PHOTO MEMO by FES

写真についての個人的メモ

写真考

デザイン的切り取り …

 景色、風景、光景 …。
 自分では風景かと思って撮っているのですが、どうも説明しすぎで、余分なものまで入れてしまいます。狙いきれていない、写したいものが明確ではないというような感想をもっています。

 最初に書いたいろいろな語句は、いずれも「鳥瞰」的なもので、広い視野で見ることになります。心情的にも、田園や自然の中にいることが好きなので、そうした中に抱かれていることに内心甘えているのかもしれません。したがって、余分なものまで入り込んでしまうような感じかもしれません。

 そんな甘えを捨てて、写したいものは何なのかをより突き詰めて行かなければならないと思います。そんな中で、1つのヒントは、以前の「睡蓮の池」を写したものや、前回の「青い池」での撮影ですが、造形的、デザイン的な光景ではないかと思っています。

静冷の池

 今回の写真もそうです。自然が作る造形に、青い池ということがわかるように、少しだけ、降雪で垂れ下がった枝を入れたり、立ち枯れの木の写り込みを入れました(入れましたというより、切り取りの関係でどうしても入ってしまうもの。配置できないのが自然物です。)。氷結した水面の違いでの面白さもあるかと思ったわけです。
 この場合は、ダイナミックさやインパクトには欠けますが、微妙な薄氷の変化や淡い色彩による自然が造る形状の妙と言った地味なものの中にも活路があるのかと思っています。あとはやはり色彩でしょうか。前にも書きましたが、この青い池の「微妙な青さ」を、色調や彩度、明度、そして、明瞭度やコントラスト等でどう表すかです。

 昨日、青い池に行ってきましたが、過日の雨で氷結はなくなっていましたが、今日から来週は雪です。こうした造形が見られるのもあとわずかかもしれません。
 

降雪青池2

 北海道は大雪をもたらした台風21号。昨年の台風による被害で度々放映された南富良野町では19cmも降ったようです。旭川市街でも夜から降った雪は5cmほどありました。前日に冬タイヤを履き替えたので、勇んで早起きし、曇り空の中2度目の青い池に向かいました。到着したものの雪の気配がなく、しばらく車の中で待機して撮りました。

 青い池はすでにライトアップの機器も設置されてはいましたが、夏季間の通路が使えます。入り口付近の浅い箇所ではうっすらとシャーベット状となっていました。

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 今回も降雪をどう青い池の中で現像することができるのかということで練習しています。やはり、白い雪には背景は暗い方がいいということですが、背景は湖面の青しかないので、色の濃いところを見つけて撮影しています。色彩的には湖面の青さもあって、降ってくる雪には青みが加わってきます。それを白にするのは今の所は難しいです(雪の1つ1つのラインを補正ブラシでなぞる方法ですが、超根気のいることでしょう)。実際的に「雪は白」という観念で見ているかもしれません。以前にも書きましたが、白雪の中では青い影ができるので、青い湖面の色もあって青い光が雪を照らしていることも考えられるからです。

 そんな中、下のような少し明るくした作品を作ってみました。これでも雪がたくさん降ってる感じが出せそうな気もしています。だたし、これはまだ枝の雪が青みを帯びているのを修正しなくてはなりません。私のモニターは調整していますが、普通のPCモニターだともっと青く見えるかもしれません。
 

017A4354


 

モノクロ考

IMG_1076

 光芒 カラー版

 最高気温は20℃そこそこですが、最低気温は一桁で6℃というのも珍しくなくなり、大雪山連峰の黒岳では9月末に冠雪というニュースも入りました。昼夜の温度差が開いてくると朝霧が発生しやすくなります。上の写真は、霧が漂う林に太陽の光が差し込んで光芒が見えた時に撮ったものです。
 
 紅葉の始まった木と常緑の木の色が若干見えますが、逆光ですので、強い光で色彩が薄れているのがわかります。彩度をあげるというのもあるでしょうが、こうした色調がいいのか、はたまた、モノクロで光芒を強調した方がいいだろうかと考えます。

