PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

撮影技術

写真についての個人的なメモです!

逆光の花 光芒

 光芒の写真です。これはまさに逆光でなければ撮れない写真です。

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 林の向こうにある太陽からの光線が、霧に包まれた木々をすり抜けて光と影でつくる光芒です。
極端な明るさのために、木々はシルエットになり色もディテールも失います。霧の中を通り抜ける光がゴールド一色で染まります。

 丘に立つ位置からは、霧の撮影のほとんどは逆光や半逆光となります。一時期広角で太陽の入った写真を撮りましたが、ほとんどは逆光や半逆光です。

 下の図は、太陽の位置と撮影する位置での光の関係を描きました。実際には、これに太陽の高度(高さ)が加わります。

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 太陽を被写体の背にしたり、カメラレンズ(フレーミング)に入ると、逆光や半逆光となります。特にこれを避けるには望遠系でカメラレンズに入らないようにすればいいでしょう。長いレンズフードなので、レンズフレアーを避けることが出きます。とはいえ、フレーミングでどうしても入る場合は、日除け傘や板などで防ぐことができます。簡易的にはハーフND(10cm✖️15cm)の黒ケースでを左手で持って代用しています。たまに、風の強い日や、風雪の日は傘を使っています。これも左手で持っていますので、少々不便な時もあります。

 上の図に「立体感」とありますが、太陽が被写体の左右(斜め上)にある時は「影」をつくることになるので、被写体の立体感を得やすいことになります。何も真横でなくてもその前後で構わないのですが。

 さて、半逆光から逆光の範囲ですが、順光や半順光とは反対に、色やディテール、立体感が損なわれるような被写体の状況となります。思い切ってシルエットととして撮影するか、HND(ハーフND)で現場で補正するか、現像時に補正して明るく、色彩も強めにするなどでやや回復させる方法があります。これも調整次第です。

パノラマ合成

 広大な景色も広角を使うと余計なところまで入ります。かと言ってトリミングすると画素数が減ります。そこで数枚の写真を合成してパノラマに仕上げます。Lightroomの機能の1つですので、今回はその結果を紹介。

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 市街地や丘を呑み込んでしまうほどの霧が主題での表現ですから、朝焼けは程々の時の撮影です。これは2枚合成。


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 これは3枚合成で、ダイナミックな朝焼け雲が主題です。

 Lightroomでの合成はコントロール・キーを押したまま数枚を指定して合成コマンドをクリックするだけです。その後にトリミングして現像します。いろいろな設定があるようですが、撮影時に気をつけることがあります。

 パノラマ撮影時の注意点
画像を十分に重ねる
各画像の約 40%の領域を重ねる
焦点距離を一定に保つ
ズームレンズを使用する場合は、写真の撮影中にズームしない。
撮影時にはカメラを水平に保つ
同じ位置から撮影する
三脚使用が必須。
ゆがんだレンズの使用を避ける
できるだけ焦点距離の長いものを使う。
露出を一定に保つ
露出はオートを使わず、マニュアル設定で。ホワイトバランスもオートではなく太陽光など一定の設定で撮る。

霧の夜明け

 北海道の背骨=大雪山連峰からの霧の日の夜明けを撮影してみました。まさに逆光方向の撮影で、これ以上撮影すると太陽光がカメラを襲います。逆光だと色もわかりにくくなります。従って、日の出前と直後がポイントかと思います。


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 10分程度の間ですが、霧の状況が変わってきます。この日はオレンジ系の朝焼けで、この後は太陽を入れない切り取りで、霧の状態を撮影することになります。

春の兆し 融雪剤2

 久々の早朝連チャン。で、久々の場所で日の出前の大雪山連峰と十勝岳連峰を一望しました。
 そして、この時期ですから、少し寒いですが、耳をすませて「エンジン音」を探しました。
 また、融雪剤散布作業の撮影でもと言うことです。

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 左にある白い山を入れての撮影と思って、いろいろ撮りました。
 山と人が丘の稜線上に横並びで、どの程度の間隔がいいかと思って撮ったのですが、煙で山が見えないことが多いのを修正したのが上写真のような構図です。頭が黒ラインと重なったのは計算外でした。画角が狭い方が、山に迫ると言う感じで、散布時の動きや緊張感が出ると思って、この画角で置きピンして撮ったのですが、「帯に短し、たすきに長し」で、散布の煙の長さと頭の関係がうまくいきませんでした。もう2度と出会えないかもしれないのに…。

