PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

絞り

被写界深度の話 復習

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 今回は、被写界深度の復習です。 次回はパンフォーカスです。

 物理的には、ピントを合わせた点(焦点)がピッタリなのですが、肉眼で見た場合に「ほとんど焦点が合って見える範囲」を被写界深度と言います。そして、焦点よりも近い位置を近焦点といい、遠いものを遠焦点といいます。この近焦点と遠焦点の間が被写界深度というわけです。

・肉眼で見て焦点が合っている被写界深度は、F値=絞りによって変化し、F値が小さいほど、範囲が狭く、F値が大きい数値ほど範囲が広くなります。

 例えば、レンズの焦点距離を70mmにして、F値8.0で1m先にピントを合わせると、近焦点が約95.6cmで、遠焦点が105cmとなり、被写界深度は約9.1cmです。F22にすると、近焦点88.5cm、遠焦点115cmとなり、被写界深度が26.2cmと長くなるというわけです。

・同じF値にして、レンズの焦点距離を変えると、焦点距離が長いほど、被写界深度が狭くなります。F値の場合とは反対です。

 例えば、F8.0に固定して、レンズ焦点距離140mmで1m先にピントを合わせると、近焦点98.9cm、遠焦点が101cmで、被写界深度は、たったの2.1cmとなり、上記の70mmレンズデータ9.1cmの1/4になります。70mmの3倍の210mmにすると、被写界深度はなんと1cm以下の0.8cmとなります。(理論値です。私の70-200mmでは最短撮影距離は1.2mですので。)

 こうなるとボケを堪能する世界かもしれません。この辺りは、90mmや100mmのマクロレンズの世界の話になるかもしれませんが、このレンズでも焦点を遠くに置いて、十数メートル先、数十メートル先、百メートル先となるとパンフォーカスの話となってきます。


 

冬の日の出 F4.5

新栄冬の朝

 新栄の丘 冬霧で赤い屋根の家が隠れる

 先の「マイナス12℃」の写真よりも,少し前の写真です。雲のような冬霧が,赤い屋根の家を横切るときを狙ってみました。ずっと外で待機している人もいましたが,三脚とカメラを設置して構図を決めらた車の中で様子見をしてからの撮影です。零下10℃を下回ると,やはり寒くなります(まだ,慣れていません。極寒時は零下10℃が少し暖かく感じますが。)。足元は底厚の防寒靴でいいのですが,特に指先で,3本の指がでる手袋ではやはり冷たくなります。これが零下20℃を下回ると,冷たさを超えて痛くなってきますので,極寒時は使い捨ての小さい懐炉があるといいです。

 さて,この写真はいつもの風景写真のカメラ設定とは異なります。F値が4.5というものです。逆光なので絞りこむというのが通常ですが,開放よりも数段上で解像度もいいと言われる数値で,どうなるかを試してみました。
 フォーカスは手前の木の先です。直線距離で100mと読んだので,レンズ約90mmの焦点距離なので,被写界深度は手前37,38mからの雪原,奥は山の稜線で無限大ということになります。いわゆるパンフォーカスということです。
 絞り込んだ際との違いは,太陽とその周辺の描写かと思います。絞りこむと光条が出てきたり,そのために太陽周辺に筋状の模様と周囲とのコントラストができてくるのですが,開いた分,意外と柔らかな感じがでています。いつもは,逆光専用のα7rでがっちりと絞って,光条をだしたものが定番なものですので,これはこれで,逆光で太陽を入れる際の参考になるかと思いました。

 もう一つ。風景写真というとパンフォーカスで,絞りこむのが常道です。しかし,絞りこむと,光とレンズの性質から,回析現象が起きて,ブレたような写真になるということで,F8からF14,15ぐらいまでというのも聞きます。絞り込みについては,ナショナルジオグラフィックでの技術書では,ブレが判明でるまでの大きな印刷はしないことから,F22,F32と最大に絞りなさいとありますので,回析現象は肉眼の識別能力を度外視した理論であるかもしれません。
 著名な女流作家の人はF16で撮影とか言っているそうです。心意・論拠は不明ですが,素人向けには「F値の設定をあれこれと悩むよりも,パンフォーカスはこのぐらい絞り込んで,風景写真を撮ってみては?」ということだと思います。しかし,F4.5でも,F2.8でもパンフォーカスができることも,カメラ・レンズの性質を知るには大事でしょうし,それで何らかの表現が変わるならば,試してみる価値があるということでしょうか。
 次回から、被写界深度やパンフォーカスについて復習してみます。
 

マクロ撮影 3 被写界深度

makuro2

 被写界深度を調べる 角度は30度ほど。三脚が長ければ、定規をテーブルの上に置いて‥。

  マクロ撮影は、ピント幅(ピントの合う範囲=被写界深度)がシビアということを書きましたが、それだけに片目ビューファインダーだけでは少々きついものがあります。
(風景撮影等では、ファインダーに片目を密着することで、両腕との3点で固定できるという利点はありますが)

 したがって、三脚が必要です。そうなると、液晶モニターによるピント合わせ(ライブビュー:Canon)がいいと思います。しかも、拡大ができ、Canonでは最高10倍になりまので、使わない手はありません。可動式の液晶モニターだと、ローアングルでも上から見ることができるので楽です。(ちなみに、三脚時には、前後左右ミリ単位でいどうできる雲台=スライダーがあれば便利です。Velbonは高価‥。)

  さて、実際に被写界深度はどれくらいあるのか、調べてみるのもいいかもしれません。計算式があるのですが、理解不能で避けます。
 となると、実際に撮ってみるというのがいいでしょう。レンズの撮影最短距離付近の位置から、定規上のピント箇所を決め、絞り開放から1段毎上げていって撮って見るという方法です。
  こうして、絞りと被写界深度との関係が理解できれば、撮影位置がつかめますし、出来上がりを想定して撮影に臨めます。
 明るさを決める「絞り」ですが、マクロ撮影の場合は、「被写界深度」を決めるものとしての理解が必要です。
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