 モノクロのよさについては、まだ十分には理解していませんが、とあるサイトを覗くと…

 「カラー=リアル=具体的=実用的」
 「
モノクロ=非リアル=抽象的=芸術的」

 という解説もありましたが、カラーが常に実用的かといえば芸術的でもあり、モノクロも同じかと思っています。要は何をどうすればよく表現できるのか、現像方法をどうするのかというようなことから「モノクロ」という選択枝があると思っています。

 今回は、色彩もあまり気に入らなく、光芒を強調させるということでモノクロにしてみました。

IMG_1076-Edit

 光芒 モノクロ版

色空間 2 ICCプロファイル


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 新年初稿ですが、また,難しい言葉がでてきました。
 前回は,一般的な色空間としてsRGBを紹介しました。そして,なおかつ,メーカーあるいは機器ごとにバラツキがあると書きました。そこで,そうした違いを調整するのが「カラーマネジメント」ということになります。

 そして,実際には「ICCプロファイル」という色の証明書的なデータがキーとなっています。 

 <写真データがモニターに表示されるまで>は、下記のようなことが行われているようです。

1 写真データとともに写真のICCプロファイルを,画像処理ソフトで読み込み判別する。
2 モニターのICCプロファイルを,画像処理ソフトで読み取り判別する。
3 写真データとモニターの双方のICCプロファイルから,適切な色になるように変換して,モニターに表示する。

 このような処理を行って初めてモニターに正しい写真の画像が表示されています。

 従って,写真データにICCプロファイルが含まれていること,モニターが正しい色を表示するICCプロファイルをもっていること,そして,画像処理ソフトがそれらのICCをプロファイルを判別して変換するカラーマネジメント・システムをもっていることが重要となります。

 この点で,MacのPCは、OSの中にこのカラーマネジメント・システムがあるので,Mac用のソフトはICCプロファイルを気にしなくても正しい色を表示できるようになっています。MacでのWebブラウザやFindでは同じ色を表示しますし,その他のソフトも同じ色を表示します。昔、有名だった道内のゲームソフトの会社に行ったことがありますが、画像作成、プログラミングも全てMacで、隅っこにあった1台のWinは、販売用での動作確認ということでショックを受けたことがあります。昔から、色の再現にこだわっていたということになりますし、大学の先生方もMacということでは、各種資料の色再現が重要であるということになるのかと思っています。

 <ブラウザの話>

 Web上の写真をよく閲覧しますが、使用するブラウザで少しずつ色が違うことをご存知でしょうか。
 WInではIE、最近のEdgeがありますし、MacにはSafariです。サードパーティでは、Google Chrome,FireFoxなどがあります。色の再現性ではどれがいいのでしょうか。また、モニターをカラーマネジメントして正しい色の出るICCプロファイルを作って自動的に読み取ってくれるのがいいですね。

 私のMacには,3つのブラウザがあります。Safariはモニターシャリブレーション後のICCカラープロファイルを自動的に読み込みます。そして、Google Chromeは、Win時代からの様々なサイトデータがあるので手放せない状況ですが、一般的なsRGBのICCプロファイルを読み込み、修正もできないことから正しい色にはなりません。
 もう一つのブラウザであるFireFoxは,少し面倒ですが、所定のICCプロファイルを読み込ませるように修正ができるので,正しい色を表示できるということになっています。

 ちなみに,最近のWinのブラウザは分かりませんが、昔から色面では評判が良くありませんので,FireFoxを使っているということになります。

 まとめ  このように、ICCプロファイルは、写真画像の入力からモニター表示、あるいは印刷出力を行うフリンターやソフトウェアに対して色の情報を正しく受け渡して,変換する役割を担う、つまり色の互換性を保つために重要なものです。

