暁の散布ss

 「春耕への始動」 早朝からの融雪剤散布作業 丘陵地帯ではスノーモービルが大活躍である。

 日々撮る写真は自分にとっては何なのか‥。テーマ、コンセプト‥に思いを巡らせている間に、下記のような事件が起こりました。
 某公益団体主催のフォトコンで最優秀賞(知事賞)となった写真が問題となり、内部協議行われ、受賞辞退、団体の謝罪もあったという結末になったそうです。新聞やTVにもとりあげられたようです。審査員の受賞理由もありますが、団体そのものや、撮影者、審査員への批判が続出していたとか。また、批判を受けてすぐに取り下げ・辞退、謝罪ということへの批判もあるようです。
 そもそもその受賞写真は、「海岸に打ち上げられたクジラの上でガッツポーズの男性がのっているもの」です。タイトルは「征服」。
 審査員コメントは「海岸に流れてきた?クジラに乗ってヤッタゼ!と言った得意のポーズの青年!滅多に見られない作品作りに成功されたと言ってよいでしょう。」とのこと。
 撮影者については、取材で経緯がのっていて、
「たまたま海辺で見かけた風景を撮影した。他にも同じく撮っている人がいたから撮った。」と説明。クジラだけの写真も撮っていたが、「(写真)がおとなしいから」と考え、人が乗っている写真をコンテストに応募した。(中略)クジラの上に乗る行為を誉めているのではというネットの意見に対して「そんなつもりでだしたわけではない。撮る人によって違う捉え方がある」と主張。以上が概要です。
 
 私見ですが、先ずは審査コメントが軽すぎます。珍しさやインパクトのみの報道写真的な発想です。アマチュアの一応権威のある写真団体の一員(それも審査員)で、知事賞を決める位の人ですが、どんな意図の元に写真を撮ってきたのか疑いたくなります。コンテストのテーマは「○○の四季」ですので、それなりの観点からの言(審査基準も)があって当然かと思います。
 それとその一人の審査員が決定したとしても、団体の関係役員に諮ったと思っているのですが、何受賞辞退をお願いし、謝罪したような経緯なので、まったくのお任せか、機械的処理なのか、写真コンテストの目的や意図を理解していないようです。
 そして、撮影者です。先ずはタイトルも物議の一端で、感性がなさすぎです。それ以上に、「おとなしいから」人をいれた写真を応募したということですから、全くコンテストの趣旨にはあわないものです。この方は普段は風景写真を撮っておられる方のようで、見たところいい感じのものもあるのに、受賞して騒動をおこすとな本人もびっくりなのでしょう。いささか想像ですが、コンテストに応募するのにも慣れているような感じで、インパクトや珍しさでの受賞狙いもあったように感じました。
 いずれにしても、問題は「審査に際する基準が曖昧。」「審査員・撮影者も写真(応募・公開も含め)に対する考え、認識不足」ではないかと思います。

 コンテストのテーマがあったのですが、それをどのように具体化したイメージがあったのか、どのような要素が被写体に含まれていたらいいのか、はたまた、どんなものはいけないのか、などの方向性がなかったこと、明確になっていなかったことがこうした事件をおこしてしまったのではないかと思います。
 更に、撮影モラル的な面や、自然観、生命観‥などなども含んだものをもっていなかったということになるのではないかと思います。
 こうしたことを思うと、撮影者にとってはテーマやオブジェクトのみではなくて、「コンセプト」というものを強く意識することが必要になるのではないかと思いました。

 テーマ、サブテーマ、オブジェクト、コンセプト‥ 概略
テーマコンセプト