MIND その2

 前に紹介した『Photographer's Mind 』から。ファインダーからの見方が変わったものがあります。
   ・第2章スタイルの「対立」という項目からです。  

 面への分離
 ファインダーを覗くとフレーミングや構図が気になりますが、これらはあくまでも平面的な見方でした。当然、風景だと空気によって遠景に従って青みがかってきますが、見方として、見た光景の解釈として前景・中景・遠景などと、複数に分離してみるということです。表現としては、奥行きを処理する方法であるとともに、ある光景を特定の順番で見るように鑑賞者にうながすためでもあると書かれてあります。最も顕著なのが前景がシルエットで明るい遠景の2面であり、もっとも古典的な手法とあります。

 私の作品で、遠景が夕空ですが、このようなのが対立での「面への分離」というものです。このような逆光だと撮影中に仕上がりが想像できます。

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 これらを応用すれば3面、4面‥といった捉え方もできるというのです。
 Lightroomでは「かすみ除去」という機能が付いていますが、遠景もきっかり見えるというのもあるでしょうが、面として捉えれば、全てに「かすみ除去」をかけるよりも、1部は残すという方法も考えられます。


 2つ目は、空間的な広がりで、風景の中の人や動物、ボート・船といった対比(対立)です。これはこの本の表紙にあるようなもので、人物が入ることによってスケール感がでます。また、人を中心部付近に置くことによって、人を主題にした画像にもなるようなことが書かれてありました。

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 これは、あの雪原を歩くキツネの場合です。眼前を横切っていくキツネを撮るのが初めてで、70-200mmで撮ったのですが、何かキツネが中途半端な大きさになってしまったと感じています。もっと大きくするか、背景を広々とフレーミングするかで、見せ方もはっきりできたのではないか、なぜ、いろいろな焦点距離の画像を撮っておかなかったのかと反省する点です。これについては、すぐに改善しています。

 「500px」を見ると、広大な風景や険しい山中に登山者(?)を入れるものがあり、これについてはこの本の著者も、これはだいぶ使い古されてはいるが、極めて稀なことでついシャッターを切りたくなる光景で、まだクリシェというほどではないと言っています。

理想イメージと現場イメージ

 今日は大荒れの日、2,30分程の除雪でも、振り向けば積雪と言う状態です。30cm以上は降る気配におののいています。


 以前にも紹介したモノクロの写真です。
 
 ここのシーンは何回も見ていているものです。大雪山連峰や十勝岳連峰の中でも、特徴ある山頂を持ったオプタテシケ山がお気に入りです。それを挟む左右の林もその山を引き出させるものではと狙ってはいました。また雪原には、雲もなければいく筋かの細い起伏の影が逆八の字風にでます。
 もちろん雲がなければ全くの逆光ですので、太陽を外しての山と雪原、山の左右に林という縦構図です。これが理想のイメージです。

 ところがこの日も予報外れで曇り。雪原の筋が極めて弱いと言うことで、雲に隠れた太陽も入れての構成となりました。この時期は山の左から日の出が始まって昇って行きます。できれば山の角の上にと言うことで待って撮影しました。

 これで問題だったのは左林の左にある四角い物です。多分、農家が使う資材だと思うのですが、これを入れか入れないかです。美瑛の丘の自然とは言っても農作物です。何々の小屋とか家というのも人工物です。と言うことで、田園としての風景と言うことであれば、入ってもオーケーです。なければ自然風景としても使えるでしょうか。これもテーマ次第で、入れたりトリミングしたりと言うことになりそうです。ちょっとしたことですが、様々なアングルで撮っておく必要があるのではないかと言うことです。

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動物と風景

 過日の朝も期待外れの天気でしたが、5匹のキツネを見かけました。例の尻尾の毛が先だけにあるキツネも遠方に見ることができました。遠くでもちょうど丘の稜線上ということでシャッターをきりましたが、やはり少々ピンぼけです。APS-Cカメラなので450mm程度の換算の望遠となります。

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 構図  右に木(枝が空に伸びている)があるのをトリミングしたので、キツネが中央となり、やや不満なものとなりました。青い山並みに薄いピンクの空で、空をもう少し入れたかったのですが枝の関係でこれがギリギリでした。これをさらにトリミングすると画素数が足りなくなってしまいます。まあ、これがキツネの大きさの最小だと思います。この辺りの構図的なものは、キツネを中央や三分割上に置くとかという「安定感」もありますが、山並みやピンクの空、雪原の比率でキツネの位置をそれからずらして変化を与えるというようなことが考えられます。

