さて、この火山噴火がどのような結果をもたらしたかというと、九州に1000年間も無人や不毛の時代を作ったとされています。


 といのも比較的近年、アカホヤ火山灰の地層の下から縄文時代の大集落が発見されて、縄文文化再評価のひとつとなりました。
 その集落は、舟作の工具(世界最古)や燻製施設と大量の炉、独自の貝殼紋の土器などをともなっていました。この高度な海洋民族を思わせる縄文人を全滅させたことがわかるからです。

 火山礫は火山近くで見られますが、遠方では火山灰でも細粒と粗粒のものが風に乗って撒き散らされます。中国からのpm2.5が肺に入るということで話題ですが、火山灰はそれ以下の0.001μmまでの大きさもあるガラス片や鉱石結晶辺です。大きいものは地上に落ちますが、小さいものは長らく空気中を漂って落ちます。おそらく、ヒエ、アワ、野草、木で実をならすものにも被害が出たでしょう。そして、それらを食する小動物、そして縄文人へも影響を与えたのではないかと思います。2cmの火山灰でも呼吸器に障害が出ると言われています。これが全国的となると相当の被害だったと想像できます。影響を受けなかった東北での縄文が独自の発展を遂げる?ということにも影響を与えたかもしれません。

500px-Kikai_K-Ah_tephra_7,3ka.svg


 もし、現代で鬼界カルデラが大噴火を起こしたら?

 最新のシミュレーションでは、32億立方キロメートルの噴火物が出るという。九州地方でとんでもない被害を受けるのはもちろん、関東地方に住んでいたからって安全とは言えません。恐らく火山灰の影響がでるからです。ジェット機、鉄道、道路などの輸送は難しくなるでしょう。海岸では最大30m、10階建てビルにも相当する津波に襲われます。東日本大震災並みの津波となるでしょう。

 事前にでも分かれば九州地方や沖縄の人たちは避難区域になり、住んでいる人たち1500万人は本州への移動を余儀なくされるかもしれません。それに山陰や四国の400万人だって安全とは言えないでしょう。非難は間に合うのでしょうか。しかし、それだけの人口をどう移動させ、移動先での衣食住をどうやって確保できるのほぼ不可能となりますほぼ不可能となります。この噴火の影響により、西日本の人たちの生活基盤が徹底的に破壊され、全ての産業が被害を受けてしまうだろうと思われます。