
縄文時代の日本の地形や気候、人口、さらに、核DNAからの祖先を見てきました。
文化庁で指定されている遺跡数からみると、縄文時代以前の旧石器時代は7565箇所、縄文遺跡で90531箇所、弥生遺跡34825箇所、古墳遺跡42232箇所となっていて、人口が少ない割りには縄文時代が圧倒的に多いことになります。
さて、縄文時代で最大26万人もの人が住んでいたとされます。また、人口密度での資料があります。10km×10km四方での人口密度を計算したものです。やはり、東日本が優位となっています。


さて、今回は自然災害が多い日本ということで、1万年以上も続く縄文時代にも地震や台風、はたまた、火山噴火での災害があったと思われます。地質学的に分かっているものでは火山噴火です。1万5千年前には十和田カルデラ噴火、7600年前には摩周カルデラ噴火、5300年前には鬼界カルデラ噴火がありました。カルデラとは円形や多角形の陥没のことで、火山が大規模な噴火を起こすときに凹型にしてしまいます。十和田カルデラは直径8.6km、摩周カルデラは長径が6.5kmです。今は湖になっています。

さて、鬼界カルデラですが、九州南の50km海中にあります。九州と言えば阿蘇カルデラが世界規模の大きさをもち、東西18km、南北25kmというものです。ちなみに最後の噴火は9万年前です。しかし、この鬼界カルデラ噴火も規模的には阿蘇カルデラ並みで、東西21km、南北18kmで、海底には多数の海底火山があり、カルデラの外輪山として竹島、硫黄島が海面上にあります。
火砕流は時速100km/時にもなり、海を超えて九州南の半島まで達しました。また、噴煙は高さ3万メートルに達しました。さらに、津波は最大30mで、和歌山県海岸で4mに達したり、噴火で吹き出した火山灰(鬼界アカホヤ火山灰)が九州では5、60センチで、東北にまで達しているという空前の火山噴火となります。1991年に火砕流で43人の死者を出した雲仙普賢岳の千倍規模とされています。