PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

現像

写真についての個人的なメモです!

スーパー解像度搭載

 Lightroomからほんの少しご無沙汰している間に「スーパー解像度」が搭載されました。
 以前にも少し触れましたが、拡大してもシャギーなどが軽減されて解像度が落ちないような機能(RAWディテール)が搭載されていましたが、いよいよ縦横サイズが2倍になる「スーパー解像度」が使えることになります。

 画面右クリックから「強化」を選択すると下のようなウインドウが出ますので、青ボタン強化を実行すれば利用できます。

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 とはいえ、4倍の容量となりますので、高画素のファイルだと、ひょっとしたらLightroomが重くなったりするかもしれません。

スーパー解像度

 これまた革新的なテクノロジーが登場しました。Adobe社の「Camera Raw」には「ディテールの強化」と言う機能がありましたが、これに「スーパー解像度」が加わりました。

 まずは、「ディテールの強化」と言うのは、デジタル処理で発生するノイズを取り除いて鮮明なディテールを描く機能です。これには数百万枚の画像からトレーニングし適切にノイズ除去ができるような「機械学習」と言うようなものが搭載されていると言われています。Camera Raw 13.2から追加され,現バージョンのLightroomでも使えます。

 さて、新しい「スーパー解像度」もこうした機械学習を使って、拡大すると生じるデジタルノイズを除去して鮮明なディテールを描くと言う機能です。

 具体的には、普通画像を拡大すると輪郭がシャギーになってしまったり、全体的にぼやけた画像になりますが、約4倍に拡大してもディテールがほぼ保たれると言うような機能です。約4倍と言うのですから、2000万画素が8000万画素になると言うことです。5Dsだと2億画素となりますが、現像を行うとパソコンの能力を超えてLightroomの動作が遅くなるようです。また、新しいマックCPUとして想定されているらしく、現在使っている私のiMac(インテルCPU)だとネットワーク関係での不調を招いてインターネットにつながらないような症状が今のところ出ています。

 前回のキツネの元画像は7MB(5430x3620)ですが、「スーパー解像度」で処理したものでは約26MB(10860x7240)となりました。

 こうなると、最近出回っている高画素カメラも、画素数だけで言うならば不必要なものとなりそうです。ピントさえあっていれば、旧機種カメラのRawデータも見事に高画素として復活できますし、トリミングでもオーケーとなります。

 使用方法としては、PhotoshopからRaw画像を読み込むと、Camera Rawが起動され、画面を右クリックして「強化」から使えるようになります。それを保存するとLightroomでも細かな現像ができるようになります。

スクリーンショット 2021-03-31 10.48.51

 3月10日のAdobeでは、近日中にLightroomにも組み込まれるとのことです。

 詳細は、Adobeページ
  https://blog.adobe.com/jp/publish/2021/03/10/cc-photo-from-the-acr-team-super-resolution.html#gs.xl3mq7

忠実性から表現性へ

 写真をやり始めの時の現像は、色彩は濃い目、明度もやや低目でした。当時は国産のシルキーピクスと言う現像ソフトも使っていましたし、キャリブレーションも知らないままでした。
 その後、「見た目=忠実な再現」を試みていました。そして、現像ソフトもApertureを経由してLIghtroomとなります。
     

 忠実な再現で一番なのは冬の光景で、雪面の色が練習台でした。実際には白から青、影は灰色から青と、天候や時刻によっていく通りの色があります。特に逆光撮影も多かったこともあり、暗くなる部分を明るくする補正も練習しました。HDRと言う方法もやって見ましたが、これも程度問題で、画像が平面的になる傾向もあって、特に意識はしなくなりました。あとは空の青も難しいと感じていました。
 
 現在は? と言うとどうでしょうか。忠実には近いと思うのですが、カラーでは色の濃さと言うよりも物の立体感をだすと言うことで、「明暗」「光と影」を少し強調しています。色彩を飛ばしたモノクロでは、「明暗」「光と影」の強調の幅が広がるので、より大胆に光景を描くようにしています。そのうち、カラーでも、ダイナミックな光景では大胆さを出して行きたいと思っています。その反面、雪原の白と青のような色彩の多様性がない場合は、少し淡い、ハイトーンもいいかと思っています。


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 色々と試行錯誤を重ねていますが、その点でRAW撮影は試行錯誤に耐えうるデータを持っていることが多くて助かります。また、ソフトの進化もあって新たな修正、補正が可能になる場合もあります。

光の変化

 陽射しが春に近づき、雪原の雪を溶かし始めて、夜になると凍るような時期になりました。そうなると、陽射しをうける雪原は様々な表情で輝き(反射)始めるのです。

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 過去の映像が上のものです。水の流れのように光っている光景です。雪原も畑には融雪剤が撒かれるので、牧草地は自然に溶けるのを任せるのでこうした光景が撮れると思います。

