦争までです。中東がどうのこうのとありましたが‥。

戦争の死者1

 ここだけで総計約873万人です。民間人は不明です。このあと、戦争での民間人(市民)を殺さないと決められたのですが‥‥。

戦争の死者2

 第二次世界大戦では、死者が爆発的に増えました。約6478万人。ここまでで、総計約7351万人。そのうち、民間人2900万人です。さらに続きます。

戦争の死者3
戦争の死者4

 いわゆる戦後では、約1451万人。うち行方不明も含めて、民間人は約1011万人です。ベトナム戦争の場合はゲリラ戦術をとったので、民間か軍兵士かは不明です。米国では約6万人の兵士、韓国軍では約5000人なども含まれています。1955年次のベトナムの人口が1241万といいますから、行方不明と民間人死者だけでも、半数以上となる悲惨なものでした。事の起こりは、フランスと共産軍との戦いからでした。

 以上だけでも、戦争による死者数の総計は約8802万人、うち民間人が約3524万人となります。民間人(行方不明含め)が総数の40%を越えることになります。また、戦後では、植民地の独立戦争、イランイラク戦争、アフガン戦争、湾岸戦争、アフリカでの内戦など100以上の戦争、内戦、紛争が繰り広げられました。8000~9000万人というと、コンゴやトルコ、イラン、ドイツの人口に当たります。

 ベトナム戦争で韓国軍を持ち出したのは、『ライダイハン』問題があるからです。ベトナム戦争時に韓国軍兵士が現地の女性に性的暴行をするなどして生まれた混血児が「ライダイハン」の蔑称で呼ばれ、ベトナムで差別を受けてきたことをイギリスBBCが報道しました。また、ベトナムも謝罪等を求めていることに対しては韓国は拒否していたことで、日本の慰安婦問題とのダブルスタンダードも批判していました。「ライダイハン」のライは混血、ダイハンは大韓の意味のベトナム語だそうです。韓国内にもいるそうですが、親探しも困難を極めているそうですし、韓国政府はいっさいを黙殺しているそうです。実態数は不明で5000人~3万人という幅のある推計です。韓国の「慰安婦問題」は、人権や人道とはかけ離れて極めて政治的色彩の濃いものということができます。

 ちなみにあのスペインやドイツ、スイスでは売春は合法です。2010年に韓国の国会で取り上げられた「韓国人の海外遠征売春婦の問題」では、約10万人としていて、自立援助をすべきと訴えていたそうです。その受け入れ先で一番多いのが、何と日本で約5万人という数値です。
 性犯罪の点では、あの「パラサイト」の監督が取り上げた映画にもあるようで、人口10万人当たりの性犯罪率が非常に高い国でもあります。2000年では14.9人件から、コロナ拡大前2019年には61.9件に増えています。日本では強姦の認知件数が1.5人(2016年)ですから、かなり多く、社会問題になっているということです。また、韓国Webで下図のようなものも見つけました。

1578373269741

 何のグラフかといえば、右に出典が英語で書かれていて、「国毎の人口1万人当たりの売春婦の数」だそうです。これの出典を調べましたが、見つかりませんでしたが、どうも、左の赤いのは韓国で110人程で、右が日本らしく10人です。かろうじて、出典のコピーが他サイトでありましたが、ベネズエラ、韓国、ペルー、フィリピン、ナイジェリア、中国、ブラジル、マレーシア、ドイツ、タイでした。いつものように日本との比較で反日派を煽って、日本にはまけられないとして撲滅を訴えているようです(韓国語できないので不明ですが)。

 戦争による死者から、性犯罪と少し勘違いの話をしましたが、「ライダイハン」のようなことが、戦争中や戦後も世界各国で起こっています。これは、近世にかかわらず、中世、古代にも起きていることです。最近の遺伝子、DNA解析でのハプログルーとよばれるグループ分けの分布状態からも類推できるものです。また、日本では、戦後のGHQ占領下、沖縄の占領下でもありました。これを想像すると、ロシアによる侵略・占領、勝利は、新たなる悲劇を生むと想像されます。こうなると‥‥

 「女性と子どもを先に逃す」という本当の意味は、自ら民族の血や家系を絶やさないことにあり、弱い者を逃すという単純なことではありません。従って、女性が従軍するというのは、計り知れない重みがあることになります。従って、古代や中世での戦争での最終局面は、女性・子どもを城壁の中で守り、死ぬまで戦うということになるのです。三国志でも、劉備が軍と共に民衆も引き連れて逃れる映画の光景がありますが、民衆は殺されたり犯されたりするから付いていくことになります。男は兵となれば食料や金が渡されることになり、家族も養える可能性が高いことになるからと想像できます。モンゴル・元では、赤ん坊も殺したとされています。占領して部落や人がいることでは、いつ反乱がおこるか監視をしなくてはなりませんが、皆殺しにすればそれも必要なく、金銀財宝を隠しておき、全兵力を次の戦いにむかわすことができるという超合理的な考えをもっていたようです。これには、さすが殺戮後の人身売買や奴隷化という古代からのヨーロッパの常識を覆すもので驚いたと思います。

ウクライナ 15 日本の軍事

 スイスのように国民皆兵、核シェルター装備にするのもいいですが、少し、データを見てみたいと思います。集計は明確か、正直か、不透明かの国もありますが、そこは推定とのことらしいです。

