1年を過ぎましたが、俗名の「野球肩」になってリハビリを続けています。肩の可動域が極めてせなくなり、肘を曲げると背中や後頭部にも届かず、当初は激痛が走りました。今は可動域も戻ってはきていますが、寝返りの際には痛みを感じることがあります。特に記憶するような原因もなく、ああ、老齢化か、と気長に完治をまっています‥‥

 コロナ禍もワクチン接種率との争いのような感じです。東京では若い人の感染が高いようで、高齢者が少ないようです。ウイルスも、以前は高齢者で、今回は若者をねらうような感じで、実にかしこいものと思いました。

 PCR検査で分かること

 NIH(アメリカ国立衛生研究所)にてウイルス学、ワクチン学の研究に携わったこともある医師の記事からの要約です。


PCR検査でわかるのは、ウイルスが「いる」か「いないか」だけ

 PCR検査での陽性とは、ウイルス遺伝子(新型コロナウイルスRNA)の断片が検出されたことで、「ウイルスが今いる」、あるいは、「少し前にいた痕跡がある」ということになります。

1=「ウイルスが生きているか」「死んでいるか」もわからない。                         

 ウイルスは「生物」ではないという考え方もあり、正式には「活性がある」との意味ですが、PCR検査では、ウイルスが生きていなくても、ウイルス遺伝子の一部が残っていれば陽性になる。

2=「ウイルスが細胞に感染しているかどうか」もわからない。

 PCR検査では、細胞に感染する前のただ体内に「いる」段階でも陽性、感染し細胞に侵入したあとのいずれの場合でも陽性になる。

3=「感染した人が発症しているかどうか」もわからない。

 PCR検査では、発症していてもしていなくても、ウイルス遺伝子の一部が残っていれば、ウイルスはいることになるので検査は陽性になります。

4=「陽性者が他人に感染させるかどうか」もわからない。

 たとえば、体内のウイルスが死んでおり、断片だけが残っている場合は他人に移すことはない。また、ウイルスが生きていても、その数が少なければ人にうつすことはできない。
 通常ウイルスが感染するためには、数百~数万以上のウイルス量が必要になる。しかし、PCR法は遺伝子を数百万~数億倍に増幅して調べる検査法なので、極端な話、体内に1個~数個のウイルスしかいない場合でも陽性になる場合がある。

5=ウイルスが「今、いるのか」「少し前にいた」のかも、わからない。

 一度感染すると、ウイルスの断片は鼻咽頭からは1~2週間、便からは1~2か月も検出されることがある。これらはあくまで遺伝子の断片です。


感染とは「生きたウイルス」が細胞内に入ることで、発症とは別

 いっぽうで、「ウイルスに感染している」とは、どのような状態かというと、感染しているとは、通常(生きた)ウイルスが細胞内に入ることを意味します。

 新型コロナウイルスは多くの場合、気道から感染。気道に生きたウイルスがいても、粘膜や粘液、さらにはウイルスを排出する気道細胞のブラシのような異物を排除する作用などが強ければ、排除され感染に至らない。

 これらは重要な自然免疫の作用の一つ。補足すると、自然免疫にはさらに白血球などの細胞が関係する免疫もあります。

 また、生きたウイルスが細胞内に入り、「感染」したとしても、その後に症状が出るかどうかはわかりません。細胞内に侵入しても、細胞の自浄作用などでウイルスの増殖を阻止する場合があります。また、感染細胞が少ない場合も症状としては出ません。これらの場合は発症しないことになる

 一般には、感染したが症状が出ない場合を「不顕性感染」、感染して症状が出る場合を「顕性感染」という。

 不顕性感染という言葉はよく使われますが、新型コロナウイルスでは、「ウイルスが気道にいるが感染する前の状態」と「感染してからも症状が出ない状態」の両方を不顕性感染とひとくくりにして使われていると思われる。理由は、これらの違いを区別できないから。

 不顕性感染では、通常症状が出ないまま(主に自然免疫系の働きで)治っていると考えられる。通常の感染症の場合、症状が出ない場合は感染しているかどうかわからないので、病院の受診も検査も薬の服用もしないことになる。

「発症」とは、症状を認める状態

 それに対して、顕性感染は感染し症状を認める状態なので、通常の感染症の場合、感染とはこの状態を指すことになる。この状態で病院を受診し検査を受けてはじめて「感染している」といわれる。では、新型コロナウイルス感染症の「発症」とはどのような状態でしょうか。

 新型コロナウイルス感染症が発症するとは、「病気として症状を認めること」をいう。当然ですが発症している人が、感染した患者となる。

 ウイルスに体内の細胞内に侵入(=感染)されてしまうと、隠れてしまったような状態となり、通常、免疫系はウイルスを見つけることができずにウイルスを排除できません。この感染してから症状を認めるまでの期間を潜伏期というが、この間は症状が出ない。

 症状が出るのは、ウイルスが細胞内で増殖し、感染した細胞を破壊するか血液などを介して全身に広がることにより生じる。


「検査陽性者」を「感染者」とすることが問題になる理由

 さて、ここからが、「検査の陽性者」を「感染者」とすることが、なぜ問題になるのかの説明ですが、まずは、一般的な風邪のケースをあげてみます。

 風邪とは、もちろん風邪の原因となるウイルスの感染により起こる病気です。寒い冬に、素っ裸で布団もかぶらずに寝てしまったら、よほど強靭な人でなければ、間違いなく風邪をひきます。では、冬に裸で寝たときだけ「偶然に」「運悪く」風邪のウイルスをもらっているのでしょうか? 

 そうではなく、風邪のウイルスには、裸で寝ようが普通に寝ようが、私たちは普段から常に接触しているのです。つまり、常にウイルスは気道上(のどや鼻)に「いる」のです。

 しかし、正常な免疫力がある場合には、風邪のウイルスに感染せずに発症もしません。風邪にかかったのは、冷えなどで免疫力が低下したことによるのです。つまり、通常の免疫力がある場合は気道にウイルスがいても全く発症しないのです。

 もし、ウイルスが「いる」状態(PCR検査陽性)を感染=病気としたら、風邪の場合は国民のほぼ全員が感染している、つまり風邪をひいているということになります。

 つまり「検査陽性=ウイルスの遺伝子の破片がある」ことだけでは「感染といってはいけない」のです。現在の日本では、「検査陽性数」=「感染者数」であり、ときには、「感染者数=発症数=患者数」としてひとくくりにされている場合が見られます。


 こうして読むと、大きな誤解をさせているマスコミなどが、インフォデミックの発信源だとわかります。しかし、問題はこれだけではないです。政治家も厚労省も医師会、TV出演医師もそれを黙認していることです。どちらにも何らかの目論見や忖度、目的があるはずなのです。
 こうなると、すごい力を持ったマスコミだと感じます。暴走している報道を誰も止める、注意喚起、牽制する者がいないということです。報道の自由とはいいながら、報道しない自由も大幅に使いながら、取捨選択し、同じようなことを繰り返し繰り返し流しています。

 こうした中で問題を提起するのは、市中の医師です。マスコミから外された学者です。そして、独自の取材をして大手マスコミに忖度しない一部の地方紙です。