戦争での死者数から戦中・戦後の性暴力へと触れてきた前回です。
以前に疫病と死者数をみてきましたので、戦争の死者数がそれよりも少ないのが何よりです。しかし、戦争での死者はわずか60年間という短い期間ですが、数億をこえる疫病は、約600年間となります。
しかし、世界での実態は、まだ深刻なものを提示しています。意外と知られていない死者の数です(自然死や病死ではありません)。1917年からの者です。
死者数を上げてみると
ソ連/2000万人
中国共産党/6500万人
ベトナム/100万人
北朝鮮/200万人
カンボジア/200万人
東欧/100万人
ラテンアメリカ/15万人
アフリカ/170万人
アフガニスタン/150万人
と、総計約9435万人となります。これは、1997年、フランスの国立科学研究センターの主任研究員ステファヌ・クルトワと、フランス現代史研究所の研究員二コラ・ヴェルトは『共産主義黒書』を出版した中で書かれている、「共産主義」体制によってどれほどの犠牲者が出たのか、概算を示したものです。
欧州では、第二次世界大戦でのナチス・ドイツにより、悲惨な戦争とユダヤ人虐殺(ホロコースト)という近代史まれにみる惨状に覆われました。この記憶は、ナチスの「全体主義」を危険なものとする共通的な認識として共有されています。そして、ソ連の解体後、「鉄のカーテン」で封印されていた共産主義・社会主義国家としての実態が明らかになるにしたがって、その危険性への解明をしたのが本著といえるかもしれません。
共産主義における権力関係や組織関係に、暴力を背景とした「粛正」や「テロ」。「非人道的な行為」が必然的な仕組みとして備わっていること(少し過剰か)などが分析されています。従って、共産主義でありながら、民衆や労働者への故福や利益の分配という理想も行われず、権力の集中と富の集中が暴力的に行われ、民衆や労働者への弾圧が平然とおこなわれたことへの警鐘をならしてもいるようです。
冷戦時は徹底した情報の隠蔽もありました。世界大恐慌にあえぐ欧米をよそ目に、ソ連の宣伝は豊かさを装っていました。そのために、「共産主義賛美、共産主義浸透」が行われ、各国で秘密裏に共産党組織が結成され、ソ連の資金援助も受け信奉者を増やしていきました。ねらいは世界同時革命という夢でした。これによって、各地で紛争、内戦が起こって共産主義国が誕生していくことになります。しかし、それらの実情は、政治的な反対勢力や民衆への徹底した抑圧=無裁判による投獄や強制労働・処刑、意図的飢餓と失政による飢餓が蔓延していたと言います。そして、その概数が約9435万人という数になっているというわけです。
『共産主義黒書』と欧州の共通認識
こうした悲劇を繰り返さないために、欧米諸国には、「共産主義」体制による犠牲者を追悼し、共産党支配の残虐さを語り継ぐ資料館が数多く作られています(下の写真は、ソ連及び共産党の恐怖政治の実態を示す資料館「恐怖の館(House of Terror)」で、ハンガリーの首都ブタペストに建てられています。
ナチス・ドイツの全体主義や共産主義に対する、欧州のこうした共通認識については、日本では充分に理解されていないようです。
従って、今回のロシアのウクライナ軍事侵攻についても、ポーランドの厚い援助についても、旧ソ連の中核であったロシアへの深い疑惑と恐怖感(プーチン大統領がKGBであり、その組織をロシアにおいても温存し、プーチンが権力を掌握したことで、クリミア併合を行い、ウクライナ併合をもくろむということは時間の問題であった)を理解しておかなければならないことです。
しかし、日本では、こうした「事実」が教科書にさえまともに記されず、報道もほとんどされないため、未だに「共産主義に共感を持つ知識人が多い」のが事実です。そもそも朝日新聞を始めとするマスコミは、これら「共産主義」国家を礼賛する記事(「労働者の天国」として北朝鮮や中国を礼賛、特に北朝鮮には移民を奨励)を多数に書いてきましたが、そうした「黒い歴史」を反省しているとはとても思えません。「共産主義という人類の悲劇の歴史=労働者の地獄」に学ぼうとしないのが、日本の傾向といえます。