4e412ebdb8a7057ff31878c32238550c

 これから見ると、世界7位ですが、1~4位はダントツという感じす。ここにロシアとアメリカ、中国、インドがはいります。6位までは核兵器保有国で、これでロシアが中国やインドよりも上位になります。ドイツやイタリアは少ないですが、NATOがありますね。そうすると、世界の2位と3位の隣国に接しているのが日本と言うことになります。



9ad276e530785c76a313c6c8c4179a6a

 軍事費ですが、日本は8位です。何と言ってもアメリカがすごいですね。これでは軍事産業との結びつきも高くなると言うことです。中国は世界2位。これは、公式から類推で、海外からの軍備品の購入費、軍事研究費、民兵や予備役兵は入っていないと言われるし、最新鋭の空母の建造費で1兆円はいくだろうと言われている(これは日本以外では実態は不明)ので、実際のところは全く不明。昨年の共産党大会では、経済成長が鈍ってもアメリカの予算を超えることを目標にしていてるとのことですから、軍拡への凄まじい執念のようなものを感じます。
  
  次は、日本の軍事費がGDP比いくらということで制限枠を付けているが、他の国ではどうでしょう。


5ca060351270b075900c4cd94308e2fe

 これは、日本が結構上位の比率かと誤解させ、意図的に使われる恐れのあるグラフです。

 なぜかというと、日本の実態は、世界131カ国中、103位となっているからです。これが、GDP1%に拘る理由はないとする意見にもつながるわけです。上位のサウジは石油産出国でこれを維持するため、中東での軍事的優位で平和の維持をはかるためと思われます。イスラエルも領土・宗教問題での紛争が絶えないということでの高率です。ロシアもかってはソ連の中核でしたが、経済大国ではなくなっても軍事国家の色彩が強いです。アメリカも低いようですが、超経済大国ですので、この比率でも世界第1位の軍事費による軍事国家となるわけです。韓国が意外にも日本より高率ですが、ひょっとしてこれを後ろ盾に強きの発言をしているかもしれません。

 確かに、日本の国家予算は軍事費に充てるまで余裕(?)はないかもしれませえんし、社会福祉、教育にもかけたいところです。どこかの党は、軍事費を削減してそちらにまわせばいいという考えもありますが、どうでしょうか。

 国の政治を預かる者が、軍事費がいらないという論は、そもそも、国政政治論や国家論がない考えです。島国で外敵の極めて少なかった非常に希有な状況が日本ですので、世界史の例外でもあります。維新から明治の歴史でははやり西欧、欧米の危機があり、植民地化を避けるという強い意志が日本にはありました。先の大戦での敗北はありましたが、当時の時代の流れとしては、至極当然の流れだったと思いますし、西欧化へ潜在能力があったからこそ、大国になり張り合うことができたと思うのです。これは、世界の流れでは必然だということです。(これは決して、数々の戦争と被害、死者という結果を正当化するものではありません。もし、日清や日露に負けていたら、明らかに日本は消滅で今頃は核兵器大国の一部であり、日本語も話してはいなかったでしょう。ひょっとして、現在の「台湾」や『ウクライナ』であったかもしれないのです。)政治家にとっては、国家論あるいは世界史は必須です。

 そもそも、そうしたことをしっかりと語らないことこそ、政治家、国会議員の資質がかけるということになりはしないかと思うのです。

 軍事・国防に関してはまったくのど素人のような野党については、論議にもならないかもしれません。会議をすれば、議論もかみ合わず、反論もできず、罵声をあげて半狂乱になるのが見えてきそうです。「軍国主義者! 帝国主義者だ! ファシストだ!」と時代遅れのご老人向けの言葉、レッテル張りをして「国連脱退!」とばかりに、堂々と退席していくのでしょうね。そして、決めたら、「強行採決!」と言ってマスコミにコメントするのでしょう。これも多くのパターンです。これもみっともないから、最初から議論や会議に参加しないと決めているかのようです。 


 ちなみに、隣国の脅威に、台湾は5年間で90億ドルを軍事費に回すそうです。また、中国側の情報戦と諜報活動に警戒したオーストラリアは、昨年、アメリカ、イギリスとの軍事力強化をめざし、原子力潜水艦の保有を決め、太平洋上での対中国への牽制を行うことを決めたそうです。この裏には、、オーールトラリアはフランスの原子力潜水艦を購入予定だったらしいですが、この太平洋防衛については、親中であるフランスから情報が漏れるおそれがあるということで、急遽キャンセルしたということです。はやり、ここでもどの国が信頼のおける(反中共)なのかは、同盟上極めて重要なポイントかということです。もし、日本が親中で反中共の立場を明らかにしない限り、日米安保条約の完全履行は難しいという政治判断があってもおかしくないというようなことも推定されます。

 ウクライナ軍事侵攻という問題は、外国のことだけではなく、こうなると自民党親中派も難しい立場になるということが分かります。岸田首相とバイデン大統の会談も、ずいぶん待ったがかかりました。これも、いわゆる大国のエゴでもありますが、岸田政権の反中共への見定めが必要な圧力だったかもしれません。日本政府への警戒がある以上、欧米での機密情報も流れてきません。日本では諜報機関がありませんので、みえる情報しかありません。情報戦ではすでに負けていることになります。もし、軍事費、いや防衛費が増額となれば、こちらの方にもまわしていくというのも論議に上がってほしいです。さらに、国家機密や軍事関連技術を漏洩したり、盗もうとした人への取締りや国外追放、刑事罰も含めた、いわゆる『スパイ防止法』の論議も必要でしょう(こうなれば、自民党の一部や野党はわめきちらすでしょう。都合の悪いことがあるから反対するという自分の保身があるからです)。