 さらに。
 ここで一番重要なのは、モニターのカラーマネジメントです。撮影した写真を見るにも、現像にもモニターを使いますので、このモニターが正しい色を出すか出さないかが分かれ道となります。

 定期的に正しい色を出しているのかをチェックし、その誤差を修正してやることが大切となります。それがキャリブレーションであり、専用のソフトと機器を使って、正しい色が出るICCプロファイルを作りPCに保存します。PC電源ON時にそれを読み込んで、正しい色が出るようにモニターを制御していくことになります。
 
    

色空間 1 基本

svg

 妙なグラフですが,私たちが見ることのできる色の範囲を表したもので,CIE1931色度図と呼ばれるものです。通常は立方体の3次元で表されるものを,平面に表したものらしいです。これだけだと,「ああ,そう。」で終わりですが,カメラやモニター,TVなどの機器ではどうなっているか? と調べると面白いことに気づきます。


 結論は,所詮機器ですので肉眼よりも狭いということですが,世界中には様々なカメラやモニター,TVがあり,それぞれが,バラバラな基準で色の範囲を決めると,メーカー毎に違った色になってしまうことから,国際的な基準が定められていて,その基準に沿った機器が作られることになっています。

 もっともポピュラーなのが「sRGB」という色空間です(sはスタンダードのs)。ほとんどの機器がこれに応じて作られています。もうひとつは,写真やグラフィック界で圧倒的なシェアを占めるAdobe社の「AdobeRGB」という色空間です。これは,sRGBよりも緑系が豊富なもので,編集や色校正などで活用され出版系で標準となっているものらしいです。(R/G/Bといのは、光の三原色の赤緑青です)

 さて,もうひとつ追加しますが、私は現像ソフトにAdobe Lightroomを使っているのですが,現像時には「Pro Photo RGB」という,AdobeRGBよりも広い色空間を使っているとのことです。ただし,その色空間を表示できるモニターがないので,見ることはできないのですが,緑や青系での微妙な色を扱い,決めることができるということです。

 次の図は,それぞれの色空間がもつ色の範囲ということになります。一番狭いのが,よく普及しているsRGBということになります。やはり,風景写真で欠かせない緑・青系の表現では物足りなくなってしまう三角形の色空間です。


color space


 さて,RAW保存すれば,sRGBとAdobeRGBの色空間を選択して,現像し保存することができます。
やがて,AdobeRGB対応のモニターを購入できれば,その違いを確認することができるということになります。 
 ここにはない印刷の方ですが,最近のプリンターは8色,9色と多色刷りもあり,sRGBの色空間を超えて,AdobeRGBに迫ろうとしているとのことです。従って、印刷用にはAdobeRGBの色空間での現像がいいということになります。

 最後は,「カラーマネジメント」ですが,カメラの写した色が,モニターに正しく表され,かつ,プリントでもモニターのような色がでるように、あるいは、どのモニターでも同じ色で映し出されるように管理・調整する,という意味で使われます。モニターも個々バラツキがあるので,正しい色が表示されるように調整(キャリブレーション)するのもカラーマネジメントです。

 プリンター使用時も,モニターが発光している色・光の三原色での色から,着色して外部の光で色がわかる色の三原色へと変わりますので,プリンター出力のための,カラーマネジメントをしなくてはならないということになります。 
  

肉眼とカメラ 2

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 同じ図となりますが,今回は,赤丸部分のことです。

 前回までいろいろと書いたのですが,「人間の視覚は視点を合わせた部分をつなぎ合わせて,光景全体を認識している。」こと,また,個々部分部分に見ているので,カメラのように,1つの露出,1つのホワイトバランスで撮影したイメージにはならないと思います。従って,人間の方がカメラよりも勝っているということになります。