今回のウクライナということでも、歴史的には、ソ連・スターリンによる人為的な大飢餓によって約400万人が死んだという大きな背景が隠されています。当時、ロシア支配下にあるウクライナは有名な小麦産地で、小麦の輸出で外貨を稼ぐために、ウクライナや国内の消費に使う分までも強制的に収奪して輸出に回していたために起こした大飢餓、食糧支援もしなかった大飢餓ということになります。これは、ホロドモール(飢餓の疫病のウクライナ語)と呼ばれています。2019年に『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』という映画がありました。これは実在した記者が、ホロドモールを世界に知らしたという実話をもとにした映画です。ぜひ、見てください。
最後に。ソ連の実質的な後継国である隣国ですが、チベットや内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米各国から強い批判を浴びています。また、少数民族の思想犯や政治犯の臓器移植も衝撃的な問題です。
さらに、「宗教はアヘン」として「宗教の中国化」ということで、各宗教が弾圧対象・洗脳対象となっています。特に単なる健康促進組織である気功団体の「法輪功」は最初に臓器移植という問題があることを提起しました。香港の民主活動家の洗脳で、まるで廃人のようになった動画もみました。隣国は、宗教やその他の集まり、あるいはリーダーなどを非常に警戒していることになります。
しかし、こうしたことは今に始まったことではありません。隣国ではなかったこととして、情報の全てが抹殺された1989年の『天安門事件』(戦車も動員しての市民殺害)というのがあります。民主化を求め天安門に集まった10万人に発砲した事件で、隣国発表では200人の死亡でしたが、英国で公開された外交文書であきらかになったのは1万人という数値でした。この数値は同時の英国大使が報告したもので、「学生たちは広場退去まで1時間の猶予を与えられていたつもりでいた。しかし、5分後に装甲車が攻撃を開始した」「学生たちは腕を組んで対抗しようとしたが、兵士たちを含めてひき殺されてしまった。そして装甲車は何度も何度も遺体をひき、『パイ』を作り、ブルドーザーが遺体を集めていった。遺体は焼却され、ホースで排水溝に流された」「負傷した女子学生4人が命乞いをしたが、銃剣で刺されてしまった」とも書かれていた。この事件では多くの活動家や民主的な学者は香港や台湾、そして、海外に逃げ、死者への追悼を行っているといいます。
日本では隣国のことをどう扱っているのでしょうか。マスコミではほとんどありません。作為的隠蔽です。某国営的放送局では「シルクロード」を1980年代に流していましたが、これは「大躍進期」と「文化大革命」での数千万人の死者を封印し、なかったかのように美化され、「改革開放」政策を推し進める隣国プロバガンダの1つでもあるように思います。当時の朝日新聞社説などでは、文化大革命を賞賛していますし、他の新聞社の特派員の強制国外退去があっても朝日だけは免れました。「隣国ベッタリ」は続きますし、安保反対の論陣をはり、日本の防衛問題、歴史教科書問題、靖国参拝問題など、隣国の主張にそった論調で日本政府を非難し続けました。隣国のプロバガンダの手先となって日本のマスコミを独占しようとしたのではないかと思うのです。しかも、隣国がそれらの失敗から方針を変え、改革開放路線になった際も追従し続けます。また、あの虚構「南京大虐殺」を1990年までの30年間も広めたのもこの新聞社です。報道しないという「報道の自由」もあるようですが、虚構を大々的に広める
行為は決して許されるものではないと考えます。
少しでも旧ソ連や隣国の裏の顔を知れば、けっしてそのような政府には支配されたくはないと考えるでしょう。
日本がもし「日本省」にでもなれば、まずは少数民族にされるでしょう(大量飢餓? 本国での再教育とされる強制労働? 思想犯での投獄? そして、死です)。天皇家が残されても、隣国女性と結婚させられ、隣国人の遺伝子の混じった天皇家となるでしょう。全ての企業が国有化で、反抗する経営者は投獄。すると、日本共産党は、今までの批判から180度手のひらを返して、隣国政府にすり寄って、企業の経営者?にでもなるでしょう。そして、ソ連のように、一度裏切った者は、反思想、汚職、賄賂などで投獄あるいは処刑となるでしょう。独自のDNAを持つ日本人男性がいなくなり、すべて隣国との混血となり、日本人が駆逐。日本民族が滅びるという未来になるかもしれません。そうして、ハリウッド映画のように、日本人役が隣国人や2世がやっていたように、日本省では、隣国語で清水寺をガイドされたり、隣国語を話す芸者がいたり、時には片言の日本語が紹介されたりということになるでしょう。