ウクライナ 14 日本の現状

 人道的で、かつ合理的な考えからは、隣国が日本への侵略をおこなわない! というのが常識的な判断です。だから、今回のウクライナ問題での、ロシアの侵攻を予想し、それが現実化することはほとんどの軍事部門や政治・経済の専門家の予想はくつがえされました。合理的な考えでは悲劇は避けられないということになります。犠牲を払ってでも、甚大な被害をあたえたとしても、ロシアの大きな未知の思考と決断には、無力であるというしかありません。
 

 侵略へと突き動かしたのは野望、個人やロシア人としての欲望や歴史上の名声だったのでしょうか。もしかして、「神の気まぐれ」なのでしょうか。

 最後の審判(核戦争突入)への誘惑とまでは、言わなくても、欧米各国の過去から今に続く2、300年以上の覇権主義・帝国主義の1つの終焉をつげる最後の悲痛な喘ぎにもなるのでしょうか。プーチンが率いるロシアは、今後どんな決断をするのか。ウクライナ国民の戦意を喪失させるという意図らしい民間人へ無差別攻撃、学校や食品販売への攻撃など、国際法無視の攻撃へとエスカレートしています。

 第二次世界大戦後も侵攻の歴史ですし、宗教戦争、経済戦争、情報戦争、思想戦争が繰り広げられてきました。宗教戦争も武力を使います。しかし、上記の経済以下の戦争は目立ちませんので、別名「ステルス戦争」と呼ばれています。(あのコロナだって、どこが発生源で、原因はなにかということで問題にはなりましたが、中国・アメリカ双方に都合の悪い状況が垣間見られて、うやむやになりました。そうなれば、ウイルス・細菌との戦争ともいえます。これからの人類の敵はウイルスや細菌だと予言適中させた人もいます。ペスト、コレラ、コロナの発生はアジア系といいます。結核は劣悪な環境におかれた産業革命以後と言われていて、ホロコーストや、飢餓、戦争による死者よりも多いと言われています。)

 核兵器を後ろ盾に、これらステルス戦争は今後も続くでしょうが、少なくても武力による戦争の愚かさを深刻に認識するようなものでもあってほしいのが今回のウクライナ侵攻です。これが『新世界秩序』になってほしいと思います。すでに国際法でも決められている、武力による侵略や侵攻はダメだという深刻な共通認識です。そして、それを実現するための既存の組織や法整備です。

 しかし、それにも障害が存在します。暴力の火種が残っているからです。インド・パキスタン問題、中東問題はどうなのでしょうか。はたまた、共産主義は暴力を否定しない、暴力でしか革命は起こせないとしていますので、十分な暴力装置をめざして、資本主義を打倒するという、本来的には覇権主義、帝国主義があるからです。宗教戦争も、合理的な納得はありませんし、排他主義、報復主義ですので、暴力は不可避です。暴力、紛争、侵攻、戦争の火種はまだどこにでもあります。
 人に憎しみや恨みがなくならない限り、暴力、略奪がなくならないのと同じ延長線です。一般国民は穏やかな生活を望みますが、権力者も同様だと思いたいのですが、どうも、神の声や、悪魔の声が聞こえてくるような人物へと変えていくもののようです。

 戦争や争いでの死、あるいは諦観による自滅的な潔い死による流血でなければ、一時的におさまらないのが、人間、人類のサガ・業といえそうです。ガンジーによる非暴力の抵抗、僧侶による焼死自殺が印象的です。

 「ロシアによるウクライナ軍事侵攻」は、いろいろと考えさせられます。

 侵攻による自衛は必須かもしれません。ステルス戦争に対してもです。それは、残念ながら、ロシアも含めての隣国への警戒です。論理的でない者に対して、話し合いも限界があるでしょう。そのもしを考えるのが本当は国会議員や学者、知識人であろうと思うのです。しかし、それをあくまで拒否し、ありえない願望としてきたのが、日本の状態です。もちろん、報道にも責任があるようです。偏向、変行ですから、反戦を掲げて、特集をくむでしょうから(どこからか指令がはいるか、トップが指令をだすからか。)。とうことで、自民党も選挙で不利になりますから、腰が引けるのでしょう。まさしく、国益よりも党益という感じですから、野党と同じ立場かもしれません。本当に腰の据えた政治家が少ないです。それと、文科省の立場も左よりですし、日教組も。もう一つの組合は完全に共産系ですから、成人・選挙年齢の引き下げは、ひょっとして不利に働くかもしれないです。憲法改正反対、自衛隊違憲、集団的自衛権拒否‥‥ですから。

 そして、日本経済を動かす経済団体や大企業もどちらかというと、隣国の安い労働賃金で利益をあげようとする金の猛者ですから、隣国とは不仲になりたくない立場です。従って政府への圧力をかける存在の1つでもあります。アメリカの大統領戦でも、対中貿易での制裁を加えたトランプが負け、バイデンが勝ったのもそうした経済的な勢力である企業・金融連合ともいえるグローバリズム派がてこ入れしたそうです。グローバリストは、基本的には、隣国がどんな国であろうと安い労働力と製品を供給する限り、安い製品を国際的に販売して金儲けをするのが本命ですから、親隣国派です。人権問題としてウイグル綿の輸入規制と販売企業への制裁も決めたのは、世論という重要な背景があっての政策変更ということです。もう一つだけいうと、共産主義も、覇権主義・帝国主義ということでは、グローバリズムはとても都合のいい考えとなります。

