山内丸山遺跡でも土偶が出土されています。平面的で十字の形のものが多く「板状土偶」とよばれています。

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 山内丸山遺跡の近くの亀ヶ岡遺跡からは、有名な遮光器土偶が発見されています。これは東北地方特有ですが、これを模したものは北海道から近畿地方まであるそうです。宇宙人説もあるようですが、イヌイットやエスキモーの人たちが冬期間に狩りをするために使った遮光器の形に似ていることから名付けられています。
遮光器土偶-2

 土偶というのは、縄文早期から出土されていて、人の形をした土製の焼き物で、多くの土偶は東日本に圧倒的に出土されるとのことです。実際の人型や霊的な存在のようなものを含めて土偶といって、動物や物は含まれません。こうした土偶は、世界的には農耕社会でのシンボルとされていて、日本の狩猟採集である縄文時代にあることが稀だそうです。世界的には女性を表したものが多く、農作物の豊穣を祈る地母神崇拝のための人形とされています。

 さて日本の土偶に戻りますが、女性の生殖器をデフォルメしているものが多かったり、半数以上が壊れていたり、故意に割られているものがあるようです。地母神崇拝というものがあったかは不明ですが、下記の諸説があります。

・神や霊魂をこの世に呼び出したときの依り代として土偶を用意して、祭祀を行い、祭祀を終えるために土偶を破壊した。

・脚部の破損が多いことから、祭祀の際に破壊して、災難や禍を祓う。

・特に女性の生殖器をデフォルメしていることから、安産、多産を祈る。

・ばらばらに破壊し大地にばらまかれたものは作物の豊穣を祈った。

・生命の再生、女神像、精霊の像、お守りなどとして作った。