 APS-Cが手放せないのは、フルサイズ用のレンズでは焦点距離が1.6倍になることです。ただカメラ自体も古くて画素数も2000万以下ですので、トリミングは厳しいというところです。買い換えの予定は未定です。

 過日の『情熱大陸』で上田大作という動物写真家が紹介されましたが、カメラはソニーでレンズは200-600mmでした。動物撮影となるとこれぐらいは必要です。キャノンでは単焦点でないと600mmはないようですし100万以上もします。EF100ー400mmでのフルサイズでは物足りなくなります。ミラーレス用だとRF100-500mmがあります。いずれも、20後半から30万越えのレンズとなります。このRFレンズとR5の組み合わせだと、いざというときにはR5のクロップ機能で1.6倍で800mm相当が利用できるということにもなりそうです。ソニーも同様でしょうか。

 さて、上田氏にもどると、面白いのはキャンピングカーでの生活と言うことです。車内での煮炊き、就寝と、撮影現場付近に停めて連泊するのでしょう。番組でも待っいた被写体に会えずにも夕方になり、「こんなこともあります」というようなことがあったので、翌日もまた同じ箇所で待つということでは、現場に宿泊することが不可欠なのかもしれません。

美瑛ブルー

 あまり寒くもないのにブルーの影が現れていました。こうしてみると、やはり晴天の方がいい色を見ることができます。この後、夕陽に染まっていけば、冬の最高の色彩の変化を見ることができるのにと残念がっています。

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 冬のホワイトバランスは、ケルビン値(色温度)でやっています。既定の「太陽」や「曇り」ではなかなか「雪の白」が写せないからです。ところが日の出や日没前でもかなり色温度が変化しますので、シャッターチャンス前には試し撮りしてある程度合わせています。
 ケルビン値については、以前に記載してあります。人間の肉眼のホワイトバランスはカメラよりも優れているので、それを細かく補うのがケルビン値です。スマホ・アプリでケルビン値を計測するものもあるので、どれくらいの数値かはそれらを使うと肉眼に近いホワイトバランスにすることができます。

 RAWで撮影すれば気にしないで「オート」でもいいですが、撮影時の記録として大事だと思います。現像では、雪の色も白に拘ったり、寒さを強調するのに「青」にすることがありますが、その他に写っているものも青味がかると不自然になりますので気を付けたいところです。 

フレーミング

 フレーミングと題しました。下の写真をご覧ください。丘にある木と影の写真ですが……。
何か妙ではないでしょうか?  

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 薄曇りの中で探した光景の1つです。太陽も高度が上がってくると影が短くなりますが、そこは丘や山の多い地域ですので、丘や小山の影にいくと長い影が撮れるというのがいいところでもあります。

 さて、人間はどうしても視線がいくのは明るい方です。すると、キツネの足跡があって、5本のピンボケのような木があります。そして、写真下の暗い部分には3本の木があります。あれっと思ってくれるでしょうか。実は明るい背景の方は「木の影」で、暗い部分にあるのが「実像の木」です。しかし、それもよく見ると本数が合いません、というのが今回の写真です。

 実像と影の数が合わないように、2本の木をフレームから外して撮影しました。ちょっとしたフレーム加減の妙という遊びですが、それを強調するためにも上下逆にしたという訳です。

 劇的なゴールデンアワーが終われば、極寒であれば樹氷撮影と、青い影探しというのがお定まりコースです。しかし、そうではない場合で時間があれば、それこそ上富良野や富良野へも行って撮影フィールドを広げるようにしています。幾度か通っているのに、このような見方、フレーミングのアイディも初めてです。景色も同じものがないと言われますが、撮影者も変わってきていることの証でしょうか。

降雪 って難しい

 降雪が続く日々。予期せぬ合間に青空と光が雪原を通り抜けることもある。これが2月かもしれない。降雪が続くと、どう、どこで雪を撮るのか考える。
 風を待つ場合もある。そして、雪の粒の大きさもある。あまり小さいと絵にならない。大きさが必要なのである。


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風がまだなく垂直に降るので、粒として捉えた降雪。

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 風が出てきたので、線としての降雪。

 2枚は別な斜面の林で、移動しながら風を待った感じです。線として見せるには、シャッター速度を遅くするのがコツ。絞り優先モードが普通の風景ながらも、シャッター速度優先モードで。絞りが32までいってもハイキーで雪が見えなくなる。降雪のラインが見えない時はNDフィルターの登場。これはもうカメラ設定の試行錯誤しながらの撮影。そのうち、冷やしておかなかったカメラは濡れて来るので、早々に車内にもどる。
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