さて、今回の最後。

 世界報道自由度ランキング

1 ノルウェー
2 スウェーデン
3 フィンランド
4 デンマーク
5 コスタリカ
6 オランダ
7 ジャマイカ
8 ニュージーランド
9 ポルトガル
10   スイス
11 ベルギー
12 アイルランド
13 ドイツ
14 カナダ
15 エストニア

 G7諸国では、ドイツ13位、カナダ14位、英国33位、フランス34位、イタリア41位、米国44位、日本67位の順。

 アジア諸国では、韓国42位、台湾43位、香港80位、インドネシア113位、マレーシア119位、タイ137位、フィリピン138位、ミャンマー140位、カンボジア144位、シンガポール160位、ベトナム175位、中国177位、北朝鮮179位。

 これは、ジャーナリストや報道機関の活動の自由度を測定したもの。評価手法はジャーナリストによるアンケート定性調査と、各国内でのジャーナリストに対する暴力行為統計の定量調査を組み合わせている。定性調査では、「意見の多様性」「政治・企業・宗教からの独立性」「メディア環境と自己検閲」「報道に関する法制度」「報道に対するルールの透明性」「報道のインフラの質」を測っているとか。日本は昨年より一つダウンだそうです。報道も三流で、三面記事でしょうか。

ウクライナ 13 日本

 いま日本で問題になっているのは、ウクライナ大統領の国会演説です。

 どうも難色を示したのが外務省らしいと報道がありました。立憲の代表も、まず、首脳会談を行い共同声明をだし、演説内容を協議してからと言ったようですし、かってニュースキャスターだった『鳥‥‥』なんとかさんは、一方だけの意見を聞くのはけしからんと言った内容をツイートしたようです。

 国連の非難決議に賛成もした日本ですし、総理の談話もだされました。加害者であり、国際司法裁判所が戦争犯罪人であるとしたロシア大統領の話を聞く必要があるでしょうか。それと、何を共同宣言するのでしょうか。大筋は決まっているでしょう。アメリカでの演説では真珠湾攻撃を例にあげたそうですので、日本ではどんな史実をあげてくるのか大変に興味あるところなのですが…。国会演説の本意は国会議員向けだけでしょうか。マスコミも巻き込んで、国民世論に訴えたいということがねらいでしょう。その前に検閲をうけなさいとでもいうのでしょうか。隣国の人権問題には口をつぐみ、国内では護憲、護憲といいながら、日本人の人権だけを大事にするような妙な人たちですから、全くもってトンちんカンな話です。


 さて、今回のサブテーマは「日本」。

 まずは、G7に追従しているような日本ですが、日本が率先して提案できることはないのかといろいろWebをみています。そこで何点か。

「原爆被害を受けた国として、国際原子力機関と共同して、ウクライナ原発の安全性や占領状況を確認することを、強く提案すること。」

 原発を占拠することでさえ国際法無視だが、もし事故があれば、ヨーロッパ全域への影響がある。拒否されるであろうが、ロシアの違法性をしっかりと確認することで、戦争終了後の対応への厳しさをロシア国民に伝える。

「国連の常任理事国が侵略国(もしくは人権弾圧、迫害)になることについて、何らかの資格停止や理事国剥奪などの制裁をくわえることを提案すること。」 「国連改革(安保理問題)を推し進める」

 安保理問題については、過去に「安保理改組」として、フランスとメキシコ案、理事国の拡大では日本とドイツ案として違った形で提案していますが、立ち消え(失敗)になっているところです。これも常任理事国の賛成がいるので、極めて難しいとの予測です。

 今の安保理での拒否権というのは、侵略も辞さないという帝国主義の負の遺産ですし、当時の連合軍の中での大国の特権と言えます。ちょうど、警察の取締り会議に暴力団がいるようなもので、それよりも悪いのは、その暴力団1人でも拒否すれば、捜査、逮捕ができないというようなものです。これは門灯に無茶苦茶な仕組みです。当然に暴力団というのは失礼ですが、まさに、帝国主義者であった国の特権なのです。これがずっと70年以上も続いているのです。

 当然に国際法を守らない国もあるわけです。これは隣国ばかりではありません。一方的に武力行使、軍事侵攻をした国、内戦を支援した国や内戦を起こしている国、少数民族への迫害、人権侵害、国民への情報操作を行っている国もあるのです。極めて不条理なのが常任理事国という地位なのです。従って、上記のようなことをすれば常任理事国、非常任理事国にはなれないこと。あるいは、拒否権に制限をかける。あるいは、拒否権自体をなくした多数決というのもいいのではないかと思います。これに該当し反対する国としてすぐに思いつくと言えば、理事国のある2カ国です。

 常任理事国の中でも、一国(フランス)は提案国になれるでしょうか。それと、非常任理事国での勇気ある会議と決議が必要でしょう。そして、国際世論です。各国の関係者に打診するとともに、やはり、意図を世界に発信することです。内々はよくありません。各国の人々に知らせることの情報戦をしなければならないだろうと思います。日本や各国の民間団体、世界的な団体への働きかけも必須でしょう。先にこちらを動かしていくというのもありでしょう。究極は、賛成国の拠出金の大幅減額での抗議です。大国が勝手に拒否権を発動して、軍事的仲裁ができないのですから、何のための国連かということです。
 

