美瑛のフレーミング考

 フレーミングや構図を考える場合、被写体によって,考え方が異なるように思います。
 特に、風景写真、私のような美瑛の田園や自然風景の場合は、「主役、脇役、背景」という考え方では収まらない感じがします。
 その1つに、一般的な写真構図での「背景そのものが主役」になることもあるからです。撮影の中では、珍しい自然現象(虹、白虹、日輪、印象的な朝焼けや夕焼け…など)がそれにあたります。しかし、これも被写体としてはありきたりになることもあって、それがどんな場所で起きたのか、つまり、脇役としての地形、森や木などが重要になります。しかし、これも、虹などを大幅にカットして特徴的な地形をクローズアップすれば、虹が脇役となります。要は、主役を何にするか?でしょうか。 
 2つ目は、「前にある背景」という考えです。私の好きな光景に朝霧と朝陽の光景があります。これは色づいた霧が覆いかぶさったり、全面を覆うこともありますので、画像全体の基調となり、景色の前にある背景となる考えています。冬の雪の景色もそうでしょうか。そうなると、丘の曲線の重なりや森などの配置を考えてフレーミングしていきます。ときには大雪山連峰と朝陽もいれますので、手前の丘や朝陽が脇役、空が背景となるようなこともあるのでしょうか。
 この点はすこし欲張りで、「写真はマイナス(減点:余分なものをそぎ落とす)」というセオリーからははずれるのでしょうね。美瑛の美馬牛小学校の三角屋根を入れる場合は、明らかに脇役的な位置づけになりますが、主役は丘や森、林の重なりでしょうか。
 さて、上記のような風景写真ですが、「主役、脇役、背景」という構図の考え方以外に、「前景、中景、遠景」という観点もあるかと思います。また、前田真三氏の写真を分析された某氏は、「近景、中・遠景、背景」というのを提示しています。いずれにしても、遠近感、スケール感を感じてもらうには不可欠です。花撮影主体から風景に写ったのも、この感じが何とも言えないということもあります。最近では、横構図の切り取りも、現像時に16:9のアスペクト比にすることも多くなりました。これも、スケール感ですね。
 美瑛の丘を撮影する際は、丘の横のライン、そのラインの重なり、そして、点在する樹木などが多く見かけられるので、縦の三分割(四分割)が基本的なものでしょうか。