

カメラ内では、ほとんどのデジタル一眼レフでRAW撮影とJPEG撮影ができます。いずれか一つ、もしくは両方です。RAWの場合は、カメラでは元データのみですから、パソコンでのソフトによる現像やレタッチが不可欠です。それに反して、カメラ内でのJPEG撮影はすぐに仕上がり、パソコンで見られます。 さらにレタッチとなると、再度の圧縮となります。

ホワイトバランス、ケルビン値、WB補正などと、カメラ内での設定を書いてきましたが、この撮影方法を付け加えるだけで、このような設定から開放され、撮影に集中できるのです。
RAWデータとは、“RAW(「生」または「未加工」)”に近い状態で保存された、デジタルカメラの写真ファイル保存形式の一種です。
JPEG撮影のようにカメラ内ソフトによる色調補正処理のない、撮影したそのままの状態であるため、調整次第で写真の雰囲気を柔軟に変化させることができます。昔、フィルム現像を自宅で行いましたが、薬品の温度管理や遮光など大変でした。しかし、これがパソコンでできるわけで、デジタル写真の醍醐味のひとつといえるのではないかと思います。

パソコンで現像処理することによって、撮影後の調整がJPEGデータに比べて細かく行うことができます。
JPEG撮影時の画像と比べると、JPEG圧縮ノイズが発生しにくく、高画質になります。JPEGがもつ階調数は8bit(グラデーション256段分)に対して、RAWデータの保有する階調数は12~16bit(グラデーション4096~65536段分)で、これによって、RAWデータからは非常に滑らかな階調が得られ、画質調整を行っても簡単には劣化しません。撮影後にホワイトバランス調整が行えます。忠実な色再現には最適です。

JPEGデータより容量が大きいため、保存には大容量で高速書き込みの記録メディアが必要です。データ容量が大きいので、使用するパソコンの負担が大きくなります。RAWデータの規格が各デジタルカメラメーカーにより異なるので、メーカー間の現像の互換性はありません。できれば、各RAWデータに対応して機能も高い現像ソフトが必要です。
私は、Windowsでは日本製「SilkyPix」、Macでは「Apurture」を使っています。ただ、Macはこのソフトの開発を止めたので、ウォーターマークも入る「Lightroom」に移行しました。あとは、お試し版でしたが、「DxO Optics Pro」というのもあります。どれも結構な価格ですが、アドビのは安いかと…。