霧中雪が降る

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 霧の中のクリスマスツリーの木 (後で解説)

 <手順8 「色かぶり補正」を行い色温度調整では補正しきれなかった分を調整する>

 「色温度」である程度を補正できたら、次に「色かぶり補正」を行います。色かぶり補正はスライダーを左にするとグリーン、右にスライドさせるとマゼンタに色味が変化します。


 前の手順で色温度をある程度合わせてみたけれどグリーンかぶりしている、あるいはマゼンタかぶりしている場合には,ここで補正します。

 北海道に住む私としては、冬の雪原(日中の)の現像では、これが不可欠です。雪原を白に近づけていくと、部分部分で緑や紫の色かぶりが目立ってしまうことがあります。そうなると、やっかいな部分補正での「色かぶりの除去」となります。

 今回の写真は、霧の中のクリスマスツリーの木です。余りにも霧が濃くて待っているうちに、雪がちらほら見えてくるようになり、太陽の光で木の緑がかすかに見え出してからフラッシュをたいて撮ったものです。

 撮影時にプラス補正にしても暗くなりますので、RAW現像で露光量を上げていくと、緑の色かぶりと紫の色かぶりが出てきました。上はまだ緑の色かぶりが残っている状態のものです。これがなかなか除去できなく、最終的には雪を目立たせるために少々暗くして緑の色かぶりを少なくしたものが下となります。フラッシュの明るい部分に若干緑の色かぶりが残りました。白に近づけると色かぶりが見え出すという写真例となりました。


 <色かぶり>について

 主に光源の影響によって、それに照られた物の色が違って見えることです。よくあるのは、白熱電球の黄色味や蛍光灯の青味でしょうか。それと、光源というよりも、周囲の色によっても変わる場合があります。例えば、緑の林の中や芝の上だと、その緑が白い服や顔に影響を与えることになります。こうしたことは、肉眼では脳の調整が働いてあまり感じないのですが、カメラはそうはいきません。まともに影響を受けてしまいます。したがって、色温度とともに、この調整も大切なものになります。
 とはいえ、誕生日等でのロウソク明かりの写真などは、ケーキの白に合わせてホワイトバランスを合わせると、少々シラケます。やはり、ある程度黄色味のある方が雰囲気が出ますので、万事が白でいいとは限りません。