 これぐらいでしょうか。ほとんどが戦争内容や見通しの分析ばかりです。政府の金融制裁、政府援助や人道援助のみです。G7での決定を少し遅れ気味で後追い実施ばかりです。経済は一流、政治は三流といわれますが、智恵はないのでしょうか。日本のシンクタンクと呼ばれる機関は、どうなっているのでしょう。一流大学出身の国家公務員も、知識人も、国際的貢献として、この戦争後におこるであろう「新たな世界秩序」形成に一石を投じる気概がないのでしょうか。
 このウクライナ侵攻の結果いかんにかかわらず、核兵器の拡散が進むものと考えています。あの永世中立国のスイスでさえ普及率は100%以上で、現在も更新している。原因は、放射線による汚染には国境もないからだそうです。日本は0.002%で、ほぼ絶望的な数値。拡散すれば危険度が増します。核拡散防止は持てる大国のエゴです。以前に小型核兵器が2,3kmとしましたが、そこまでの技術は中性子爆弾とよばれるもので、まだ、実戦には使われていない。これに変わるものとしては、ロシアが使ったとされる「燃料気化爆弾」だそうです。小型核としては、実際は広島・長崎型より1コンマ数倍ということです。もちろん、核兵器使用は国際法違反ですが、別な隣国は国民そっちのけで実戦配備やっきになっています。日本は元首相が各共有の論議をすべきと言っていますが、これは超現実論です。国民感情からいってもまだ無理でしょう。どこか遠くの小さな国同士が核戦争を起こしても無理ですし、別な隣国がアメリカにでも打ち込んだついでに、日本の米軍基地にでも打ち込んで、日本人が亡くなっても無理だと思います。打ち込まれた原爆で死んでもいいが、相手に打ち込むことはしたくないという美しい心をもっていますので…。うち込めれても、上空でミサイル攻撃ぐらいが関の山。もしかして、相手国のミサイル基地を攻撃できれば、打ち込まれる核の数も減るかもしれません。


 個人的には、やはりこれが一番。またの繰り返しですが。

<日本政府が各国政府にというよりも、各国の国民に訴える提案はできなのかと考える。国連や、各国のマスコミを通じてでも。『国際法遵守』、『国連改革』(前述)などを訴える。>

 各国政府はそれぞれに表の事情と裏の事情がある。政府間でのやりとりも重要だが、国連という大きな場や、マスコミに日本提案を記載させるなど、各人権団体やNGOへ呼びかけなど、国際世論を喚起するのです。

・『国際法遵守』:日本が本当に世界平和を望むのであれば、国際法厳守にもとづく世界秩序を提案してもよいと思う。アメリカも渋い顔をし、隣国は恫喝するかもしれないが、提案の真の相手は国際世論である。理想論と非難されるが、「希望への一歩」を投げかけてはどうかと思う。

・ウクライナとロシアの戦争がどんな形でおわっても、国際司法裁判所が戦争犯罪人とした決定を尊重し、ロシア政府関係者・軍事関係者への制裁を一定期間継続することを欧米、アジア、アフリカ、南米などが決めること。制裁内容は、国民生活の衣食住にはかからない制裁、先の戦時政府と軍関係者の資産没収(避難民とうへの支援にまわす)・海外渡航での逮捕(国際裁判所へ強制的に出廷させる。違反した国には制裁)。

・小さくても現実的に、「震災の記憶もあることから、仮設住宅の打診、提供、設置。」も考えられます。お金は何にでも使えるので便利ですが、やはり、これ以外でも何らかの物と日本人の姿を見せる「見える支援」も重要です。現地の日本人法人でも動かせないでしょうか。


冗談半分で

・日本が仲介に名乗り出る。岸田首相・外務大臣、同じ与党で創価学会というバックがある公明党党首、更には、話し合いによる解決を自負する共産党委員長の超党派で。他は若すぎて国際的知名度なしでダメ。


 さて、日本の安全です。核戦争防止のための突然の破棄と言う可能性がゼロではないことから日米安保の究極のあやうさもありますが、単独では全く刃が立たないでしょう。従って、現実的には、日米安保強化として、日本の自衛力向上を図る必要があります。そうなるとやはり装備の充実と自主開発です。インドがロシアと手を切れないのは、全軍事装備の約60%がロシア製という実態にあります。アメリカ製ばかりでは、いけないと言うのが筋です。これは憲法改正なしでもできることです。

 次は早急に、近代戦である、日本の通信網を破壊されないための、情報戦争の1つであるサイバー防御部隊強化です。ウクライナ侵攻でもスマホでの情報発信が効果的です。現状をありのままに世界に発信できます。武器を取らない戦いができることになります。

 その他もあるでしょうが、歴代自民党政府の弱腰外交(もっと悪かったのが民主党)から、毅然とした外交姿勢への転換が重要です。隣国のヤクザのような恫喝は日に日に増しています。恫喝を受ける自体がバカにされていることです。尖閣問題でも、日本の大使館職員が逮捕されるのもそうです。これなどは、まさしく国際法違反ですので、堂々と国際的に発信すべきです。自民党が「金儲け主義=グローバリスト」企業の政治献金が多いとは言え、金儲けのために遠慮するのは筋が通りません。隣国のスパイ容疑での日本人逮捕、投獄、そして獄中死もうやむやになっていますが、なぜ、強烈な対抗策をとれないのでしょうか。
 隣国留学生問題もそうです。日本人学生には返済が義務づけられているのに、外国人(多くは隣国人)年間約380万円を返済不要で支給しているのです。これなんかは、即停止で国外退去です。一人ひとりの国民は政府でとは無関係だという某党員もいますが、隣国政府が個人の希望だとして無条件に出国させるでしょうか。多くは共産党員の子弟か、共産党の息のかかった若者でしかありません。それに隣国には「国家情報法」があって、特に7条には、『いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し‥‥』とありますので、誰もをスパイとして使うことができるのです。まさしく、スパイを税金で養っているといような構図になっています。まずは、このような人たちを制裁対象にするのです。これには恐らく「人権無視だ~!」と騒ぐ団体もでてきますが、無視するのです。
いろいろな制裁措置があろうかと思いますが、とにかく制裁措置をとるというような姿勢を見せなければダメな隣国です(これは台湾における中華的な思考での指摘でもある)。