 露出でいうと,逆光での人物を普通に撮ると,背後の光が強く,カメラの方が勝手に暗く写していまい,せっかくの人物が暗く写ってしまいます。そこで,そうした場合のコツとして,露出補正をプラスにして撮影すると,人物は明るく写りますが,背後にある青空も白飛びかそれに近い明るさとなってしまいます。この写真違う! と思っても,そこは肉眼とは違い機械の仕事というわけです。人間の認識では,人の顔も逆光でありながらも暗くは感じませんし,空の青さも見えるのですが,それは個々に見て認識しているからです。頭脳では,どちらもよく写っている状態なのです。

 そこで,この人間の「見た目どおり」に近づけるのが「現像ソフト」を使った現像の1つの目的になります。上記では露出のことでしたが,明るさが異なると色にも違いを及ぼします。つまり,空や大地・農地,農作物などの諸々のものの色にも違いを及ぼすものですので,露出の補正だけでだめな場合は,ホワイトバランスを変えることも重要になってきます。ところが,その現像ソフトが,全画面を一律にしか補正できないとなると,カメラと同じです。前にも書いたように,どのカメラも元となる光のデータを解析したものをもっているのですが,液晶画面で確認などをする画像は,カメラ内ですでに均一の補正を行った(つまりカメラ内現像して)ものです。

 そうなると,上記の逆光・人物の画像の現像だと,人物の部分とその背後の部分と別々に補正をしなければなりません。ここで重要なのは,使っている現像ソフトが,「部分的に範囲を指定して補正をかけられる現像ソフト」かどうかということになります。どうでしょうか。(まあ,大体が写っていればよしとすれば,それでいいのですが。)
 まさに,人間が個々を見て,明るさや色を確認したように(見たように),写真データを部分・領域ごとに現像できるソフトを使ってこそ,人間の見た目,見た目どうりになるのだと思います。

 肉眼,眼球から書き続けて,やっと1つの結論となります。カメラは人間の認識どおりには写せない。従って,部分・領域毎に補正のできる現像ソフトを使って補正しなければ,「見た目どおり」の写真には近づけない,ということになります。

 このシリーズというか,この写真考は,これから,その見た目どおりに現像することの難しさ,そもそも見た目の色をどう再現するのか,そのためにどうするのか,といった方向へといくことになるでしょうか。テーマ,モチーフなどとともに,厄介でありながらも,ステップアップには必要な考察事項だと思っています。
 
  

絶景・考

 以前,「世界の絶景」とか「死ぬまでに・・・絶景」のような文言の写真集やネット上の特集を見かけました。


 絶景とは「素晴らしい景色」「優れた景色」と言う意味です。さらに付け加えると,「見慣れた光景ではない」「ありきたりな光景ではない」という面からみると,身近ではない遠隔地であり,人里離れ行くのに苦労する場所といった場所・光景かとも考えられます。


 そして,絶景には,その「場所」以外の要素として,季節や時間も忘れてはならないでしょう。緑萌える春,新緑の夏,紅葉の秋,白銀の冬と季節ごとの変化も見逃せません。京都には4度ほど行きましたが,雪の京都なんて滅多に見ることができなくていいですね。そして,更なる要素は時間です。これは何度も書いているように,早朝の黎明から日の出,日没前後です。普段,なかなか見られないと言う意味では,なにも遠隔地ではなくて身近だけれども,これも絶景の要素の1つとなると思います。

  さらに付け加えると,天気・自然現象もあげられるかと思います。雲,雨,風,降雪,虹,光芒などの現象です。そして,上記の組み合わせでは,誰も気付かないような,目にしたことのない一瞬というのも「絶景」と言われるものに含めたいと思います。


 私としての<絶景の公式>とは,次のようなものになります。


  絶景 = 場所 × 季節 × 時間帯 × 自然現象  ⇨ 目新しさ(珍しさ)=New


 写真では,こうしたことを一般的には「フォトジェニック」というのではないでしょうか。私の言葉では,例の「Scene」の中でも,珍しさが多く詰まった「Essence」に当たるかと思います。
 まずは,自分個人として初めて見る「絶景さがし」から始めて,やがて,周囲も認める「絶景」に出会えるような方向へと進んでいきたいものです。