 今年はまだ狙ってはいませんが、山岳では眩しい反射が見られました。今回の写真がそれです。とは言っても、光の落差がないので写真ではあまり表現できませんでしたが、同じ写真でのカラーとモノクロを紹介します。

 私の好きなオプタテシケ山で、その両脇の山肌が一際輝いていました。

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 肉眼に出来る限り近づけたのがカラー版です。やはり肉眼でのダイナミックレンジが広いので、それが狭いカメラでは両脇の輝きが表現できませんでした。全体にアンダーにすればと言うのもありますが…。従って、モノクロではどうだろうと言うのが下写真となります。
 これでは若干と言う感じでしょうか。それよりも驚いたのは、雲とオプタテシケ山の表情の違いです。この辺りはさすがモノクロの強さです。最近、モノクロが多いのはその魅力があるからです。


 そうなると、このモノクロ的な光の明暗をカラーで生かせないものかと模索するのですが、色彩の違いや濃度によって明暗度合いが変わるので、それこそ果てしない時間をかけての現像となりそうですし、可能かどうかもわかりません。滑らかな色彩のグラデーションを破壊することも考えられるからです。そうなると、Photoshopによる現像を考えなくてはならないのかとも思うのですが、非常に馴染みのないソフトです。それが可能かどうかも知りたいところですが。

冬の光景 続編 現像は個々に

  まだ腰が本調子ではありません。湿布を貼りながらの安静的な自粛生活です。

 モノクロとカラーを紹介しましたが、時間が少したった後の写真を、前回カラーのものと同じ現像手法で行ったものです。


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 どうでしょうか。 写真的には右上の「ハート」や「蝶」の方が面白いですが、その存在と雲の表現、雪原の表現とバランスがとれていない感じがしています。これも私の主観です。また、同じような光景でも、違う要素が入ってくれば、同じ現像手法がとれないのではないか、ということもです。
 
 ではどう考えるのかです。雲の明度をあげて明るくすると「ハート」が弱くなるので、限度があるとか。それも含めて、雪原を青に戻すとどうなるか、と進めて…。青いと冷たい感じで、「ハート」は片思いかな…とか。ちょっとした物語がイメージできるようにするのか、などを考えます。更にそうなると、夕焼けの帯状の背景も少しやかましくなって、「ハート」の印象が弱いかな…とも考えたりします。
 つまり、夕景だけの強調という訳には行かないような状況が生まれるということです。

 写真はマイナス、単純なものが印象的などというようなことが言われますが、その意味では前回のがスッキリしています。現像・表現方法の考えや選択も簡単かもしれません。

 この画像にしても、「ハート」だけあるといいなどと考えると、木も真っ暗ですので困ります。そうなると、木がわかるまで明度をあげるということになります。そもそも「ハート」「蝶」がもう少し鮮明だと、木は入れないフレーミングをすることもあり得ますが。

 Lightroomには、「仮想コピーを作成」という機能があり、元画のコピーを何枚もとれますので、いろいろな現像を残して置くことができます。実際に考えたことを確かめ、比較できるのが利点です。

冬の光景 諦めの1枚復活

 カラーでの表現に納得がいかなくてモノクロにした写真の復活です。

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 元画像よりも縮小していますが、雪原はかろうじて見える範囲にしました。元画像は青ですが、暗くしても違和感のある青でしたがかなり黒に近く、一部は残っているというところで治めました。
 こんな光景はないといえばそれまでですが、雲間の夕景に視覚が奪われれば、当然に肉眼では暗くなるだろうということでの表現の限界領域だと思います。カメラで残すことのできる画像と肉眼とは違う点で、肉眼に近い見え方であろうということからの修正の結果です。

 この事象のカットが数十枚もありました。雲の変化を楽しんだのでしょう。後日、紹介します。

RAWデータを引き出す  久々の日の出 続編

 RAWデータを引き出す
 
 3月最初の撮影は日の出を拝むことができましたが、新たな発見の日でもあります。

 それは、カメラは肉眼よりも見たままを写すことはできないことから、現像は見たままに近い表現をすることをまず学習してきてLightroomを使ってきていたのです。それから、表現性を考えるようになり、印象による強調や抑制を行ってきました。
 しかし、それはあくまでも肉眼的な領域を出ませんでした。
 そして、モノクロ表現ですが、実はカメラは肉眼以上のデータを保存していることが実感でき、それを引き出すと言うのも表現の1つの方法でもあることを見つけました。これはあくまでもモノクロでした。
 
 そして、過日撮った写真もモノクロにしてみました。そして、稜線に沿った雲のみをカラーにできないかとフッと思ったのです。そして試行錯誤の結果を前回に紹介することができました。
 その元となるモノクロが下です。これの白い部分に色を復活させたのが前回の写真ということです。

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キャリブレーション

 Lightroomでの現像もパソコンのディスプレーが重要です。現像の主はiMacですが、風景以外の家族写真や旅行等はWin10で行っています。以前に思い切ってDATACOLARのアルミケースに入ったものを買ったのですが、iMacのOSをバージョンアップ(とは言ってもCatalinaへ)してしまったところ、Win10で使えるものが全くダメになってしまいました。バージョン・ダウンも面倒でそのままにしていたところ、アップする画像の色が微妙に違うのに気付きました。これも雪の白系の現像でわかったことです。
 