ウクライナ 12 台湾

 前回、台湾の歴史を概略してみました。

 「台湾」というと、東日本大震災でのことが印象的です。義援金の金額も253億円という話はとどいていますが、台湾の仏教系慈善団体の日本支部の方々が、被災した各地におもむき総量数十トンもの炊き出しを続けたことや、被災住民に直接現金を渡していたことです。1世帯当たり5~7万円、一人暮らしでにも2万円、配布場所に来られない人には直接訪問して現金を手渡ししたそうです。さらには被災者1000人を無料で台湾に招いたとか、欧米が放射能で渡航を制限していた際に最初に訪れたのが台湾人だそうです。

 これを知ると、「犬去りて、豚来る」の前回の「日本人の猛烈な弾圧」というのが本当に事実なのかと疑ってしまいますが、抗日・反日運動が盛んであり、死亡者も多くいたのは事実です。しかし、古い中国風の城壁に囲まれた小さな町が点在するような台湾に、鉄道や道路網をつくり、城壁を取り壊して、産業をおこしていったのも事実です。強引ながらも豊かな島にしなければならなかったのも事実です。

 親日家が多いとも聞きます。日本人としての軍人や役人、民間人が何かを残したのだと思います。欧米の軍人や役人、民間人が残し得なかったものがあると思うのです。

 いまでも日本統治下での建造物が保存、修復されているようですし、ダム建造と灌漑用水路づくりに努めた技師の意味深い銅像も残っているそうです。いわゆる建造後に建てられたのですが、国民党統治下の際には密かに隠されていて、80年代に再び設置されたそうです。しかし、親中派の活動家によって首を切断されたのですが、3週間で修復して慰霊祭に間に合わせたといいます。このダムと総延長1万6千キロにも渡る灌漑用水路づくりには10年以上もかかったと言います。この人物はその後フィリピンの灌漑用水路調査のために向かう途中に米軍潜水艦の攻撃で死亡します。さらに台湾にいた妻は、1945年敗戦確定後に、夫のつくったダムの放水口に投身自殺をはかります。その銅像の後ろに夫婦の墓もたてられ、記念館もあり、2021年には記念公園ができ、当時の住宅まで再現されているそうです。そして、このダムを造った日本人は台湾の教科書にも載っているそうです。


 台湾の中での政治的立場を考えてみると、同じ中華人としては、今の隣国の政治体制ではない中華人としてのナショナリズム(民族を中心とした国家観=中華民国国民党的考えの1つ)、「台湾人でもあり中華人でもある」があります。また、過酷であった中華民国国民党支配時代から、また、隣国も『改革開放』で資本主義的な路線をとっていた頃は、「台湾人は台湾人」という考えの「台湾アイデンティティー」が増えてきた経緯があります。さらには、上記にも書いたように隣国の文化大革命や天安門事件、香港の経緯からも、台湾アイデンティティーを越えて、独立国を希求する「台湾ナショナリズム」という考えがあります。台湾での最大派は「台湾アイデンティティー」を持った人たちです。従って、台湾での政党は『国民党』と『民進党』があるのですが、党内のこうした派閥をみると、下記のようになるようです。いずれも、独立は考えていなく、現状維持でいけばいいというのが両党の多くの支持者=台湾アイデンティティーをもつ意見となっているようで、武力による侵攻も戦争も望んではいないということです。

 いわゆる「改革開放」の鄧・江・胡までの39数年間で、民主主義の国として、アジアではもっとも高位(英国誌エコノミストで2021年での民主主義指数報告)。「世界幸福度報告書2018」でもアジアではトップとなる豊かな国となっています。「国」という言い方をしているのですが、1971年に国連が、中華民国から中華人民共和国を中国の代表としたために、正式な国としては認められなくなった経緯があります。これも、実はそれまで中華民国を認めていたのが、ソ連との冷戦下にアメリカが中心になって、中華人民共和国をソ連との対抗勢力に加えようとして、急接近したことから、中華民国を切り離したという経緯があります(これも大国のエゴ)。しかしながら、非公式ではあっても経済的な交流は保たれるという関係にあって、日本よりも民主的な国という位置づけが海外からの評価となっています。そうしたこともあり、台湾アイデンティティーというものが、広く染み込んでいったようです。

 しかし、2012年に隣国が習体制になると徐々に「台湾統一」、「祖国完全統一」として、あからさまに武力による統一も辞さないとして、上陸訓練や領空・領海侵犯を繰り返すようになっていて、しかも、台湾との協議をする意志もない、一方的なものです。さらに、隣国の暗部へのインテリジェンス(諜報)にも詳しく、は隣国での少数民族弾圧や法輪功弾圧、内蔵狩り、無理やりに結婚を強いられるといった人権問題、あるいは政権闘争なども話題になっているようです(この意味でも、民主主義指数が日本よりも上になります。日本は偏向報道だということです)。従って、台湾独立という、「台湾ナショナリズム」へと移る傾向もあるようです。しかし、この「独立」は、隣国が勝手に決めた法律「反国家分裂法」に抵触して武力統一を許すことになるために、あくまで現状維持を望んでいるといえます。
taiwann1
 台湾は隣国の一方的で武力を辞さないという姿勢には、アメリカの力も借りながら軍備増強をしています。このウクライナ侵攻中でも、アメリカの非公式な代表団(元軍人で参謀本部議長)が3/1に訪問しています。おそらく軍事支援の綿密な連絡調整を行ったのでしょう。武器支援、物資支援、インテリジェンス支援などなどです。また、台湾側は「確固とした自衛の決意をもっていると全世界に告げたい」と告げています。