 今回は最後に写真です。綺麗というよりも光の不思議さです。これでもダイヤモンドダストです。どんな状況での撮影だったのかは,内緒です。タイトルは,「極寒の妖舞」といいます。

極寒の妖舞2

 

肉眼とカメラ ボケ写真

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 肉眼での見え方をもう少し考えてみました。
 上図の黒枠が前回のものです。どうも人間は凝視しなくても,見るということでは,周囲がボケていて,中心部分しか鮮明に見えていないことをお話しました。すると風景や光景などの全体を見るということは,視線を移動させなければならないということになります。つまり,見渡す,見回すということで,視線の移動が不可欠というわけです。人間が全体を見るということは,眼球や視神経自体,器官的には見えないけれども,それぞれ1部分のものを脳が合成して,「認識」させているということになるかと思います。

 我が子の絵にしても,見た通りに描きなさいとか,よく見て描きなさいと言いましたが,まさか,周囲がボケた絵を描きませんでしたし,よく見てということでは,視線を移動しながら描いていたように思います。こうして,肉眼の特性や写真を考えると,周囲がボケた絵を描いた子は,自分の感性に正直であり才能があるかもしれませんね。逆に言うと,絵的なもの,映像的なものでも,パンフォーカスということが知らず知らずに常識となっているのではないかとも思います。そして,写真を撮り始めると,強烈に「ボケ」に興味をもつようです(私自身)し,ボケのある風景写真もいいものと思うようになります。

 ボケは英語でも「Bokeh」です。海外では風景写真はパンフォーカスのものが多い(写真史からも)ようですが,海外でのこのBokehという言葉が使われないときは,全体的にピンボケという意味のOut of focusしかなかったような話です。このボケをひろめたのは日本人かどうかわかりませんが,写真サイトのFlickerで「Bokeh_photography」というグループがありますので,見てはいかがでしょうか。
  url  
https://www.flickr.com/groups/bokeh_photography/

 こうしたBokehの写真ははある意味,撮影者の写したいものが明確でいいという感じもしたり,主観的すぎて物足りなさも感じなくもないです。よほど,ピントのあった主役とボケた背景での物語性がないと,うまくいかないかなぁと,偉そうなことも思っています。しかし,パンフォーカスが主流のなか,新しい表現方法という位置付けで,著名なプロの風景写真家が続出すれば(そこまで情報はありません),面白いかと思います。

※ 画像右下の内容については,後日ということで。 

写真のテーマ 再考2

PB300081 smart copy copy

 雪の結晶(別名:六花)
 大雪に雨という不安定な天候ですが、冷えた日にコンデジで撮影。まだ、2mm以下の小さなものですが、立派な形をしています。冷えてサラサラの乾いた雪に見られる自然のミクロの造形美だと思います。
 
 また、テーマ関係です。
 前回はモチーフ(オブジェクト)からでもいいのではと書きましたが。再度、テーマなどの名称それぞれを定義したものをあげて、書き込もうとしてみましたが、やはり、「テーマ」というのは難しく、キーボード上の指も止まってしまいます。定義自体が、いろいろあるようで、再定義の必要もあるかと思うのですが。

❶ 「テーマ」 写真で伝えたいこと。自分における写真の意味。
❷「コンセプト」 一連の作品を貫く骨格となる発想や観点。
❸「モチーフ(オブジェクト)」 もともとは動機を指す。素材・被写体の要素の方向性。

 よく聞くのは、好きなものを見つけて、とことん撮りなさい。そして、なぜそれが好きなのかを自問自答しなさい。そうすれば、テーマなどは自ずと決まってくる。自問自答を超えたら、また、別の次元の写真へと近づける。‥というようなことです。好きなものを、撮りたいものを見つけるという意味では、先にモチーフ(オブジェクト)が決まるのでしょうか。カメラを持ち始めた当初は、いわゆる手当たり次第に撮っていましたが、やはり、自然に好きなものへと移行していきます。そして、好きなものだけに、上手く撮りたいと思うようになります。「何を撮るか」から「どう撮るか」へとシフトしていくような過程を辿ります。この辺りに、モチーフやコンセプトのヒントがあるように思うのです。