亡命者が多くいれば、各国に散らばり、日本という国の再建を願う人々がいれば、幸いでしょうか。そうして、いずれ共産主義が打倒されるときに、再び独立して、かっての日本語に溢れる国になるのでしょうか。沖縄はもちろん九州はないかもしれませんし、北海道もです。ロシアと隣国が長く手を組んでいれば、北海道はロシアやその後継国のものとなっているでしょう。かってのヘブライ人、ユダヤ人のように、長く辛い生活と人生を重ねて、日系アメリカ人、日系ドイツ人、日系フランス人となっても、日本の再建国を望む人々がいるのでしょうか。それだけの気概をもつ、夢をもつような日系人となる資質が、今の私の国にあるのでしょうか。悪夢です。避けたいです。しかし、そのようなことはすでに歴史が語っているのです。ありえないことではないのです。
もしかして、隣国はこのようなことまでも考え、軍事侵攻だけではない占領と支配の戦略をたてていることでしょう。こんな日本の悪夢を隣国の軍人や学者が考えて論文にでもすれば、昇進や上の地位への足がかりになるに間違いないと、考えそうな気がします。
歴史的に国を奪われ世界を放浪した人々がいます。それがヘブライ人やユダヤ人です。差別や迫害を乗り越えさせたものは、彼らの強い宗教でした。それが結束の根源でした。各国で富や地位を築き政府をも動かせるような子孫たちが政府を動かし、ようやく第二次世界大戦後に『イスラエル』を再建しました。紀元前の放浪から2000年近い年月がたった後になります(これがまた戦争の火種と)。
上記の占領や支配の後、それを逃れた日本人は、彼らのように国の再建ができるような可能性はあるでしょうか。極めて難しく、絶望的でもあります。宗教的な強い基盤がありません。強い思想もないように思います。周囲に同調しながら、静かにつつましく同化されていくのでしょうか。まさに「日本人としてのアイデンティティー」なるものが、形成しにくいような教育内容であり、マスコミであり、知識人であり、政治家であるような感じがしてならないからです。
日本沈没ならぬ、日本消滅の危機がひょっとして、今年から十数年以内に始まるのかもしれません。そういえば、逃げてしまえという日本人もいましたので、私共より資格もあり、金もあり、口も達者で、すぐに海外逃亡や亡命でもしそうですから、そんな方に再建国の望みをけかてみましょうか。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻とその経緯、結果は、まさに「日本人としてのアイデンティティー」は何なのか? と問われていることであると強く感じました。
以前に疫病と死者数をみてきましたので、戦争の死者数がそれよりも少ないのが何よりです。しかし、戦争での死者はわずか60年間という短い期間ですが、数億をこえる疫病は、約600年間となります。
しかし、世界での実態は、まだ深刻なものを提示しています。意外と知られていない死者の数です(自然死や病死ではありません)。1917年からの者です。
死者数を上げてみると
ソ連/2000万人
中国共産党/6500万人
ベトナム/100万人
北朝鮮/200万人
カンボジア/200万人
東欧/100万人
ラテンアメリカ/15万人
アフリカ/170万人
アフガニスタン/150万人
と、総計約9435万人となります。これは、1997年、フランスの国立科学研究センターの主任研究員ステファヌ・クルトワと、フランス現代史研究所の研究員二コラ・ヴェルトは『共産主義黒書』を出版した中で書かれている、「共産主義」体制によってどれほどの犠牲者が出たのか、概算を示したものです。
欧州では、第二次世界大戦でのナチス・ドイツにより、悲惨な戦争とユダヤ人虐殺(ホロコースト)という近代史まれにみる惨状に覆われました。この記憶は、ナチスの「全体主義」を危険なものとする共通的な認識として共有されています。そして、ソ連の解体後、「鉄のカーテン」で封印されていた共産主義・社会主義国家としての実態が明らかになるにしたがって、その危険性への解明をしたのが本著といえるかもしれません。
共産主義における権力関係や組織関係に、暴力を背景とした「粛正」や「テロ」。「非人道的な行為」が必然的な仕組みとして備わっていること(少し過剰か)などが分析されています。従って、共産主義でありながら、民衆や労働者への故福や利益の分配という理想も行われず、権力の集中と富の集中が暴力的に行われ、民衆や労働者への弾圧が平然とおこなわれたことへの警鐘をならしてもいるようです。