 台湾侵攻は現実味がある危機です。隣国の秋の共産党大会までなのか、それとも2035年までなのか、「統一するか、しないかではなく、いつするのか」という習体制の決断にかかっています。2035年というのは、習体制が児童にも広めた「2035年に台湾に行こう」という歌があるのです。電車に乗って、台湾の観光地へと行く内容の歌で、福建省から台湾への海底トンネル(か橋で)計画もあり、『中台統一』を国民にアピールしています。習体制としては、これをしなければ崩壊となりますので、必ず行うということです。

 このウクライナ侵攻があるまでは、アメリカの軍関係者も台湾侵攻の確率は低いと見ていたようですが、ロシアによる侵攻が現実化したことによって、中国の侵攻の可能性が高まったと判断しているようです。ウクライナ侵攻についても可能性は低いとみていたようですが、実際に侵攻があって認識を変えたようです。理屈ではありえないことが起こったからです。経済制裁も交渉も、開戦には役には立たないということです。隣国は、あの北京オリンピックでロシア大統領と何を話したのでしょう。台湾侵攻への各国の対応、反応をみるために、隣国はロシアを実にうまくそそのかしたのでしょうか。あの非難決議での棄権は、あきらかにロシアへの肩入れです。ロシアからの武器支援依頼があったことを、米国誌がリークしましたが、米政府も釘をさしたようです。国際世論からすると、武器援助を表立ってはできないといってはいても、隣国がどうでるかは不透明です。人道的支援という名の下に何かをおくるでしょう。ロシアと国境紛争を起こしてきた経緯や石油・天然ガス輸入では、ロシア崩壊後を見据えても、何らかの支援をしておくのが得策ですからね。

ウクライナ 11 台湾の歴史・共産党の脅威

 ウクライナへの軍事侵攻は、様々なことを教えてくれているようです。

 ウクライナ侵攻を本当に注意深く、「明日は我が身」として見守るのは、人口2340万人の「台湾」です。少し、はしおって歴史をみてみます。


 中国の諸々の王朝にとって台湾は、中華文明の影響を受けずに来ていて、領土意識も希薄な教化の及ばない「化外の地」としていました。それが、例の如く世界を股にかけて航海をしていたポルトガルによって発見された。その後 ポルトガルやスペインによって局地的、一時的に支配を受けていたが、明や清王朝はそれを許していた経緯があります。

 中国が台湾に関心を示しだしたのは、明から清王朝への移行期で、明の軍人が台湾を支配していたオランダを追い出して、清王朝を倒す拠点を台湾に置いたことからです(1661年)。そこで、清王朝は軍隊を送ってこれを倒し、1684年に領土化して編入します。この間は明の軍人が支配しますが、この人は日本人の母をもち、平戸で幼少期を過ごし、父の実家である中国にいって清王朝と戦うことになるという、興味深い人です。さらに彼の弟は、日本で母と共に残り、長崎の商人として成功し、兄の打倒清王朝の手助けをしたとされています。

 その後、編入された台湾は未開であり、福建省あたりの貧農の格好の移住地となり、大量の移民が移り住みます。日本がこの台湾に関わるのは、琉球宮古島の漂流者が台湾で殺されると言う事件に端を発する台湾出兵(1873年)でからです。1884年にフランスも一部を支配するということもあり、清王朝は本格的な統治をはじめることになって、その後の経緯は、日清戦争後に清からの割譲を受けて日本の統治下におかれます。 

 終戦後、日本がポツダム宣言を受けてからは、当時の中華民国(今の中華人民共和国ではない)が領土に組み入れ、中華民国の統治下に置かれます。日本が戦争に負けたとはいえ、正式にはまだ日本の領土で、国際的に確定したのは1951年のサンフランシスコ平和条約ですから、その間は日本であったと考えますが、その空白時期に実効支配を行ったというのが中華民国の実体かと思います。

 「犬が去って豚がきた。」という言葉があったそうです。この意味は、1947年の月刊誌「台湾文化」では、「日本人は本省人(戦前から台湾に居住していた大陸からきた中国人のこと)に対して猛烈な弾圧をしていたため、本省人は日本人を『犬』と呼んでいて、その本省人は最初は外省人(中華民国=国民党人)を尊敬して向かえたが、後になってが外省人の行動を見抜いて、豚のようだと思ってしまった。”豚は『すべてを食べ尽くして仕事をしない』『不潔で不浄な』動物であり、『不潔で不浄』とはすなわち汚職を意味するのだ‥‥」と書かれています。さらに後年の2015年になって、李登輝元総統は著書『新・台湾の主張』発売の際に、この語を「狗會曉顧厝,豬來會曉食、袂曉做代誌(犬は家の見張り方を知っているが、豚は食べるだけで動かない)」と台湾語で解釈している、同席した交流協会の日本人代表は「皆さんこんにちは、いわゆる『犬去りて、豚来る』の『犬』の代表です」とユーモラスで自虐的な挨拶をしている。