 そういう歳ではないのですが、もし恋人ができ写真を撮るとしたら、初めは思い出とばかりにパシャパシャと撮るでしょうか。そのうち、こんな表情や仕草がいいと感じ、もっと違う表情や仕草も撮ってみたいと思うかもしれません。撮った写真を見せることもあるでしょう。すると、恋人が喜んだり、もっと綺麗に撮ってよとか、こんな表情や姿は嫌だなどということもあるかもしれません。ただ機械任せに撮っていただけが、上達を目指すようになります。彼女が好きな表情や仕草と、撮影者が好きなものが違うこともあるでしょうね。花や小物の脇役も工夫したり、ポーズを勉強したりとしながら撮影していくことになるかと思います。横顔は横何度の時がいい。笑顔よりも真顔、ハイキーの方がいいなどと写真の方向性も決まってくるような感じがします。モチーフは「小悪魔な顔」でもいいでしょうし、そうなるとハイキーよりもローキーという方向性もあります。テーマは「恋人」ではなくて、自分の「かけがえのない愛・Love」かもしれません(これじゃ広すぎるかも)。いろいろなことが考えられます。ここで、恋人を例に出したのは、もし被写体が恋人のような存在だとしたら、好きでたまらないとしたら、いろいろなことが真剣みを帯びて、切実なものとして考えていくことになるかなぁと、想像してみたわけです。

 すると、まだ、そこまでには至らない自分がいるのかもしれません。なにせ美瑛の丘は様々です。小悪魔と呼ぶにはふさわしくない大悪魔でもありますし、天使でもあります。それに、光、雲、雪などの自然条件を加えると、思ったような、あるいは意外な表情を見るには、かなりの辛抱強さがいる恋人のようです。

 上記とは少し別な言葉を書き出しています。
「自然・田園風景」「美瑛とその周辺」 といえば、これは上記とは別なジャンルと呼ばれるものです。
求めていて納得するのは、心情的な「癒し」「感動」。端的なのは、朝夕の短い光と色彩のドラマ。この辺りを書いていくと、どうもどこかの写真集のような場面を思い起こします。まあ、それほどポピュラーな場所でもあるのですが、そこに何か私だけの恋人がいるんじゃないかと思うわけですし、それをどのように撮って現像するのかということでの 悩みもあるわけです。美瑛を撮りたいのではなく、美瑛にある丘や木々と光の戯れやドラマ。雪原の光、白の中の色彩、などなど。

 こうしていろいろな言葉、イメージを連ねているところです。テーマとなると、自分の過去を振り返り、なぜこうしたものに惹かれるのかの根源、原イメージをも遡る必要があるのでしょうか。なぜ、それが伝えたいものなのか、誰に伝えたいのか、残したいのか。私の人生と写真と重なり合った理由、これから進もうとする写真についてなど。これらはもう哲学?精神分析? 美瑛撮影は地理学、気象学? デジタルカメラは科学、光学? いっぱい考えることの多い、写真です。

 

写真のテーマ 再考1

BlogPaint
 再掲です。 オブジェクトのところに「モチーフ」を追加しました。
 


 「いい写真を撮りたい!」と思う自分がいて,「なぜ写真を撮るのか?」「写真で何を伝えたいのか?」と思い悩む自分がいます。

 なぜ,こんなことに気にかかるのかと言えば,将来の時間に保証がもてないことでしょうか。明日のことは老若男女,誰もわからないのですが,若い頃には考えもしなかった,自分の年齢・経済地盤,そして,家族の健康状況(病気,介護など)でも左右されてくるからです。いつ,写真が撮れなくなるのかは,個人的な1つの脅迫観念かもしれませんが,誰にでも迫っていることだと,自分だけでは寂しので拡大解釈をしているだけなのかもしれませんが。