 とりあえずはディスプレーのみと、Spyder X Proを購入しました。新型はレンズらしきものも付いていてなかなか高級感のあるものでした。取説もなくアプリのダウンロードの説明のみで、機器のシリアルを入れてからやっとアプリのアクティベーションができました。


 さっそくキャリブレーションをしましたが、以前の物よりも早く調整が終わった感じがしました。調整前のと比べると「青味がかって」いました。そうなると肉眼で見ると以前よりも「赤味」がかかっているように見えてしまいます。
 iMacの5Kですが、Winに比べてOS上で色管理を行っているということで購入したのですが、数ヶ月も経つと変化するものなのですね。
 さて、Win10の方のディスプレーですが、輝度が弱くなって買い換え時期かと思っているのですが‥。

足跡 光と影

 夏季間には意識しない生き物。冬になると雪原の丘にはいく筋もの足跡を見ることができます。よく見るのはキツネです。下図の左です。たまに見るのが、中央と右です。中央がピョンピョンはねるウサギ。2つ並んでいるのがイタチらしいです。鹿は、キツネの足跡がもっと大きくて足跡の距離が長いでしょう。熊は冬は冬眠ですからないようです。

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 キツネは人家の近くまで寄ってきて餌をあさるようですし、早朝だと車道にも見かけます。除雪され車も通って硬くなっているために歩きやすいのでしょう(道路脇の側溝をネズミが通るとうのも聞いています)。
 日中は光の関係で足跡は見にくいですし、ファインダーでも確認できないことがあります。やはり、太陽が東か西の近くだと、足跡が見やすいです。

 下の写真もビニルハウスと丘を撮ったのですが、ファインダーでは全く見えませんし、現像の際もよくわかりませんでした。しかし、モノクロにすると明確に見えてくるのです。

 カラーでは隠れていた形状を露わにするもの、モノクロの凄さです。
 それとモノクロ・テレビも経験した年代ですので、モノクロ写真を見ると色彩を想像します。最近、モノクロの現像も増えたのは、「surface」的なテーマの関係もあります。「surface」というのは、色彩の下に隠れたものを露わにすると共に、見る側、鑑賞者に色彩などを考える余地を残すというようなテーマです。光の強弱のみのモノクロ表現で、カラー写真では見えないものを顕わにし、新たな見え方を表現するというものです。

 過日は単なる雪面を撮影しましたが、風景となると、鑑賞者それぞれが色彩をイメージするのではないかと考えます。昔の写真はモノクロでしか表現できませんでしたが、写真がカラーを獲得した後も廃れることなくモノクロが存続しています。色彩あるれる現代を「モノクロで表現」できるのも写真の特質です。

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 上の写真はカラーの時は足跡も見えなかったものです。身長よりも高いビニルハウスも積雪で半分以上が埋まっています。骨組みがうまくクロスする地点を選んでの撮影です。雪に埋もれた骨組みでは、この辺りが人が働く農地であることが理解できます。しかし、冬の休耕期ではキツネが自由に徘徊する土地でもあること(夏も来ているかもしれませんが)。人と動物の共生というか、両者の境界線上に農家の人は暮らしていることが読み取れます。この写真の雪の光に何を感じるでしょうか。
 と書いてみると、新たなテーマのき1つであったり、写真はテーマで撮るものでもあることにも気付かされます。

淡彩の夜明け

 モノクロ化  僅かな朝焼けの空。非常に微妙な薄いオレンジとピンク色の空で、全体的にハイキー調のカラー画像に仕上がりそうでした。それに、画面の左右に紫の色かぶりが「かすみ除去」をするとできてきます。

 ということでモノクロにしてみました。これも、ローキー調や雪原の表情を出そうとすると紫かぶりが浮き上がってくるというもので、結局はこのような仕上がりとなりました。

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 それと四隅の周辺光量が残っていますが、これは画像を小さくすると強調されます。
この木もいろいろと撮ってはいますが、今回は山頂と木を合わせてみました。この木1本だけが存在すると山の全景が撮れるのですが、右横には木がポツンポツンとあります。

 「木」や「モノクロ」の写真を撮るとマイケル・ケンナを思い出します。木の前で数時間も過ごし、いろいろな角度から、また、シャッター速度も変え、長時間露光もあるそうです。そして、曇りの日などを「いい天気!」と呼ぶそうです。彼は1枚の撮影に時間をかけ『光』を蓄積しつつ、「光景に時間を重層化(私個人的な言葉)」しているらしいです。1秒の何分の1という瞬間を撮るのではなく、変化を眺めながら、それを写し込むというようなスタイルなのです。水面はあくまでも滑らかで、雲海などはその動きが見えるような作品です。
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