追憶 哲学の木ss

 在りし日の「哲学の木」 2014.6.3   夕陽と綿毛と‥

   かなりショックをうけました。「哲学の木」が伐採されてこの世からなくなりました。美瑛でも有名な木だけに、NHKのNewsWEBや、地元の北海道新聞や朝日新聞のWeb版でも紹介されました。また、地元のプロ写真家のブログやその他のブログにも記載されています。ありがとう、残念というファンもいるようです。
  さらに、これを機に「マナー違反撲滅」へとアクションを強めようとする方もおられるようです。マナー違反は深刻な問題となっています。「哲学の木の伐採」を機にひょっとして他の木も伐採されていくような悪夢が起こらないとも限らないという危機感です。マナー違反とは書きましたが、実際は軽犯罪法違反にも該当するとのことです(後述)。
 これは何も内外の観光客だけではなく、プロやアマのカマラマンも含まれていることや、我関せず?の観光バス会社(運転手や添乗員)も関係しているらしいとのことです。

 この件で、昔、読んだ本を思い出しました。「大きな木(原作名 The Giving Tree)」という童話なんですが。確か‥、リンゴの木と人間の物語で、幼少期から仲良しで、その子が大きくなり自立するにつれて、お金や家がほしいとねだると、その木が、リンゴを持って行って売りなさいとか、枝を持って行って家を建てなさい、幹を切って船にしなさいと与えて、切り株だけになるんです。そして、年老いて帰ってきたその子に、切り株に座りなさいというような物語です。哲学の木が与えてくれたものは、何だったのかと思いました。また、こうして思いを巡らせていると、写真をやり始める前は、木への愛着なんて思ってもみなかったことで、特に撮影禁止になっても横目で見ながら、いつか撮影できるかなと期待をもっていただけに、一層愛着が蘇ったような気もしてなりません。
 喪失感とともに、自分にとっての美瑛の丘=被写体とは何なのかと改めて考える契機となることでしょう。また、こうしたことがあると、写真としての意義の1つである「記録」という観点からも、美瑛の丘の移り変わりの一時期を残すことにも意味があるのかもしれないということも‥。

 愛着‥。 自分を信じてくれる、認めてくれる、見守ってくれる、わかってくれる、安らぎを与えてくれる、安心していられる‥ような「存在」との情感。それは人でも、物でも、または、事象でもいいのではないでしょうか。

 ※ 軽犯罪法には、その1条32項で、住居を取り囲んでいない土地、たとえば田畑や駐車場や空き地(空き地だが私有地)に侵入した場合は、法違反になるとあります。軽犯罪法違反の刑罰は、「拘留又は科料」です。「拘留」という刑罰は、刑法16条に規定されていて、「拘留は、1日以上30日未満とし、刑事施設に拘置する。」となっています。30日未満ですから、最長で29日間となります。「科料」というのは、刑法17条に規定されていて、「科料は、千円以上一万円未満とする。」となっています。理屈上は最大額は9999円。
 軽犯罪法違反では、住居不定だったり出頭に応じないなどの事情がない限り、基本的に逮捕などの身柄拘束をされることはないが、出頭拒否を続けていると、逮捕状を用意して強制連行となる可能性があり、その後は身柄を拘束されての調書作成、その後送検と同時に釈放となり、後日検察庁から呼び出されて、略式起訴となり軽犯罪法違反による科料を納付すれば全て終わりといった経過を取るらしいです。ただ軽犯法とはいえ身柄を拘束されることで、職業によっては解雇等のダメージを負うことも多いので、その意味で注意が必要とのこと。本当に弁護士に依頼する気が無いのであれば、早めに出頭することで、たかだか軽犯法違反と言うこともあり、悪くても調書~書類送検~略式起訴で済み、身柄の拘束の可能性はほとんど無いとのこと。
  さらに、「拘留・科料しかない犯罪」では、特別の規定がない限り、幇助犯・教唆犯(従犯)は処罰されない(刑法64条)。しかし、この軽犯罪法は、これらの従犯を「正犯に準ずる」(第3条)と定めるので、従犯も処罰の対象になるとのことです。 ‥外国人となるとむずかしいような感じです。
 張り紙・立て看、注意喚起、実際の注意‥。なかなか聞き入れない・逆ギレ・罵倒‥。農作業の中断・妨害・病原体侵入の不安‥。観光業・商店はもうかっても、農家さんには実害と我慢しかないのでしょうか。