 スマホやインスタグラムなど,巷では1億総写真家と言われる時代とも聞きます。中には写真が目的というよりも,話のネタ,全くの「私小説的な記録」の一部でしかないというのも見かけます。「半径2m」の個人的,家族的な写真が,Webによって世界まで拡散するという,よき時代です。
 私の写真も,まあその手のややこしいもので,私生活は隠したい,何とか写真の質を上げていきたいというものでしかありません。
 
 また,テーマです。
 決まった!となれば嬉しいのですが,やはり手探り状態のままです。
 しかし,手探りの中で,

・写真の世界では、「テーマを持つこと」の大切さを強調する写真家は(とくに日本には)多いが、「モチーフを持つこと」を説く写真家は少数だ。

 その結果かどうか分からないが、日本人では、文学的なテーマを模索する人が(西洋に較べて)多いと感じる。作者の主観、心理描写を重んじ、ウェットなテーマを選ぶことを好む。撮影のときも「何を感じて撮ったか」を大切にする。

 他方西洋では、心配性で勤勉な国民性が日本人に似ていると言われるドイツ人でさえ、写真においてはむしろ正反対で、テーマよりモチーフを重んじるように私には映る。ベッヒャー夫妻が、その最たる例で、主観を排し、ドライにモチーフを繰り返し描写する(同じ東アジアでも、韓国の写真家は、モチーフを重視する人が多いように私は感じている)。

 
 という文章が目に入りました。音楽家でもあり写真家でもある某ロベルト氏のブログ「焦点」です。もちろん個人的な見解でしょうが,これを読んだときに,テーマについて大上段に構えすぎるのか?と思いました。彼の作品は全てはみてはいませんが,かい間見た所,先端的な現代写真風で,モノクロです。全く自然風景写真ではありません。更に,写真撮影で「何を感じ取ったか」ということを大事にするという点でも,その後の文中では,世界(被写体)から意味を読み取る日本人と,世界(被写体)に意味を与える西欧人ということも言っておられます。やはり大衆が認めるような大義名分にすがる日本人との,個人主義や自然観(あるいは宗教)の差なのでしょうか。しかも,プロなのに,テーマを,ジャンルと間違えたり,オブジェクト(モチーフ)と間違えて,アマチュアに紹介しているのもあったりして,ピンキリの日本の写真界?のようでもあります。

 さて,これが引っかかったのは,やはり,モチーフということばです。写真では,何を撮るのかの被写体にあたるかと思います。どうやら,このモチーフの1つが固まりつつあるからです。もう少し考えてみて,このモチーフだでいいとすれば,「テーマは何だ!」と大上段でなくてもいいことになります(とはいえ,ロベルト氏の話は現代写真の先端の話らしいですので,自然風景写真にはほど遠く,勝手な解釈です)。

 撮影が少しおろそかになっていますが,自分にとってのオブジェクト(モチーフ)を再度確認するために,数千枚の写真データを見直しているところです(Lightroomも3代目で,別パソコンWinにも数千枚以上もありますので,さすがこれは見直す気がしません。)。すると,過去のものですので,見つけるとまた現像のし直しといったこともしてしまいます。すでに遠い記憶色の範疇となりますが,どのように表現したらいいのかということでの,試作にもなるかと思ってやっています。

 とはいえ,モチーフだけというのも,腑に落ちないので,それをどう表現できるのか(このあたりがコンセプト的かも),時期的季節的なものとすれば,他の時期にはどんなモチーフがあるのか,なども考えています。好きな被写体,気になる被写体ともなれば,誰にでもあるかと思います。好きだからこそ,綺麗に,高品質に撮り,仕上げたいものです。

 大上段にテーマ→サブテーマ→オブジェクト・モチーフではなくても,モチーフ・オブジェクトからでもいいのではないか。そう思うようにもなってきた年の暮れ・師走です。 

  
  
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