<2.28事件>

 中華民国=国民党とその家族である外省人は、日本人がいなくなった後に引き継いだ本省人による自治を廃し、政府機関や国営企業、メディアの要職を占め、本省人を差別して抑圧しました。その1つに「2.28事件」という外省人=中華民国人=国民党人による虐殺事件があります。事の起こりは、本省人の婦人への暴行、そしてそれに同情する人への発砲、死亡者。ということで外省人に対する怒りが爆発し、デモや外省人商店の焼き討ち。さらには、日本語や台湾語で話しかけ、答えられない者を外省人と認めると暴行するなどの反抗手段を行い、「君が代」は国歌として全ての台湾人が歌えたため、それを合い言葉として「君が代」を歌い、歌えない者を排除しつつ行進。また、本省人はラジオ放送局を占拠。軍艦マーチと共に日本語で「台湾人よ立ち上がれ」と呼びかけたと言います。この運動はまたたく間に広がり、国民党長官府も対話の姿勢をとったものの、大陸に残っていた本政府(蒋介石)に武力制圧のための援軍を陳情して制圧されます。日本統治時代に高等教育を受けたエリート層が逮捕、投獄、拷問され、その多くが殺害されたと言います。また、国民党軍の一部は一般人にも無差別的な発砲を行っています。さらに。街頭では検問所を設けて、北京語をうまく話せない本省人を逮捕し、針金を本省人の手に差し込んで縛って束ね、「ちまき」と称してトラックに乗せ、そのまま海に投げ込んだとも言われています。台湾籍の旧日本軍人や学生の一部は、旧日本軍の軍服や装備を身に付けて戦ったと言われています。最後はこれらも制圧された事件です。1992年の台湾の行政院は、その時の犠牲者数を1万8千~2万8千人と推計しています。事件後も戒厳令がしかれ、政治活動や言論の自由が制限され「白色テロ」と呼ばれる人権弾圧が訳40年にも及びました。この間、14万人が投獄され、そのうち3,4000名が処刑されたとされている。

 中華民国=国民党による統治がいかに過酷であったか。それが、1966年の文化大革命と呼ばれる中華本土のすさまじい飢餓と殺戮もあり、国民党内部でも、大陸へ帰るという悲願を捨てるということになる中、本省人である李登輝が巧みな政治手腕をもちいて台湾総統となって、民主化を推し進めてきたという流れとなります。

 こうしてみると、台湾は明・清王朝時代の中国人と、共産党である中華人民共和国に反抗する中国人で構成されたものであることが分かります。

 中台統一は、中国人民の「神聖なる使命、崇高なる目標」だと言って、例の如く、下品な言葉や軍事による威嚇で脅していますし、「ウクライナとは別の次元」であるとして、ロシアによるウクライナ侵攻を無視しています。軍事力による侵攻は、明日にも行われるとして、警戒感が高まっているのです。

 ナチス・ドイツが、ベルリンオリンピック後に侵攻を開始したように、さらに、今年が中国共産党結党100周年でもあり、結党以来、毛沢東を超える存在としての栄光を我が物にし、最高指導者としてこれからも君臨するためにも、台湾侵攻・支配は必然の条件ということになるそうです。

 台湾も圧倒的な軍事力格差をもっていますので、アメリカとの接近が著しいです。しかし、中国が核兵器使用をロシアのように言明すれば、アメリカの対応だってどうなるかは分かりません。もし、アメリカ静観の中で、侵攻が行われれば、民主勢力は根こそぎ投獄、死刑となるでしょう。辛うじて、共産党に情報を流してしっぽを振るような国民党員が残るかもしれません。中国共産党は人権を無視し、反対派や少数民族を虐待、抹殺するのですから、民主主義とは相容れない立場です。思想、信条の自由、結社の自由、言論の自由だってありません。中国にもきちんとした憲法があり、それらも明記はされていても、全て共産党の指示に従うという前提のものです。共産党一党独裁ですので、憲法の上にあるのです。台湾の1部の人たちは、「悪魔の帝国」と呼んでいるそうです。


 台湾問題で問題となるのは、尖閣諸島問題です。1895年に編入したのですが、突然領有権を主張するのは、1971年です。それも、国連の沿岸鉱物資源調査報告で東シナ海に石油埋蔵の可能性ありと指摘された1969年以後です。魂胆は見え見えです。ほぼ毎日、領海、領空に接近し侵犯も行っています。日本政府は厳重抗議だけ。マスコミ、野党は無視。憤慨しているのは自民党の1部だけです。まさしく、資源確保という国家戦略、侵攻計画があるのです。
 中国の野望はまさに露骨ですが、今回のウクライナ侵攻での各国の動きを分析し、台湾侵攻と尖閣諸島侵攻の最終の詰めを行っているだろうと思います。
 今話題になっている「W徹」「テリー〇〇」のように、そんなもの逃げればいい、日本人の生命が大事だからくれてやれ、と言うかもしれないです。
 
 今回のロシアによるウクライナ軍事侵攻は、「経済制裁や外交をしても戦争は止められない」ということです。だから、W徹やテリー◯◯が、逃げて降参せよと言う論理になるのでしょうか。国土、領土はいらない。生きていても逆らわずに従順にし、言葉も捨て、文化も捨ててもいい。あるいは、難民として海外で暮らしてもいい。ということになるのでしょうか。
これって、実に領土問題のある隣国にとって大変力強い言葉です。隣国に勇気と決断を与えるエールです。この発言を流すマスコミも凄いですね。こうなると、民族は異なってもいても同志ですから、優遇を受けるでしょうね。すでに侵攻前からのラブコールで、己が利益最優先という論陣を張る知識人です。お見事です。

記事検索