冷戦時は徹底した情報の隠蔽もありました。世界大恐慌にあえぐ欧米をよそ目に、ソ連の宣伝は豊かさを装っていました。そのために、「共産主義賛美、共産主義浸透」が行われ、各国で秘密裏に共産党組織が結成され、ソ連の資金援助も受け信奉者を増やしていきました。ねらいは世界同時革命という夢でした。これによって、各地で紛争、内戦が起こって共産主義国が誕生していくことになります。しかし、それらの実情は、政治的な反対勢力や民衆への徹底した抑圧=無裁判による投獄や強制労働・処刑、意図的飢餓と失政による飢餓が蔓延していたと言います。そして、その概数が約9435万人という数になっているというわけです。
『共産主義黒書』と欧州の共通認識
こうした悲劇を繰り返さないために、欧米諸国には、「共産主義」体制による犠牲者を追悼し、共産党支配の残虐さを語り継ぐ資料館が数多く作られています(下の写真は、ソ連及び共産党の恐怖政治の実態を示す資料館「恐怖の館(House of Terror)」で、ハンガリーの首都ブタペストに建てられています。
ナチス・ドイツの全体主義や共産主義に対する、欧州のこうした共通認識については、日本では充分に理解されていないようです。
従って、今回のロシアのウクライナ軍事侵攻についても、ポーランドの厚い援助についても、旧ソ連の中核であったロシアへの深い疑惑と恐怖感(プーチン大統領がKGBであり、その組織をロシアにおいても温存し、プーチンが権力を掌握したことで、クリミア併合を行い、ウクライナ併合をもくろむということは時間の問題であった)を理解しておかなければならないことです。
しかし、日本では、こうした「事実」が教科書にさえまともに記されず、報道もほとんどされないため、未だに「共産主義に共感を持つ知識人が多い」のが事実です。そもそも朝日新聞を始めとするマスコミは、これら「共産主義」国家を礼賛する記事(「労働者の天国」として北朝鮮や中国を礼賛、特に北朝鮮には移民を奨励)を多数に書いてきましたが、そうした「黒い歴史」を反省しているとはとても思えません。「共産主義という人類の悲劇の歴史=労働者の地獄」に学ぼうとしないのが、日本の傾向といえます。
今回のウクライナということでも、歴史的には、ソ連・スターリンによる人為的な大飢餓によって約400万人が死んだという大きな背景が隠されています。当時、ロシア支配下にあるウクライナは有名な小麦産地で、小麦の輸出で外貨を稼ぐために、ウクライナや国内の消費に使う分までも強制的に収奪して輸出に回していたために起こした大飢餓、食糧支援もしなかった大飢餓ということになります。これは、ホロドモール(飢餓の疫病のウクライナ語)と呼ばれています。2019年に『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』という映画がありました。これは実在した記者が、ホロドモールを世界に知らしたという実話をもとにした映画です。ぜひ、見てください。
最後に。ソ連の実質的な後継国である隣国ですが、チベットや内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米各国から強い批判を浴びています。また、少数民族の思想犯や政治犯の臓器移植も衝撃的な問題です。
さらに、「宗教はアヘン」として「宗教の中国化」ということで、各宗教が弾圧対象・洗脳対象となっています。特に単なる健康促進組織である気功団体の「法輪功」は最初に臓器移植という問題があることを提起しました。香港の民主活動家の洗脳で、まるで廃人のようになった動画もみました。隣国は、宗教やその他の集まり、あるいはリーダーなどを非常に警戒していることになります。
しかし、こうしたことは今に始まったことではありません。隣国ではなかったこととして、情報の全てが抹殺された1989年の『天安門事件』(戦車も動員しての市民殺害)というのがあります。民主化を求め天安門に集まった10万人に発砲した事件で、隣国発表では200人の死亡でしたが、英国で公開された外交文書であきらかになったのは1万人という数値でした。この数値は同時の英国大使が報告したもので、「学生たちは広場退去まで1時間の猶予を与えられていたつもりでいた。しかし、5分後に装甲車が攻撃を開始した」「学生たちは腕を組んで対抗しようとしたが、兵士たちを含めてひき殺されてしまった。そして装甲車は何度も何度も遺体をひき、『パイ』を作り、ブルドーザーが遺体を集めていった。遺体は焼却され、ホースで排水溝に流された」「負傷した女子学生4人が命乞いをしたが、銃剣で刺されてしまった」とも書かれていた。この事件では多くの活動家や民主的な学者は香港や台湾、そして、海外に逃げ、死者への追悼を行っているといいます。
上記のほうで6500万人と書きましたが、「共産主義黒書」では、ほぼ信頼できる数値として、
・暴力的に死に至らしめた人 700万~1000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」として収用され、そこで死亡した人 2000万人
・1959~1961年の「大躍進期」という失政で餓死した人 2000万ないし4300万人
をあげています。すさまじさではソ連をはるかに上回るものです。
行為は決して許されるものではないと考えます。
少しでも旧ソ連や隣国の裏の顔を知れば、けっしてそのような政府には支配されたくはないと考えるでしょう。
日本がもし「日本省」にでもなれば、まずは少数民族にされるでしょう(大量飢餓? 本国での再教育とされる強制労働? 思想犯での投獄? そして、死です)。天皇家が残されても、隣国女性と結婚させられ、隣国人の遺伝子の混じった天皇家となるでしょう。全ての企業が国有化で、反抗する経営者は投獄。すると、日本共産党は、今までの批判から180度手のひらを返して、隣国政府にすり寄って、企業の経営者?にでもなるでしょう。そして、ソ連のように、一度裏切った者は、反思想、汚職、賄賂などで投獄あるいは処刑となるでしょう。独自のDNAを持つ日本人男性がいなくなり、すべて隣国との混血となり、日本人が駆逐。日本民族が滅びるという未来になるかもしれません。そうして、ハリウッド映画のように、日本人役が隣国人や2世がやっていたように、日本省では、隣国語で清水寺をガイドされたり、隣国語を話す芸者がいたり、時には片言の日本語が紹介されたりということになるでしょう。亡命者が多くいれば、各国に散らばり、日本という国の再建を願う人々がいれば、幸いでしょうか。そうして、いずれ共産主義が打倒されるときに、再び独立して、かっての日本語に溢れる国になるのでしょうか。沖縄はもちろん九州はないかもしれませんし、北海道もです。ロシアと隣国が長く手を組んでいれば、北海道はロシアやその後継国のものとなっているでしょう。かってのヘブライ人、ユダヤ人のように、長く辛い生活と人生を重ねて、日系アメリカ人、日系ドイツ人、日系フランス人となっても、日本の再建国を望む人々がいるのでしょうか。それだけの気概をもつ、夢をもつような日系人となる資質が、今の私の国にあるのでしょうか。悪夢です。避けたいです。しかし、そのようなことはすでに歴史が語っているのです。ありえないことではないのです。
もしかして、隣国はこのようなことまでも考え、軍事侵攻だけではない占領と支配の戦略をたてていることでしょう。こんな日本の悪夢を隣国の軍人や学者が考えて論文にでもすれば、昇進や上の地位への足がかりになるに間違いないと、考えそうな気がします。
歴史的に国を奪われ世界を放浪した人々がいます。それがヘブライ人やユダヤ人です。差別や迫害を乗り越えさせたものは、彼らの強い宗教でした。それが結束の根源でした。各国で富や地位を築き政府をも動かせるような子孫たちが政府を動かし、ようやく第二次世界大戦後に『イスラエル』を再建しました。紀元前の放浪から2000年近い年月がたった後になります(これがまた戦争の火種と)。
上記の占領や支配の後、それを逃れた日本人は、彼らのように国の再建ができるような可能性はあるでしょうか。極めて難しく、絶望的でもあります。宗教的な強い基盤がありません。強い思想もないように思います。周囲に同調しながら、静かにつつましく同化されていくのでしょうか。まさに「日本人としてのアイデンティティー」なるものが、形成しにくいような教育内容であり、マスコミであり、知識人であり、政治家であるような感じがしてならないからです。
日本沈没ならぬ、日本消滅の危機がひょっとして、今年から十数年以内に始まるのかもしれません。そういえば、逃げてしまえという日本人もいましたので、私共より資格もあり、金もあり、口も達者で、すぐに海外逃亡や亡命でもしそうですから、そんな方に再建国の望みをけかてみましょうか。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻とその経緯、結果は、まさに「日本人としてのアイデンティティー」は何なのか? と問われていることであると強く感じました。